瀬戸内海を歩いて渡る 〜しまなみ海道65kmの憂鬱〜

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しまなみ海道 奥多摩じゃない山など

ああ、勘違い。瀬戸内海歩き、無念の離脱

生口橋を渡り終え、ぐるぐると下って因島(いんのしま)に降りました。要所要所にある「しまなみ海道」の案内板を見て愕然としました。因島は最後の島ではありませんでした。完全な勘違いです。もう1本、因島大橋を渡った向島(むこうしま)が瀬戸内海歩きの最後の島でした。
疲れや足の痛みが無意識に早く終わらせたいという気持ちにさせたのか、勘違いの原因ははっきりしませんが、島と橋の名前にも一因があるように思います。本州から歩いてくると因島大橋を渡れば因島だし、生口橋を渡れば生口島です。大三島橋や伯方橋なんかの例外はあるにしても、四国から歩くと渡る橋と渡った島の名前がまったく関係ないので混乱してしまいます。勝手な勘違いなんですが、偽ピークにだまされた気分です。

これから因島の北部を横断して因島大橋を渡り、向島の渡船のりばまで歩いても22時台の最終便に間に合いそうなんですが、すっかりココロがくじけてしまいました。尾道駅行きのバスがあることは下調べでわかっていました。バスに乗ることにしました。未明にスタートしてから約12時間、歩きを諦めたとたんに右足の痛みが激しくなってきました。無意識の言い訳でしょうか。これにて『瀬戸内海を歩いて渡る』はおしまいです。
因島に降りてきたあたりを右往左往してバス停を探したんですがよくわかりません。お孫さん(多分)を抱いて散歩しているおばさんにバス停をたずねました。

金山(かなやま)というありがたい名前のバス停で待つこと約30分。そろそろだよね、と思っていると大型バスがドシャーと眼の前に停まってびっくりしました。でっかくて豪華。シャトルバスや観光バスに使われるようなバスです。このバスじゃないよね、と思ったんですが、行き先は「尾道駅前」になっっているしフロントガラスの右上に「路線バス」とマジックで書かれた紙が貼られています。このバスで間違いなさそう。乗り込みます。

金山バス停

金山バス停でバスを待ちます。豪華路線バスに驚かされました。

豪華路線バスは島内のバス停をめぐり、因島大橋を疾走します。自転車や歩行者の道がないんじゃないの、と思っていたら因島大橋は2段構造で、下段が自転車や歩行者用になっているらしい。「あなたーがいつかーおしえーてくれたー」。そんなメロディーが浮かびますが、いまの状況となんか違う。ぜんぜん違う。

因島大橋

豪華路線バスは瀬戸内海を切り裂くように因島大橋を疾走します。

向島に渡るとフツーの地方都市の風情です。豪華路線バスはいくつもいくつもバス停をつなぎ、尾道大橋で向島から本州に渡ります。予定では向島から渡船に乗り、日のとっぷり暮れた瀬戸内海を眺めながらしみじみと旅の終わりを噛みしめるはずだったんですが、豪華路線バスは本州へシュッと渡ってしまいました。スマホ画面をシュッてこするみたいにあっという間でした。

日の暮れかけた尾道駅に着きました。人の密度の濃さにちょっと圧倒されます。

尾道駅

JR尾道駅に着きました。

きょうは快活クラブ福山松永店に泊まります。電話をすると当日の予約は受けられず、行ってみないと泊まれるかどうかはわからないそう。最寄り駅の松永駅は尾道駅から2駅。予定通り歩けなかったのは無念です。ほんのちょっと足を引きずりながら列車に乗り込みました。
お読みいただきありがとうございました。
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