山手線内の最高峰、箱根山に登ってきました。標高は44.6m。ただし、地理院地図で探ると箱根山の標高は42.6mです。DEM5Aという精度の高い航空レーザ測量による5mメッシュの数値標高モデルで算出されたものらしいんですが、まっ、なんらかの事情があるのでしょう。箱根山東尾根を登り、箱根山西尾根(どちらもテキトーな名付けです)を下りました。
箱根山へのルートはいろいろありますが、自宅から歩いて行ける箱根山南口をチョイス。箱根山南口と箱根山山頂の標高差は6.6m(44.6mとDEM5Aとの差。DEM5A同士の差は4.6m。以下同)ですが舐めてはいけません。箱根山東尾根の取り付きからの標高差は8.6m(6.6m)あります。つまり、登山口からちょと下り、ちょっと登り返しをこなしてから箱根山に取り付かなくてはならないのです。
箱根山は都立戸山公園の箱根山地区にあります。北緯35度42分13.32秒、東経139度42分48.63秒、東京都新宿区戸山二丁目です。椀をパカッと伏せたような山容に誘われて、数多くの登山者が訪れています。戸山公園は江戸時代の尾張藩徳川家の下屋敷時代に造園された廻遊式築山泉水庭「戸山荘」がルーツ。池を掘った残土で造成された築山「玉円峰」が明治に陸軍戸山学校用地となった頃から「箱根山」と呼ばれるようになったということです。冒頭の絵の右上、てっぺんに赤い屋根の四阿みたいなのがある山が玉円峰です。
特筆すべきは、自己申告、無料で箱根山登頂の証明書を交付してもらえることです。メンドーな写真提示なんか必要ありません。「ください!」と頼めば「はいよ!」とくれるのです。しかも日付けは係員の自筆で記入されます。登頂の達成感があらためて湧き上がる一瞬です。
そんなこんなで以下、箱根山南口から箱根山東尾根を登り、箱根山から箱根山西尾根を下り、登頂証明書をいただくために戸山公園サービスセンターまで歩いた記録です。全行程約40分の山行でした。
『奥多摩尾根歩き』にも通常の尾根歩き記として掲載しています。気が向けばそちらもお読みください。
箱根山の案内版のよると、戸山荘は寛文9年(1669)から工事を始めて20〜30年かけて元禄年間に完成したそう。面積は約44万9000平方メートルで、東京ドーム約10個弱分、卓球台約10万7000台分、山手線内の面積の約145分の1の広さです。かなり広いような気がします。今回はそんな広大な庭園に聳えていた箱根山(玉円峰)の登頂に成功しました。この経験を尾根歩きにしっかり活かしていきたいと思っています。