そこそこ必要至急な用事があり、高知に帰省しました。1週間近い滞在中に菩提寺に参拝した後、ふと、行ったことのない寺の先の道を歩いてみることにしました。粗いコンクリート舗装の細道が民家を縫いながら山の上に向かっています。
運動不足のはずですが、なんだかカラダは軽いです。途中からいきなり山道になるも、かまわずに登って行きます。
畑の跡らしい平地をいくつか過ぎ、空がバンと広がったと思ったら霊園に出ました。広大な造成地で何百基もの墓石がピカピカと陽を反射していました。
2018年(平成30)に国土交通省が全国164の1級河川を対象にした水質調査を実施し、「水質日本一」に選ばれた仁淀川も遠くに見えます。仁淀川は2019年(令和元)にも全国の一級河川のなかで「水質が最も良好な河川」の17河川のひとつとして選出されています。わたくしの産湯です。銀色に光りながら流れていました。
トイレが併設された四阿で顔やら首に水をかけて一休みし、さて、帰ろうか、と思って立派な舗装道路を下りかけたんですが、なにやら気になる山道を発見。ついフラフラと踏み入ってしまいました。
轍が消え、奥多摩とはなんかちょっと雰囲気が違う木々が道を覆うようになると、赤テープが出現しました。まさかこんなところで赤テープが、と思いながら赤テープを辿って歩きます。大岩を抱えた大木を過ぎ、ワラビの群生地を過ぎ、竹林を過ぎ、んー? 順番は違ったかも、そして突然、三角点の標石と標柱にぶつかりました。もちろん、ドンとぶつかったわけではなく、出くわした、という程度の意味合いです。
へー、こんな所に三角点があるんだ、などと思いながら先に進んでいくととたんに踏み跡がハッキリしなくなりました。下調べをした奥多摩なら問答無用、天下御免、天地無用とばかりに尾根筋を歩いて行くところですが、スマホGPSは持っているけれど普通の服装だし食べ物も水もなしなので引き返すことにしました。
三角点あたりを引き返していると先ほどは気が付かなかった山名板が木にぶら下がっていました。「バーガ森」と読めます。ヘンな名前です。「バーカ森」とか「バーガー森」なら大きな声で「ヘン!」と言えますが、「バーガ森」は小さな声で「ヘン」と言うしかありません。
帰国後、じゃなかった帰京後に「バーガ森」の由来を調べてみたんですが、「ひとっちゃあ、わからんがったがよ(訳:まったくわかりませんでした)」。
山頂までの道は地形図に掲載されていません。
以上、とても短い山歩きの記録です。
山の神様、地権者の皆様、ありがとうございました。