奥多摩尾根歩き
滝谷上流左岸尾根、滝谷上流左岸尾根東隣尾根

(前編)


今回は滝谷上流左岸尾根を登り、滝谷上流左岸尾根東隣尾根を下る予定だったんですが、滝谷上流左岸尾根の取付を確認するだけで引き返しました。下調べと言えば格好がつくんですが、ようは撤退です。滝谷・藤小屋窪出合(両門の滝の落ち口)にたどりついて「あそこから取付けそう」と滝谷上流左岸尾根を眺めたんですが、「よしっ」という気分がシューーーッという感じでしぼんでしまいました。こういうときは尾根で遊ぶなんて無理。集中力を欠いた山歩きは楽しくないし、危険です。水の流れる大きな音と濃い緑のなかでしばらくぶらぶらして来た道を引き返しました。

コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→小川谷林道→(45分)小川谷右岸下段歩道→上段歩道→(2時間50分)四間小屋尾根→(25分)滝谷・二ノ沢出合→(25分)滝谷・藤小屋窪出合(両門の滝の落ち口)→撤退(下調べ終了)
(4時間25分)
歩いた日 2023年7月23日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ~、そ~、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

小川谷右岸下段歩道から上段歩道に登り、四間小屋尾根を乗越し、二ノ沢右岸尾根へ。二ノ沢右岸尾根をちょっと下り、滝谷・二ノ沢出合から二ノ沢左岸(滝谷右岸)の山腹に取付き、下ッ滝、両門の滝を高巻き、滝谷・藤小屋窪の出合(両門の滝の落ち口)に立ったのが今回のルート。出合で滝谷上流左岸尾根を眺めながらぶらぶらして引き返しました。

おはようございます。奥多摩駅前のバス停です。川乗橋行きの増便が出発し、定時発の東日原行きを待ちます。先頭は奥多摩のトップガンMさん、お隣はモンターニャさん、1人おいてわたくし、ヒゲのSさんのザックが並びました。東日原行きに乗ったのは総勢8名。2名は川乗橋で降りました。
ヨコスズ尾根からのカロー大滝を皮切りにヘンタイ山歩きをするモンターニャさんとは東日原バス停で別れ、ピッケルを持って孫惣谷(まごそだに)方面に行くMさんとは小川谷橋を渡って別れ、滝上谷上流あたりでこれまたヘンタイ山歩きをするSさんとは人形山東尾根・下段歩道・上段歩道の取付(写真正面)で別れました。
小川谷林道から登ってきて下段歩道 を右へ。人形山東尾根を乗越します。
ほんのちょっぴりずつ高度を上げながらいくつもの尾根や
谷を越えていきます。ここは伏木窪。
篶坂窪を渡って
篶坂ノ丸東尾根(登り 下りを回り込むとすぐ
小屋の残骸が散らばっています。
残骸(写真左奥)を過ぎて20mほど、篶坂ノ丸東尾根に向かって戻るように登っていく作業道をたどります。
大きなゆるやかなくの字くの字の道です。
尾根に乗るかと思ったら直前で折り返し、
尾根に乗ったと思ったらすぐに右に巻いていきます。
標高950m圏(以降「標高」は省略)でガクッと折り返すんですが、ビシッとした道が先にも続いてて材木小屋窪に向かっています。
一升瓶が林立する小屋跡らしき場所を通過します。「酒瓶や兵どもが夢のあと」(鑑賞:山仕事の拠点として栄えていた作業小屋は今はもうその姿はない。残された幾多の一升瓶は繁茂する翡翠色の夏草にも屈強な男たちが切り倒した木々に手向けた碑にも見えるではないか)。
そんなこんなで1070m圏で上段歩道に合流。
下段歩道と同じく少しずつ高度を上げながらいくつもの尾根や谷を越えていきます。
「24|25」の林班界標が刺さった材木小屋尾根で休憩です。六花亭の「マルセイバターケーキ くるみ」を喫食します。賞味期限は昨日の7月22日。山中でほとんどモノを食べないわたくしを心配して「消費期限過ぎていますけどよろしければどうぞ」とSさんからいただきました。
底抜け鍋は健在でした。ザックを背負い、
鳥居谷左俣を渡るとずーーっと聞こえていた水の音がふっと消え、静かになります。
ツルハシの刺さった鳥居谷左俣右俣中間尾根を乗越し、
四間小屋尾根に着きました。1250m圏です。
左奥から登ってきました。四間小屋尾根を乗越して右に下っていきます。
道すがら。
道すがら。
小さな谷を渡ります。ここに水が流れているのを初めて見ました。
二ノ沢右岸尾根に立ちました。滝谷に降りるために下ります。
二ノ沢右岸尾根を登るとすぐに四間小屋尾根に合流します。
3分ほど下ると滝谷が見えてきました。
正面奥から流れてくる滝谷と左から流れ落ちる二ノ沢の出合です。
出合に降ります。正面はめざす滝谷上流左岸尾根ですがとてもじゃないけどここからは取付けそうにありません。
あの尾根から降りてきて二ノ沢を渡り、滝谷を渡り、
滝谷の小さなナメ滝のすぐ上流を
渡り、
滝谷右岸(二ノ沢左岸尾根)の山腹に這い上がるんですが、
その前に下ッ滝を眺めながらちょっと休憩します。きょうはなんとなく休憩が多めです。
滝谷右岸(二ノ沢左岸尾根)の山腹を登ってきて
登ります。Mさんが設置したトラロープが写真中央ちょっと上に見えています。
トラバース(山腹水平移動)気味に進み、
下ッ滝の落ち口を見下ろします。
落ち口の対岸。滝谷上流左岸尾根です。実は奥多摩駅のバス停でモンターニャさんから落ち口を渡渉すれば滝谷上流左岸尾根に取付けるという話を聞いていたんですが、落ち口に降りのもちょっと怖いし、渡渉後の傾斜もハンパないのでパス。
当初の予定通り、すぐ上流に見える両門の滝をめざします。右が滝谷、左は藤小屋窪という谷です。

下ッ滝と両門の滝。
両門の滝の落ち口を見下ろし、さらに上流に向かい、
藤小屋窪、滝谷の向こうが滝谷上流左岸尾根です。
もう少し上流から正面奥の滝谷上流左岸尾根の横っ腹を眺めます。手前に見える尾根は、藤小屋窪左岸尾根です。
藤小屋窪を渡り、藤小屋窪左岸尾根に上がります。
両門の滝の間を見下ろし、
滝谷の右岸に立ちました。対岸が滝谷上流左岸尾根です。山腹に獣なのかヒトなのか両方なのか、かすかな踏み跡が見えます。滝谷を渡渉し、あの踏み跡を右へたどれば滝谷上流左岸尾根に乗れそうです。
時間的にも体力的にもまだ余裕はあったんですが、なんだか気力が失せてしまいました。しばらく滝谷沿いをぶらぶらうろうろしたんですが撤退することに決定。来た道を引き返すことにしました。

滝谷と滝谷上流左岸尾根と横っ腹の踏み跡。
下山しました。稲村岩が傾いて見えます。そんなことより中日原の「日原タコライス」がきょうは営業していませんでした。ショックです。缶ビールをおいしく飲むためにめちゃくちゃ水分を絞って下ってきたのに。とほほ。
東日原バス停でバスを待っているとMさんが下山してきました。発車間際にモンターニャさんも到着。Sさんはおそらく1本前のバスだったんでしょう。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。尾根はひとつも歩けませんでしたが、まっ、こんな日もありますよね。また、よろしくお願いします。