今回はタワ尾根の下半分あたりの東面をゴチョゴチョと歩きました。まず人形山東尾根(にんぎょうさんひがしおね)を登り、タワ尾根から小川谷右岸の最上段歩道(?)から上段歩道へ。上段歩道から篶坂ノ丸東尾根(すずさかのまるひがしおね)を登り、タワ尾根を一石山神社まで下るというルートです。
人形山東尾根は前回にちょっとだけ歩いています。小川谷右岸の上段歩道を歩くために、小川谷林道から登ったのが人形山東尾根の下のほうです。てっぺんはタワ尾根の人形山。下半分くらいはややヤセていてゴツゴツした尾根ですが、上の方は急登はあるものゆったりとして広ーい尾根が広がっていました。紅葉はほとんど終わっていましたが、なんとも心地よい尾根でした。
タワ尾根から上段歩道へ下るのは、上段歩道を歩いたときの小屋跡近くから上に伸びていたしっかりした作業道を歩いてみることにしました。しかし下調べで得た情報は『バリエーションルートを楽しむ』(松浦隆康 新ハイキング社)に逆S字で描かれている簡略なルートのみ。タワ尾根のどこから下るのか判然としません。金袋山(きんたいさん)の直下あたりかな、くらいしかわかりません。まっ、見つからなかったらそのままタワ尾根を登って云々という心づもりでの出発でした。
なんとか上段歩道にたどりついたのですが、その顚末は以下の本編でご覧ください。上段歩道そっくりの最上段歩道とでもいう道に翻弄されてしまいました。
篶坂ノ丸東尾根は単調といえば単調な尾根でした。ただ、葉を落としたまばらな木々を見上げながらの幅広い尾根はそれはそれでテキトーに歩けて楽しく、振り返るたびに目に入る長沢背稜がどっしりと横たわる様はなかなか見応えがありました。
人形山東尾根、篶坂ノ丸東尾根、小川谷右岸最上段歩道(?)
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■コース | JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原街道→林道小川谷線→(40分)人形山東尾根→(40分)上段歩道分岐→(1時間)人形山→タワ尾根→(30分)金袋山→(5分)最上段歩道→(1時間)上段歩道→(25分)篶坂ノ丸東尾根→(1時間10分)篶坂ノ丸→タワ尾根→(1時間40分)一石山神社→[GOAL](35分)東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅 |
■歩いた日 | 2018年11月17日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原街道→林道小川谷線→人形山東尾根→上段歩道分岐→人形山→タワ尾根→金袋山→最上段歩道→上段歩道
人形山東尾根下部はヤセゴツ、上部はゆったり。最上段歩道(?)で道を失いちょっとドキドキ。
おはようございます。4回連続の日原です。奥多摩駅から東日原行きバスは立ち客5人くらいで出発。東日原まで乗ったのは10人くらい。泊まり装備らしい大きなザックを持った人も数名いました。ザックから黄タオルと軍手を出し、
日原鍾乳洞方面に歩き出します。小川谷橋(おがわだにばし)を渡って右へ、日原燕岩洞門をくぐって日原街道から小川谷林道へ。日原浄水場を過ぎると人形山東尾根の取り付きはすぐです。
人形山東尾根の取り付きに着きました。スパンと断ち切られた倒木は片付けられない限り絶好の目印です。
林道の先、あの左にカーブしているところが人形山東尾根の下端だと思います。
ザックから杖や水を入れたペットボトルを出し、靴紐を締めて登り始めます。
落石防護網を支えるワイヤーロープを何本も越えます。周りの景色に気を取られたりボンヤリしているとお腹あたりにワイヤーがグボッと食い込んで驚きます。
1回、逆くの字を描くと幅の広い道に出ます。小川谷右岸下段歩道です。
こちらは日原鍾乳洞の方向。見える範囲では崩落はなさそうです。
反対方向に歩くとすぐ、下段歩道は人形山東尾根を乗り越そうとします。
こちらは尾根の下端方向。石柱の先からグググーッと切れ落ちていきます。
尾根の登り初めはこんな感じ。左下に道が付いています。
ゴツゴツです。
ほぼ、尾根の左側に道が付いているんですが、
せっかくなので、こんなところや
こんなところは枝や岩を掴みながら尾根筋をビシッと登りました。
そして上段歩道への分岐に到着。正面ののヤセゴツの尾根に踏み入ります。
そういえば上段歩道の反対側はどうなっているんだろうと、尾根上から見下ろしてみましたが、道らしきものがあるようなないような。
尾根はこんな感じで続きます。
振り返ると長沢背稜がドーンと横たわっていました。
人形山尾根には大きな木がたくさん立っています。
これはこれから向かう篶坂ノ丸東尾根の方向。
900mを越える越えたあたりから尾根が広がってきました。ちなみに小川谷林道の取り付きは680mくらいです。
道というものはないので、テキトーに歩きます。細かいアップダウンを繰り返しながら高度を上げていきます。
よく晴れました。
950mを越えたあたりから右手に常緑樹林が併走します。
ヘンな形の大きな木。
尾根の形ははっきりしませんが、テキトーに歩けるのはうれしいです。
飛行機雲が
シュパシュパシュパーッと木を切り倒していったら怖い。
また大きな木を通過します。
登ってきて
登ります。
大きな木が倒れていました。
滅茶苦茶フライングだと思うんですが、なにかいいことがあったのでしょうか。
左下に大ミズナラが見えてくると、
人形山(1176m)に着きました。
山名板。
人形山からの景色。
人形山からの景色。
人形山からの景色。
水を飲んで上段歩道に下りる道を探しに出発です。あの尾根がタワ尾根です。
タワ尾根を登ります。
こんなところや
こんなところを通過して、
右下前方に伸びる道を発見! ではありますが、これが上段歩道の小屋跡近くにある作業道へ続いている道かどうかはわかりません。スマホGPSの表示は標高1293m。金袋山がもうすぐなのでとりあえず山頂まで行ってみることにしました。
金袋山(1325m)の山頂に到着。愉快な山名板です。袋に手を入れたくなります。きっといいものが入っています。
まっ、それはおいといて、タワ尾根の東面に道がないか探しながらゆっくり引き返します。
見当たりません。
やっぱり見当たりません。
ということで、タワ尾根上のこの石柱から下った先にある、
何も語らなくなった支柱が立っている、
先ほどの道。ここしかそれっぽい道はありません(支柱はこの写真の左に立っています)。
歩き始めはこんな感じ。
なだらかな斜面をトラバースしていきます。
この倒木を越えると道はなんだかあやふやになりましたが、薄い踏み跡を辿ってそのまま進みます。
そして涸れ沢にぶつかります。
この写真ではまったく伝わりませんが、激しく崩壊していて対岸へ渡る道はないし、対岸にも道は見当たりません。
引き返すしかないかなあ、と思っていると右下に薄い道らしきものがあります。スーッと、先ほど乗り越した尾根の方に伸びています。
ダメで元元。道のような道を進みます。尾根を乗り越します。
これは道でしょうか。ちょっと怖いです。
で、さらに進んでいくと、なんだか道らしい道になってきました。
どんどん道らしくなってきて、もうこれは道です。
上段歩道に似ているなあ、と思いながら快適に歩きます。
で、尾根を回り込む場所にこの林班界標が立っていました。ビックリです。上段歩道を歩いたときに「23 | 24」の林班界標を見た記憶が確かにあります。ということはこの道は上段歩道? 歩いてきた道筋を思い起こしますが、上段歩道に合流した場所はなかったはずです。
キツネにつままれた気分であれこれ考えますが埒が開きません。上段歩道に合流したのか確認しようとちょっと引き返したんですが、いやいや合流なんかしていない、と思い直してまた林班界標に戻り、
キツネにつままれた気分であれこれ考えますが埒が開きません。上段歩道に合流したのか確認しようとちょっと引き返したんですが、いやいや合流なんかしていない、と思い直してまた林班界標に戻り、
そこでやっと標高を確認してみることを思い立ち、スマホGPSをポケットから引っ張り出しました。現在地は1143m。で、『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版)の「23 | 24」の林班界標があるのは1020mあたり。これはGPSの計測誤差の範囲とはいえない差異だと判断。この下に上段歩道があるはず、と先に進むことにしました。
まあ、残念ながらここが上段歩道だったとしても人形山東尾根まで辿り着くわけで、そのまま小川谷林道に下りて帰ってしまえばいいや、との思いもありました。
まあ、残念ながらここが上段歩道だったとしても人形山東尾根まで辿り着くわけで、そのまま小川谷林道に下りて帰ってしまえばいいや、との思いもありました。
3、4分ほど歩くと通せん坊のように丸太が行く手に横たわっていました。その先にも薄らと道は続いています。しかし、
こちらの折り返して下っていく道のほうが断然強い踏み跡に見えます。この道をチョイス。
倒木を越え、
しばらく歩くと、んっ、
なんか道がなくなりました。完全に道を失いました。
下の方はこんな感じ。
ノッペリした山肌を進んでいくと、行く手に石垣が見えました。とりあえずにじり寄っていきます。
石垣の上から下を覗き込むと、決して落ちたくない光景です。
石垣の向こうの尾根に乗りました。じっくり時間をかけてスマホGPSで調べました。ここは「23 | 24」の林班界標のある尾根のはずです。あとほんの少し高度を下げれば、上段歩道まで下りられる(あれば)はずですが、とんでもない急降下です。
ゆっくりゆっくり下っていくと、林班界標が見えました。問題はその数字です。
やりました。「23 | 24」です。別の場所に立っている同じ数字の林班界標を見たのは初めてのことです。というかそんなことはともかく、目指していた小屋跡からの作業道はいったいどこなんでしょう。あの通せん坊の先に進むのが正解なような気がしますが、わかりません。まっ、きょうのところは遭難もしなかったし最上段歩道とも呼べそうな道を歩けただけでも良しとします。