今回は材木小屋尾根(ざいもくごやおね)を登り、タワ尾根を下りました。
材木小屋尾根はタワ尾根にある篶坂ノ丸(すずさかのまる)あたりをてっぺんにして東に伸び、小川谷(おがわだに)に切れ落ちている尾根です。尾根の半分あたりを上段歩道が横切っていて、以前に上段歩道から材木小屋尾根を登ったことはありますが、今回は尾根下端の小川谷から篶坂ノ丸まで登ってみることにました。林道小川谷線から小川谷まで下り、吊り橋を渡って尾根に取り付く、というなんとも素敵なルートです。
素敵なルートではあるんですが、等高線の詰み具合通りの急登にかなりしんどい思いをしました。立ち止まって水を飲むと、すっかり葉を落とした木々が風に揺れ、雲ひとつない青空を掃いていました。
タワ尾根をのんびり下るのはとても心地よいのですが、急げば予定より1本前のバスに乗れそうなことが判明。タワ尾根をダーッと飛ぶように(イメージ)駆け下りました。
材木小屋尾根
■コース | JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原街道→林道小川谷線→(1時間40分)4.0km標識→(10分)小川谷→材木小屋尾根→(1時間30分)上段歩道を横断→(1時間30分)篶坂ノ丸→タワ尾根→(1時間20分)一石山神社→日原街道→[GOAL](20分)東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅 |
■歩いた日 | 2018年12月15日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原街道→林道小川谷線→4.0km標識→小川谷→材木小屋尾根→上段歩道を横断→篶坂ノ丸→タワ尾根→一石山神社→日原街道→[GOAL]東日原バス停
材木小屋尾根は初っ端は急登、中盤はやや急登でヤセてきて、上段歩道を越えれば急坂はあるけれど広々とした尾根をノンビリ歩けました。
おはようございます。日原にやってきました。東日原バス停からゾロゾロというほどでもない人数が歩きだしました。ほとんどのハイカーは鷹ノ巣山(たかのすやま)方面へ、日原川(にっぱらがわ)に下りていきましたが、わたくしは小川谷橋(おがわだにばし)を渡って右へ。一石山神社、日原鍾乳洞、日原燕岩洞門を過ぎて小川谷林道に踏み入ります。
ゲート、浄水所、かろう橋、モノレール車庫、滝上谷橋(たきうえたにはし)、前回歩いた大栗尾根(おおぐりおね)の取り付きまでシュッと移動します。
あれが材木小屋尾根だと思われます。
小川谷へ下りる道はこの「4.0km」の標識が目印だと前回「Mマップ」をいただいたMさんから聞いています。東日原バス停からここまでおおよそ1時間40分。標識のほんのちょっと先、
このカモシカ看板から谷に下りる道が伸びていました。
全貌はよくわかりませんが、やはりあの尾根が材木小屋尾根のようです。靴紐を締め直し、出発です。
思っていたよりしっかりした道が続きます。
上流に向かって緩やかに下っていきます。
霜柱。踏むとなんの抵抗も音もなく、フンワリとした感触で驚きました。
吊り橋が見えました。
近づきます。
ちょっと怖いです。まん中を歩きます。
上流側。左岸から犬麦谷が注ぎこんでいます。
下流側。
渡り終えました。
橋を見下ろします。
すぐに尾根の下端です。写真には写っていませんが、しっかりした踏み跡が尾根を巻くように左に伸びています。もちろん、わたくはこの尾根をビシッと登ります。
登ってきました。見た目以上というか、かなりキツい登りでした。
左下からの道にぶつかります。下のほうで赤いリボンがヒラヒラしているのが見えました。道はこのあたりからあるようなないような、知らぬ存ぜぬのあやふやな態度になっていまきますが、上のほうで素知らぬ顔で戻ってきます。
相変わらずキツい斜面を登っていると、頭上に道標が見えてきました。
あの下から登ってきました。
ここは下段歩道のようです。道標の文字はまったく読めません。ロープが張られています。あちらは鍾乳洞方面。
こちらは三又(みまた、みつまた)方面。下段歩道は荒廃しているということですが、見える限りはしっかりしています。
水を飲んで出発です。急登です。
登ってきて、
獣道みたいな道を辿ったり辿らなかったりしてテキトーに登ります。
赤いリボンが揺れていました。
1050mあたり。勾配がなだらかになりました。
左からの尾根と合わさり、右へカーブします。
これは振り返っての撮影。登るときはまず迷いようがないのですが、下りは慎重に進路を決めないと狙った尾根を外す可能性大です。
地形図にはない岩場です。覆い被さるような威圧感はないのですが、正面突破は無理そう。
左にグーッと巻く道がありました。ズーッと先に伸びていたので、途中から尾根筋に登るこの道に乗り換え。
真上のようす。
登ってきました。
登ってきました。
そしてこんなところを歩きます。
この尾根には大きな木が多いです。
1160mあたりから尾根はヤセてきます。
こんな感じ。
ここが地形図に記載されている1178mのピークかと思ったんですが、
もうちょっと先のこちらでした。
木杭が朽ちつつ横たわっていました。何を伝えていたのでしょう。
1178mのピークの先はこんな感じ。左側はちょっとした窪みの向こうに低い尾根が併走していて、右側はバシッと切れ落ちています。右側の切れ落ちは地形図から想像できますが、左側のフニャクニャした地形は読み取れません。ヘンな地形です。
ピークからの眺め。こちらは長沢背稜。
こちらはタワ尾根のウトウの頭。ヤセ尾根をズンズカズンと進んでいくと、危険です。1178mのピークからは左の踏み跡に下りたほうがよさそうです。でないと、
こんな斧で断ち切ったような2m強の岩の上に立つことになります。
その先はこんなヤセ尾根に乗ります。
その尾根をズンズンズンと進んでいき、アセビの藪を越えると、上段歩道でした。
こちらは三又方向。
こちらは鍾乳洞方向。
かつてこの画像の中央にある切り株に底の抜けた鍋が伏せられていました(というか、伏せられていてそのうちに底が抜けたんだと思うんですが、どうでもいーか)。
これがその鍋。2016年7月3日に四間小屋尾根や材木小屋尾根なんかを歩いたときに撮影したものです。「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」(『ぼくの帽子』西条八十)という呟きが聞こえてきそうです。[鍋、発見! の尾根歩き(2022.08.27)]
鍋はどこかにいってしまいましたが、尾根はまだ林班界標の向こうにあります。
おだやかな雰囲気です。
ひときわ大きな木が見えてきました。1250mあたりです。
でっかいです。
この大木はいつもどんな風景を見ているのでしょう。大木になったつもりで周囲を撮影してみました。これは登ってきた方向。
ほぼ東方向。長沢背稜が見えます。
南東。
南。
南西。
ジンワリジンワリと登って行きます。あっちにウトウの頭とそこからビューッと下っている四間小屋尾根(しけんごやおね)が見えています。
で、こちらは長沢背稜です。って撮影にかこつけて休んでいます。
おそらくあの向こうのピークが篶坂ノ丸です。タワ尾根を歩いていると「山」だとはちっとも感じないんですが、こうして眺めると確かに山です。
左からの尾根と合流して右にカーブして右からの尾根と合流します。
左からの尾根と合流してから振り返って撮影。この写真ではよくわかりませんが、尾根は左右に分岐しています。材木小屋尾根の下りは尾根の分岐がやっかいです。
梢が初冬の風に揺れています。
なんとなく歩く方向があやふやになった場所ですが、あの高みを目指します。
登ってきました。
またウトウの頭と四間小屋尾根です。
そういえば雪が残っていました。
登ってきて、
「よっしゃ」みたいな最後の踏ん張りの必要なくズルッという感じでタワ尾根の登山道に合流しました。
こちらはウトウの頭(長沢背稜)方向。
こちらは一石山神社(日原鍾乳洞)方向。こちらに歩くとすぐに、
篶坂ノ丸(1456m)に到着。これにて材木小屋尾根はおしまいです。吊り橋、急登、岩場、ヤセ尾根、幅広尾根、下段歩道、上段歩道、巨木。なんやかんやの盛りだくさんの尾根でした。
ここで時刻をチェック。うまくけば予定より1本前のバスに乗れそう。
ここで時刻をチェック。うまくけば予定より1本前のバスに乗れそう。
わたくしはカマイタチに姿を変えて(イメージ)タワ尾根を駆け下りたのでした。
バスには間に合いました。
このところ一人反省会をきちんとしていませんでした。路上や橋上、プラットホーム、電車内などと尾根歩きを舐めた態度でした。そこで今回はビシッと途中下車。居酒屋で一人反省会です。ところが意見は何も出ず、酒の追加ばかりが威勢よく飛び出す事態に一同唖然。次は温泉に入りたいな、とかいうちっとも反省じゃない声が聞こえたことは議事録から抹消されています。
吊り橋からの材木小屋尾根、とても面白かったです。
このところ一人反省会をきちんとしていませんでした。路上や橋上、プラットホーム、電車内などと尾根歩きを舐めた態度でした。そこで今回はビシッと途中下車。居酒屋で一人反省会です。ところが意見は何も出ず、酒の追加ばかりが威勢よく飛び出す事態に一同唖然。次は温泉に入りたいな、とかいうちっとも反省じゃない声が聞こえたことは議事録から抹消されています。
吊り橋からの材木小屋尾根、とても面白かったです。