『密閉山脈』(森村誠一 著)という山岳ミステリーを読んでいます。森村誠一を読むのは初めてです。読後感ではありません。読中感です。読み終わって、つい得意げに犯人やトリックを明かしてしまうと大変です。読中ですがレビューみたいなものを書きます。あーなるほど、だから密閉なんだ、とやっとわかったところです。ページ数でいうと3分の1くらいといったところです。
二人の山男が一人の美女に恋します。こういうシチュエーションは『灰色の北壁』(真保裕一 著)に収められている「雪の慰霊碑」でも書かれていましたが、現実でもありがちなことなんでしょうか。幸か不幸かわたくしにはそんなことはありませんでした。もちろん、これから先のことはわかりませんが。
まっ、それはそれとして3分の1くらい読んだ『密閉山脈』について書いておきたいことは以下の2点です。
■人は荼毘に付されるとどのように燃えるか
■人は高所から滑落すると肉体はどのようなダメージを受けるか
この2点について引用するのも尻込みするくらい微に入り細に入り書き込まれています。実際に見ていないと書けないだろうと思われる生々しい描写が続きます。正直なところ、ここまで書く? ストーリー展開に必要なの? と首を傾け中ですが読中なのでこれから何が起こるかわかりません。
けれども、荼毘や滑落で人間の”肉”がどうなるか、知っておいたほうがいいんじゃないかとなんとなく思うんです。どーして、と聞かれてもハッキリ答えられません。読後には答えられるのでしょうか。いまのところ『密閉山脈』は人間の”肉”を知ることができる山小説です。