幻のキノコ「ハナビラタケ」を採って食べてみた

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ハナビラタケ ごはん

笹尾根の数馬峠から北へ三頭沢(南秋川?)と南沢という沢の出合まで下っている数馬峠北尾根(テキトーな名付けです)を下っていると、視界の隅に真っ白な塊がチラリと見えました。こんなところに白いアジサイが咲いている? と思って近寄ってみるとキノコでした。マツの倒木の折れ目にもっこりと丸く盛り上がっています。マイタケ? うーむ、季節が違うしマイタケはナラ類にしか生えないんじゃなかったけ。
ちょっとちぎって食べてみる。かすかにキノコみたいな味がする。苦味やしびれ感はない。もうちょっとちぎって食べてみる。口にしたら即、悶絶という猛毒キノコではないことは確か。持ち帰って調べることにしました。両手で株の根本を探ってゆっくり揺するようにして株をはがし、ザックを降ろし、汚れ物用のレジ袋を引っ張り出してキノコを入れました。

ハナビラタケ

大きさは手のひらを大きく広げたくらい。ベリッという感じで株ははがれました。

帰宅後、風呂に入り、洗濯機を回しながら図鑑やネットで調べました。白くて夏から秋に生えてマイタケに似た形、となればほぼハナビラタケというキノコで間違いないらしい。似た毒キノコもないようです。決めました。食べます。花みたいな形なのでハナビラタケって名前が付いたんでしょうけど、英語では wood cauliflower mushroom という呼び方があるらしい。木に生えるカリフラワーみたいなキノコ、ほどの意味でしょうか。ハナビラタケのほうがぴったりきます。
波打った花びらはしっかりしていてぼろぼろ崩れたりしません。プリッとして弾力があります。食べられるとわかったらとたんにおいしそうに見えます。とりあえずレジ袋に戻して冷蔵庫の野菜室へ。

持ち帰った翌々日になってしまいました。真っ白だった花びらが黄色くなっています。においを嗅いでみます。なにもにおいません。ほんのかすかに針葉樹林の中にいるようないないような、そんなよくわからないにおいがするといえばします。

ハナビラタケ

ちょっと黄色くなってしまったハナビラタケ。リモコンは大きさの比較のため。フツーのリモコンです。とくに巨大でも微小でもありません。フツーです。

ハナビラタケ

ハナビラタケのちょっと拡大。見れば見るほどアジサイみたいです。色も白から黄に変化しているし。

さて、料理です。いろんな料理法があるようですが、かんたんでかつキノコの味がわかりやすいと思われるバター炒めに決定。天ぷらや味噌汁なんかもおいしいみたいなんですが、ほら、ちょっとメンドーでしょう。特売日に買おうと思っていて買いそびれてフツーに買ってきたばかりのちょっと悔しいバターがあるし、キノコ料理の王道といってもいいバター炒めにしてみました。

ハナビラタケのバター炒め

ハナビラタケのバター炒め。炒めると元の白さに戻ったような気がします。

中華鍋にバターを溶かし、ちぎったハナビラタケを投入。キノコは基本的に洗いません。土や枯れ葉の切れ端を払い落として料理します。市場価値の高い(ようは高く売れる)マツタケやマイタケなんかは筆で汚れを落とすこともあるそう。
鍋を揺すりながら全体に油がまわり、火が通るのを待ちます。待ちますが、ほとんど変化がありません。バターをまとってテラテラと反射するんですが、花びらはビシッとした形のままです。シナっとしてペタッと鍋に寝そべる、なんてことはありません。テキトーなところで火を止め、塩、コショーを振ります。キノコの味がわかるようにやや薄めです。

皿に移してひとくち。コリッコリのコリッコリです。もうひとくち。これでもか、というくらいコリッコリのコリッコリです。かなり熱を入れたんですが山の中でかじったときとほぼ同じか、さらにコリッコリのコリッコリです。
味は、、、ほぼ無味無臭。口に含んで鼻から息を出したり、舌の上にしばらく載せたままにしたり、ビールでいったん口の中をご破算にして、も、やっぱり無味無臭です。塩を少し足します。醤油も少したらしてみます。キノコ度アップです。キノコっぽい味になりました。けれどもキノコの味をよーく探るとやっぱり無味無臭。キノコっぽい味というよりはキノコ料理っぽい味です。ハナビラタケってこういうものなのでしょうか。食感がおいしいと思えばかなりおいしいキノコではあります。
ハナビラタケは食材としてだけでなく、免疫力強化やコレステロール値上昇抑制のほか、更年期障害、腫瘍、高血圧、糖尿病に効果が期待できるスグレモノらしい。ハナビラタケの成分を含んだサプリメントも販売されていてその分野でもなかなかの人気者みたい。

いつかまた、山の中でハナビラタケを見つけたらどうするか。悩みどころです。うーん、気分次第、かな。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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