『脱獄山脈』(太田蘭三 著 祥伝社文庫)を読みました。出版社によると「長編山岳推理」です。
この短い記事の目的は 、「通山電車なんかで読むと気分が盛り上がるはず。いかがでしょう」という紹介です。
個性豊かな脱獄囚たちが奥多摩から北アルプスの後立山連峰まで縦走(長ーい尾根歩き)します。目的を見据えた2人と成り行きで塀を越えた2人の脱獄囚に、飛龍山のハゲ岩あたりから美人山ガール(見てはないですが、そー思わせる描写が満載です)も合流し、縦・逃走劇が繰り広げられます。とか、
奥多摩湖の留浦の浮橋に死体が浮かび、青梅署水根駐在所の江波警部補が警ら自転車の立ちこぎでやってきたら『駐在刑事』ですが、西青梅署峰谷駐在所の巡査が白バイクで駆けつけるところから物語が始まります。とか、
主人公の一刀は追われながら追うという、『逃亡者』(1960年代の米テレビドラマ。その後、米でも日でも映画やドラマにリメイクされています)の主人公リチャード・キンブルと同じ境遇です。とかぐらいで、
物語の内容に踏みいるのはやめておきます。
尾根歩きも脱獄と似たものかもしれません。
奥多摩から日本海まで読んで重さは230グラム足らず。ザックに1冊いかがでしょう。