肉厚、濃厚な旨味、「おいち〜」
2025年11月15日、紅葉の終わりを感じる茅丸北尾根(WEBサイト YouTube動画)でヒラタケと思しきキノコを採取。ヒラタケはキノコ狩りシーズンのフィナーレを飾るキノコみたい。帰宅後にいろいろ調べて「当確」が出ました。

持ち帰ったヒラタケ(当確)。いちばん大きいもので長径18cmほどあります。傘はビロードのような手触りです(多分。ビロードを触った記憶がありません)。英語では oyster mushroom というらしい。確かにカキに似てなくもないです。

傘を裂いてみました。白いままです。ヒラタケによく似た毒キノコにツキヨタケがあります。ツキヨタケは傘を裂くと柄の付け根に黒に近い濃い紫の染みがあります(薄かったり、なかったりすることもあるらしい)。右上はツキヨタケ。2020年10月の撮影(「タワ尾根、材木小屋尾根枝尾根、四間小屋尾根」)。大量に持ち帰ったんですが、すんでのところで中毒回避。
「当確」ではあるんですが、いきなりパクパク食べるのは得策ではありません。まずは小さく裂いたヒラタケをスキレットで素焼きにして塩をかけて食べて見ました。しっかりした歯ごたえがあってキノコらしい旨味が強烈です。思わず「おいち〜」と声が出ます。で、体調をみます。

スキレットで素焼きにして試食というか毒見をします。漢方薬もこうやって開発されてきたのでしょう。

塩のみで食べます。しっかりした歯ごたえです。キノコの旨味がどかんと口に広がります。ここは日本酒です。けれどもまだ真っ昼間だし、アルコールで毒の効きが強くなったりするとデンジャラスです。我慢します。
1時間30分経過。
3時間経過。
6時間経過。体に異状はありません。よかったです。こんなにおいしいキノコを食べられないのは人生の損失です。いや、大げさか。飲みかけの缶ビールを倒したくらいの損失ではあります。いや、もっとか。

天ぷら。かつてマイタケの天ぷらは衣厚めがおいしいと悟ったのでヒラタケも衣厚めで揚げてみました。岩塩で食べました。とってもおいしいです。そーとーおいしいです。「司牡丹」があったのにすっかり忘れていました。ビールで突き進んでしまいました。ちなみに左端の茶色いイチョウの葉っぱみたいなのは衣をつけ忘れてそのまま揚鍋に投入してしまった素揚げです。油をしっかり切って食べればこれも美味。

ヒラタケと豚こま、キャベツのオイスターソース炒め。刻んだニンニクとともに全部を炒めただけの料理。「おいち〜」。濃厚なオイスターソースの味に負けないヒラタケの旨味です。
今昔物語の「金峯山別当食毒茸不酔語 第十八」に別当の役職を得ようと自分はヒラタケ食べ、ライバルの別当には和太利(わたり ツキヨタケの別名)を汁物に調理して食べさせて殺人を試みるも、ライバルがツ和太利の毒に強い体質だったために未遂に終わったという話が書かれています。別当は「こんなにおいしく料理された和太利ははじめてです。ごちそうさま」と言って帰っていったそう。
わたくしもキノコ毒ににめっぽう強い体質なのかもしれませんが、とにかくまだ普通に元気に暮らしています。
お読みいただき、ありがとうございました。

