奥多摩尾根歩き
神庭沢左岸尾根、塩地ノ頭北西尾根、ヨコスズ山東尾根、倉沢オキ尾根

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今回は神庭沢左岸尾根(かにわさわさがんおね)を登り、塩地ノ頭北西尾根(しおじのあたまほくせいおね)を下り、ヨコスズ山東尾根を登り、倉沢オキ尾根を下りました。
神庭沢左岸尾根:日原街道の石階段から取付いて鳥屋戸尾根(とやどおね)合流まで。てっぺんは標高(以降、「標高」は省略)750mあたり。
塩地ノ頭北西尾根:2度目の下りです。できるだけ忠実に尾根筋を下ることにしました。長尾谷にビシッと降りられるかどうかが肝、と言うか不安材料でした。
ヨコスズ山東尾根:上半分くらいはかつて登った幕岩尾根です。塩地谷右岸径(『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版)の表記)からほぼ真西に向かって登りました。
倉沢オキ尾根ヨコスズ尾根の滝入ノ峰直下から東に下ります。下り始めてすぐ倉沢見通尾根を右に分け、ひたすら植林の中を急降下。倉沢林道に降りられるかどうか、そーとー不安でした。いきなり現れた伐採地跡で南方がバーンと開けていて驚きました。
奥多摩のトップガンMさんとアルパインクライマーでもあるT(タナカ)さんが日原の廃林道を歩くというので奥多摩駅から神庭沢左岸尾根の取付までT(タナカ)さんの車に乗せていただきました。バス停に並ぶハイカーを尻目になんだかちょっと贅沢な気分での出発でした。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]神庭沢左岸尾根取付階段→鳥屋戸尾根→(2時間20分)笙ノ岩山→(15分)塩地ノ頭(1260m圏のピーク)の手前→塩地ノ頭北西尾根→(1時間)長尾谷→(50分)ヨコスズ山東尾根取付→ヨコスズ山東尾根→(2時間)ヨコスズ山(1289m)→(20分)滝入ノ峰直下→倉沢オキ尾根→(1時間20分)倉沢林道→(20分)[GOAL]倉沢バス停→JR青梅線奥多摩駅
(8時間25分)
歩いた日 2022年12月3日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]神庭沢左岸尾根取付階段→鳥屋戸尾根→(2時間20分)笙ノ岩山→(15分)塩地ノ頭(1260m圏のピーク)の手前→塩地ノ頭北西尾根→(1時間)長尾谷


神庭沢左岸尾根の名前はテキトーです。神庭沢の右岸にある神庭沢尾根鳥屋戸尾根の下部に挟まれた短い尾根です。短いですが尾根の形はキリッとして終始そこそこの急登。歩いて面白い尾根でした。取付はいつもバスの窓から見ていた怪しげな階段です。地形図では明瞭な尾根筋が鳥屋戸尾根に向かってのびています。いつか歩いてみようと思っていました。
塩地谷ノ頭北西尾根を初めて歩いたとき[シオジ窪右岸尾根、塩地ノ頭北西尾根]は長尾谷とシオジ窪の出合いを目指して下ったのですが、今回は尾根筋をできるだけたどってみることにしました。長尾谷に近づくにしたがって尾根は先細りになり急勾配になり水の流れる音がどんどん大きくなり心拍数は多くなりました。

おはようございます。T(タナカ)さんが運転するでっかい車が日原街道を日原川の上流に向かって走り去っていきます。奥多摩のトップガンMさんが同乗しています。 お二人は廃道になって久しい巳ノ戸林道をメインに歩く(Tさんの『山々逍遥』でデンジャラスげで楽しげな記録が読めます)らしい。
神庭沢左岸尾根です。コンクリートがガッツリ吹き付けられて落石防護網がバシッと覆っています。
反対側。
反対側の薄くて細い踏み跡をたどって神庭沢左岸尾根の下端を覗いてみました。激しく切れ落ちています。下れるのでしょうか。
取付はあの石段です。落ち葉が積もって木の階段に見えなくもありません。
石段を登りきるといきなりのとんでもない急登です。
作業道らしい踏み跡をたどって尾根上を目指します。桟道があったりもします。
登ってきて
神庭沢左岸尾根に立ちました。
かなりの急登です。
ワイヤーが山肌をがっちり押さえつけています。
520m圏で左から登ってきたこの尾根と合流し、
神庭沢左岸尾根は右にクッと曲がり、平坦になり、
左は植林、右は雑木のヤセた尾根に。
右側はビシッと切れ落ちています。
尾根は岩がちになり、急登が始まりました。
山肌に金網が張られています。金網の上はよく滑ります。避けるのが吉。
日原川の下流方向がきれいに見えたんですが残念な写真です。
こんな急勾配を登ってきて
登ります。尾根相はガラリと変わり、枝打ちされた枝葉をベキペシ踏みながらの相変わらずの急登です。右にグーッと曲がっていきます。
こんなや(大きさ比較の杖あり)
こんな大木を通過し(杖なし)、
幅広になった尾根を登ると
750m圏で右から登ってきた鳥屋戸尾根(登り尾尾根)に合流しました。これにて神庭沢左岸尾根はおしまいです。写真は鳥屋戸尾根(登り尾尾根)の下方。
あるようなないような尾根道だったのがはっきりきっぱりとして、格段に歩きやすくなりました。
また尾根の雰囲気が変わります。830m圏です。
ロープが張られていたりもします。
917mの標高点あたりです。なにがあるわけではありません。通過します。
アセビ、ミズナラ、ツガに囲まれて
「東京市」の標石を通過し、
石尾根だよね、などと思いながら
右から登ってきた尾根と合流する1090m圏を見上げながら巻き、
尾根に復帰すると急登です。
「6|-」の林班界標を通過します。いい雰囲気の尾根です。
1210m圏で左から登ってきた神庭沢尾根と合流し、
笙ノ岩山の山頂に到着。笙ノ岩山には三等三角点があって標高は1254.78m、基準点名は北ノ沢。由来のわからない謎の基準点名です。
山頂から北方向。
東方向。
南方向。
西方向。ペットボトルに詰めてきた麦茶を飲んで塩地ノ頭を目指して出発します。
道すがら。天目山(てんもくざん 三ツドッケ)でしょうか。
塩地ノ頭北西尾根の降下点に到着。1260m圏です。赤帽黒杭と白帽黒杭の2本が刺さっています。
塩地ノ頭はもう少し先です。
このあたりは鳥屋戸尾根でいちばん展望が開けているところだと思います。手前にはゴンザス尾根が本仁田山(ほにたやま)に向かって右から左へせり上がり、奥には大岳山の特徴的な山容が浮かび上がっています。塩地ノ頭に向かって登っていくとまだまだ展望は広がります。
2本の杭から塩地ノ頭北西尾根の降下開始です。そこそこの急降下です。
下ってきて
下ります。落ち葉を踏む感触は楽しいけれど滑ったり石が隠されていたりしてプラマイゼロといったところかな、などと思いながら木から木へと移りながら下ります。
下ります。
1210m圏の分岐です。左へ。
キノコが見えたんでちょっと尾根を外れてみました。煮ても焼いても食べられそうにありませんでした。とほほ。
急降下です。かすかに水の流れる音が聞こえてきます。
すごい急降下です。
遠くの山並みを見ながらちょっと休憩したりしながら
下ってきて
下ります。急降下はやみませんが、やまない急降下はありません。
1040m圏で勾配はゆるみ、
985mの標高点あたりです。分岐点でもあります。右に進みます。ここはそこそこ重要な分岐で左の尾根を下ると長尾谷の上で立ち往生の可能性大です。
下ります。
ひたすら下ります。下るにつれて
尾根の傾斜はどんどん急になり、
先細りになっていきます。
いきなり尾根はバッと広がり、下ってきて
下ります。長尾谷の流れが大きく聞こえてきます。
大岩の間を下り、
下ってきて
長尾谷までもうすぐです。
意外とあっさり長尾谷に降りることができました。写真は長尾谷の上流方向。すぐそこがシオジ窪の出合です。あの大きな木の左側(多分)から長尾谷右岸道に這い上がりました。落葉色に錆びた太いワイヤーが垂れていました。
下流方向。
右岸道から逆光に映える(どこが)塩地ノ頭北西尾根を撮影。これにて塩地ノ頭北西尾根はおしまい。次はヨコスズ山東尾根です。まずは魚留橋(うおどめはし)を目指します。