今回は幕岩尾根(まくいわおね)を登り、ヨコスズ尾根からカロー大滝へ。カロー大滝からヨコスズ尾根西面水平歩道を東日原まで歩きました。
幕岩尾根はヨコスズ尾根のヨコスズ山をてっぺんにして、倉沢谷(くらさわたに)の魚留橋(うおどめはし)あたりに巨岩を露わにして落ち込んでいる尾根です。地形図を見ると、尾根の下の方はゴツゴツの岩記号が数珠つなぎになっています。できることならできるだけ下端から登りたいのですが、等高線は詰み詰み。ゴツゴツの詰み詰みで、私にはどうにもこうにも手も足も出ません。手と足を使ったのは、幕岩尾根に取り付くまでで、幕岩尾根下部の北にある支尾根でした。
幕岩尾根に乗ってからは急登はあるもののなだらかな坂が多く、名前の通り岩がゾロリゾロリと、幕と言えば言えなくもない程度に次から次へと現れました。
ヨコスズ山からはヨコスズ尾根を登ります。一杯水避難小屋まであと少しというところで西へ、小さな尾根をヨコスズ尾根西面水平歩道にぶつかるまで降下。カロー谷の上流に向かって20分ほどでカロー大滝です。
カロー大滝はかつて林道小川谷線の賀郎橋から目指したものの、小屋跡からの進路を間違えて到達できずじまい。今回は足かけ4年ぶりのチャレンジでした。
カロー大滝から東日原までヨコスズ尾根西面水平歩道をひたすら歩きました。いや、ひたすら、なんて言葉では甘すぎます。谷ごとに道はほぼ崩落、渡れる橋はほぼなく、沢沿いの道もほぼありません。安心して歩けるのは尾根を回る道と植林帯の道だけでした。
疲労困憊で東日原バス停に着いたんですが、M氏と楽しい出合いがありました。バスを待つ長い時間や奥多摩駅までの車中もM氏の日原の山と沢に関する豊富で深い知識に触れ、今後の尾根歩きのヒントになるたくさんの情報もいただきました。ありがとうございました。この日、40センチのイワナ(ヤマメだったかな、忘れてしまいました)を釣り上げたそう。刺身にして奥様と食べるとおっしゃっていました。今度お会いしたとき、どんな味がしたのか教えてください。ピッケルでへつってたあんなとこやこんなとこの道を歩かせていただきます。あんなとこやこんなとこのロープ、使わせていただきます。
幕岩尾根、カロー大滝
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■コース | JR青梅線奥多摩駅→[START]倉沢バス停→倉沢林道→(50分)魚留橋→幕岩尾根→(2時間30分)ヨコスズ山→(20分)ヨコスズ尾根西面水平歩道分岐→ヨコスズ尾根西面水平歩道→(1時間)カロー大滝→ヨコスズ尾根西面水平歩道→奥多摩町日原森林館→[GOAL](3時間20分)東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅 |
■歩いた日 | 2018年09月16日(日) |
■JR青梅線奥多摩駅→[START]倉沢バス停→倉沢林道→魚留橋→幕岩尾根→ヨコスズ山→ヨコスズ尾根西面水平歩道分岐
幕岩尾根は名前の通り、尾根筋に大小の岩がゾロゾロと並んでいました。
おはようございます。久々の奥多摩駅です。川乗橋行きが増発され、先に出発しました。
20分ほどで倉沢バス停に到着。バスはわたくしを一人残して去って行きます。
ちょっと戻って正面に見える林道倉沢線に進みます。
2、3日続いた雨で路面はこんな感じです。
倉沢谷を見下ろしました。やはり水量が多いです、とは言えません。だって普段の水量を知りませんから。
轍を水がチョロチョリチョロチョチョロチョと流れています。
八幡橋(はちまんはし)を徒渉します。
八幡橋から見えた滝。
いたるところで水が流れ落ちています。
鳴瀬橋(なるせはし)を渡ります。
路面全面を薄く水が流れています。ここはヌルッと滑ります。かなり滑ります。
水場。樋からの水より周囲の水流が圧倒的に強く、「オレって、いらなくねぇ?」と樋君は拗ねて顔をそむけています。何を言っているんですか樋君、君の水流はペットボトルの口にピッタリなんですよ。
巨大な岩。
向かいの谷にはバキバキの流木が堆積しています。
そのすぐ先に魚留橋が見えました。
魚留橋の手前に乗用車が1台、橋の上にバイクが1台、橋の向こうにもバイクが2、3台駐車していました。
魚留橋から見える滝。
魚留橋のちょっと手前、これが幕岩尾根の下端です。こんなところは登れません。
魚留橋のたもとにあるこの木の階段から幕岩尾根を目指します。
小さなくの字、大きなくの字でジワリジワリと高度を上げていきます。
いくつ目かの、くの字の曲がり角。幕岩尾根に向かって直進する薄い踏み跡がありましたが、尾根筋はあまりに急峻で登れる気がしません。くの字に従いました。
岩が覆い被さります。
幕岩尾根に背を向けて道は続き、さらに尾根を乗り越しそうです。
その乗り越そうとする尾根を見上げました。急登で道も見当たりませんが、くの字に従っていると幕岩尾根から離れるばかりなのでこの尾根を登ることに。
小さな岩のペンキもわたくしの背中を押しました。
道はありません。手足を使い、テキトーに登っていきます。急登かつ足場は悪く、魚留橋からヨコスズ山のルートでこのあたりは2番目か3番目にキツかったように思います。1番じゃないと思うんですが、1番は思い出せません。
ときどき幕岩尾根の方を見やり、隙があれば乗ってやろうと思っています。
仕事用ではないと思われるテープがありました。ただ、わたくしが見たテープはこことどこだかのピークの全部で2カ所だけでした。
ペンキは何カ所かで見ました。
行く手を塞ぐようなドデッとした大きな岩。
近寄ると矢印が書かれていました。
回り込み中。
そこそこ急登ですが、イイ感じの尾根が続きます。
この写真ではよくわかりませんが、おいしそうなキノコが群生していました。
地形図は針葉樹林の記号ですが、この尾根筋には広葉樹もたくさん見られました。尾根を覆うガスの濃淡と太陽光を閉ざす雲の濃淡の駆け引きで、いきなり明るくなったりします。
登ってきて、
登ります。が、左手に見える幕岩尾根の斜度がいくぶん緩やかになっています。少しずつ左へにじり寄っていきます。
幕岩尾根に乗りました。950mあたりです。これは下の方を見たところ。かなりの急坂です。
これは登る方向。穏やかな尾根です。
急登はありませんが、幕岩尾根の名前らしく岩が露出しています。
大岩をやり過ごすと次の大岩が現れて、
回り込んでいると、その先に次の岩が見え隠れします。
ほとんどの岩は左右どちらでも回り込めたと思います。テキトーに登っていきます。
濃い緑、薄い緑、黄、橙、臙脂、茶なんかの色が散乱していてとってもキレイだったはず。
岩、
そして岩です。
登ってきて、
登ります。
東京都水道局の境界石が設置されていました。この後、ペンキより多い頻度で見かけることになります。
急登もあります。
大きなキノコ。
1110m圏の境界石。ここから左にグググッと進路を変えます。
ガスで全貌はわかりませんが、ヤセ尾根を歩きます。
1130mあたりのピークです。ここから右へ少し進むと、
こんな景色でした。この向こうはビシッと切れ落ちています。
先に進みます。
腰を折って歩きます。
見上げると、ガス、雲、青空。混沌としています。
地上は岩が散乱しています。
大きな岩と大きな岩の間に、明らかに人の手が加えられている板状の木がありました。何かがあったと思うんですが、何なんでしょう。こんな山奥だけに気になります。
やはり気になるので振り返って撮影。後ろ髪を引かれるついでに前髪も押される気分です。
前髪を押されながらも見上げると、天窓のようにポカリと空が白く抜き取られているじゃありませんか。
天窓までよじ登りました。ヨコスズ山の山頂です。やりました。これにて幕岩尾根の終了です(下端部は登ってませんが)。
こんなところを登ってきました。
山頂のようす。
山頂のようす。
これはヨコスズ尾根を下る方向で、
こちらの天目山(三ツドッケ)というか一杯水避難小屋に向かってヨコスズ尾根を登っていきます。
こんな雰囲気のなか尾根を進み、
登山道と合流します。
ヨコスズ尾根を登ります。ちょっぴり紅葉した葉っぱの向こうに見えるのはかつて無我夢中で歩いたハンギョウ尾根です。