氷川屏風岩尾根、ゴンザス尾根、大休場尾根

今回は10月12日に関東地方に上陸した台風19号とその後も続いた雨の影響で損傷した林道小川谷線やその先の三又までの山道を調査し、できれば修復しようという山行です。呼びかけ人のM氏を含め、総勢5人が奥多摩駅前に参じました。
不謹慎といえば不謹慎かもしれません。まだ日原街道は崩落しており、車両は自由に往来できません。お子さんの通学のため、一時的に日原から氷川(奥多摩駅周辺)に引っ越ししている家族もいらっしゃるようです。
一方、崩落現場には仮設の橋が架けられ、日原方面の住民の方々に必要な物資は崩落現場のこちら側とあちら側でピストン輸送されているとのこと。復旧が着実に進んでいるのも事実です。人命が脅かされているるような深刻な事態ではないという判断をもとに、住民や復旧作業に迷惑をかけない範囲で、もちろん自己責任で山で遊ばせていただきたい、というのがわたくしの心持ちでした(5人の総意というわけではありません。皆さんそれぞれの考えがおありかと思います)。
という長い前振りなんですが、結論から言うと日原へは向かえませんでした。奥多摩駅から歩いて10分ほどの栃久保(とちくぼ)の通行止め地点から先への立ち入りが許されなかったのです。
でもってわたくしたちは急きょフツー(?)の登山パーティーに変身。奥多摩駅まで氷川屏風岩尾根(ひかわびょうぶいわおね)、ゴンザス尾根を登り本仁田山(ほにたやま)へ、大休場尾根(おおやすんばおね)を下ることにしました。氷川屏風岩尾根はテキトーな名前です。
メンバーを紹介しておきます。日原のトップガンM隊長、アルパインクライマーでもある長身のTさん、Tさんの相棒でプロカメラマンのHさん、SE(システムエンジニア)のTさん(もうちょっと詳しくは映像系のシステムインテグレーター勤務。前出Tさんと区別するためSET[セット]さんと呼びます)、そしてわたくし。
わたくしは『奥多摩尾根歩き』の開設以来、単独行以外の山歩きは初めてのことです。

コース [START]JR青梅線奥多摩駅→青梅警察署栃久保駐在所→奥多摩駅→氷川屏風岩尾根→ゴンザス尾根→本仁田山→大休場尾根→[GOAL]JR青梅線奥多摩駅
(今回はコースタイムは省略します)
歩いた日 2019年10月26日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。


[START]小河内神社バス停→麦山浮橋→奥多摩周遊道路→(45分)ヨンスキ沢→(1時間30分)出合い→三頭山中尾根→(2時間20分)三頭山


駅周辺の急勾配をピックアップして歩いたような山行でした。



おはようございます。奥多摩駅を出発します。右下はM隊長とSETさん。

駅前に設置された給水タンク。10月22日あたりから奥多摩駅周辺の断水は解消されたようです。

増水した日原川。

あそこが栃久保の通行止め地点です。

通行止め地点から青梅警察署栃久保駐在所の前に移動。駐在さんからちょっと厳しい忠告やら優しいアドバイスをいただき、ここで無念の撤退。この先は住民、復旧工事関係者、マスコミしか居てはいけないエリアだそう。この後、通行止め地点から20mほど下がった空き地で作戦会議。せっかく奥多摩に来たんだからどこか登りましょうということになり、奥多摩駅裏の氷川屏風岩尾根から本仁田山へ、大休場尾根を下って奥多摩に戻る、ということになりました。でしたっけ? 駅へ引き返しながらなんとなく決まったんだっけ。
左のモザイク顔はHさん。

奥多摩駅に戻ってきました。各人、不要になった数十メートルのザイルやトラロープ、片手鍬なんかをロッカーに預け、身支度をして再出発です。

「観」の字あたりから「奥多摩駅前観光」の上にモッコリと見えるピークに向かってのトンデモなさそうな急登が氷川屏風岩尾根の上半分です。切り替え画像のほぼ中央に見える岩塊が氷川屏風岩で、かつてはクライマーに人気の岩場だったらしいですが、いまは多くの岩場が開発されたことに加えてアプローチのツラさで登攀者はそこそこ、と帰宅後の調べでわかりました。わたくしはこれからそのアプローチのツラさをイヤというほど味わうことになります。

取り付きの氷川浄水場に到着。途中、初めての居酒屋探し状態でみんなで路地をウロウロしちゃいました。

何本かの道があります。

尾根筋を選択。急登です。

モッコリしたピークの向こう側に日原線No.6の鉄塔があるようです。

くの字くの字なんですが、キッツい勾配です。

登ってきて、

登ります。

ロープが続きます。

ヒエーッという感じです。

這い上がってきました。

山火事防止の看板を通過します。ここでちょっとしたミス。氷川屏風岩へはどーやらここを右に進むらしい。看板に書かれた「ロックガーデン→」が道案内なんでしょう。そーいえばと、後で気付いたことです。

皆さん歩くのが速いです。クイッ、クイッという感じで登っていきます。

梯子が見えてきました。

登ってきました。いやー。ビビっちゃいました。

ここで休憩。

樹間の向こうに本仁田山が薄らと見えました。あーだこーだとしゃべりながら飲み食い。たっぷり休憩して出発です。

日原線No.6の鉄塔を通過します。

スッキリした尾根道です。

電波塔に到着しました。ここでゴンザス尾根に合流。氷川屏風岩尾根はおしまいです。

氷川屏風岩尾根はあちら。無我夢中で登ってきました。キツーい急登だらけでした。

尾根の合流地点で大休止。大っぴらにするにははばかれるあんな話やこんな話、そんな話で時間がたつのを忘れます。

さて、ゴンザス尾根です。

露岩帯もあります。

氷川屏風岩尾根に負けない急登も随所にあります。

登ってきました。

花折戸尾根(はなおれどおね)との分岐に到着。

あちらが花折戸尾根です。

また大休止です。われらがパーティーは休んでばかりです。バテ気味のわたくしに好都合ではあります。ひょっとして気を遣っていただいたのでしょうか。

ただの盛土みたいなピーク、チクマ山(筑摩山)を通過します。

アセビに囲まれながら進むと、

「池ノ平」と書かれた木札がぶら下がっていました。奥多摩唯一の山上池とのこと。

行ってみます。


こんな池です。


それほど多くはないですが、動物の足跡がグチャグチャという感じで集まっていました。

先に進みます。なんだか名所旧跡を巡るツアーみたいで楽しいです。カメラマンのHさんはでっかいフィルムカメラで池を撮影していました。左はそのHさんをおちょくっているTさんですが、微妙なモザイクをかけています。Tさんの顔がぶれているわけではありません。念のため。

急登です。なんとかみんなに付いていこうと頑張っていましたが、断念。置いてきぼられ作戦に変更。

テキトーにくの字くの字で登っていきます。

道中。

登ってきて、

登り、

キツい勾配を見下ろしながら休憩します。

空が大きく見えるようになりました。

道迷いを防ぐロープが出現。

本仁田山頂上直下の道標に到着。

これにてゴンザス尾根はおしまいです。

こんなところを歩いて行くと、

本仁田山の頂上です。三等三角点があり、標高1224.45m、基準点名はマンマの本仁田山。

南西に富士山がはっきり見えました。

右に傾いているように見えます。

またまたまた大休止です。

カメラマンHさんによる撮影会もありました。他のパーティーのオジサンを富士山をバックに撮影してあげたHさんですが、オジサンにダメ出しされてました。
彼の名誉のために言っておくと、わたくしもダメ出しされました。顔はニコニコしているんですが、なんだかなかなかこだわりのあるオジサンでした。

こちらは東方向。西武ドームや東京スカイツリーが見えました。さて、みんなテキトーに飲み食いし、馬鹿話をして下山です。

アディオス! 関東平野!

大休場尾根を下ります。

ゴンザス尾根への分岐を通過します。

下ってきて、

下ります。

この大休場尾根は奥多摩三大急登のひとつらしいです。

ただ、その三大は定説があるわけではなく、稲村岩尾根(鷹ノ巣山)、大ブナ尾根(御前山)、ヌカザス尾根(三頭山)、水根ルート(六ツ石山)、表参道(天祖山)なんかが候補に挙がっているようです。ですが、わたくしに言わせれば氷川屏風岩尾根は当確です。

ダーッと、下ってきて、

大きなくの字くの字で下ったり、

間伐地帯を横目でみながら、

急降下です。

ここでロープの先の「通行止 登山道ではありません」へ進むかプチ会議。

おとなしく登山道を下ります。飽きるほど似た道がくの字くの字で続きます。

藪の向こうに土砂の崩落や増水でできたと思われる滝が見えました。

登山道はそろそろ終わりです。

荒れた沢。

登山道を塞いだ流木を片付けるTさん。

江戸の敵を長崎で状態です。このようにわたくしたちは働き者です。小川谷林道通行の許可をいただけないものでしょうか。

2本レールの運搬施設。珍しいです。

お墓へ渡る橋の先が崩落していました。

車道に到着。

これにて大休場尾根はおしまいです。

後は奥多摩駅まで車道をテクテク歩くだけです。

奥多摩工業氷川工場が見えてきました。

女夫橋(めおとばし)から日原川の上流方向。氷川ます国際釣場です。枡状に区切られた釣場が並んでいるはずですが、ひとつの川になっています。

複雑怪奇な構造。見ていて飽きません。

奥多摩駅に戻ってきました。

氷川屏風岩。クライマーが岩に取り付いていました。白っぽいシャツ姿をジーッと眺めていると、突然、落ちました。今月でいちばんくらいビックリしました。落ちてビヨンという感じで引き戻されて何事もなかったようにまた岩に取り付いたようです。Hさんによると落ちるのはごく普通のことで、しょっちゅうポロポロポロポロ落ちるんだそう。ホントでしょうか。からかわれているような気がしないでもありません。

駅前の自家製ビールのお店です。撮影のタイミングを逸しました。食べ散らかした感満載です。最後は葉っぱの切れ端までちゃんとキレイにいただきました。のはずですが、ほろ酔いであまり記憶ははっきりしません。
日原街道を通らずに三又へ行くにはどんなルートが考えられるか、しばらく日原方面に踏み入ることができないとなるとどの山域に行くか、M隊長の細かすぎてウーとかンーとしか相づちできない沢や尾根の話、Tさんの骨折の話(あばら3回、足1回)、そのTさんの骨折にHさんが密接に関わっていた話や内装なんかを撮る仕事の話、SETさんのほのかにわかるような気がする仕事内容などなど、あーだこーだあーだこーだの話が秋の日のつるべをグイングイン引き下げるのでした。

アディオス! 駅前の路地の中の自家製ビール屋さん! ロッカーに預けた荷物を取り出したり身支度していると「発車まであと2分です」とSETさんがぼそりと呟きました。急いでホームに駆けあがり、電車に乗り込みました。
山の神様、地権者の皆様、M隊長、Tさん、SATさん、Hさん、ありがとうございました。

お読みいただき、ありがとうございました。
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