今回は曲ヶ谷沢左岸尾根(まがりがやさわさがんおね)を下端から登り、ウスバ尾根を川乗林道まで下りました。川乗橋バス停でバスの時刻が合わず、もえぎの湯まで歩きました。
曲ヶ谷沢左岸尾根は川苔山(かわのりやま)のすぐ北東にあるヨウヘイギノ頭(曲ヶ谷ノ峰?)をてっぺんにして、曲ヶ谷沢の左岸を曲ヶ谷沢と大丹波川(おおたばがわ)の出合いに落ち込んでいる尾根です。まさに「落ち込んでいる」感じで、下調べはしていたものの現場を見ると「ココ登んの?」とその崖っぷりにかなりビビりました。急登は終盤近くまでずっと続き、久々のキツい尾根歩きになりました。テープ類は4、5カ所見かけましたが、登りで道迷いするような場所はなかったように思います。
ウスバ尾根はかつて下りで0.5回、登りで1回歩いています。下りの0.5回は道に迷い、エラい目に遭って途中で引き返したとき。登りはそのリベンジで歩きました。通しで下るのは初めてです。アセビの藪に難儀する場所もありましたが、スムーズに歩くことができました。ただやはり、尾根の下りは要注意。尾根の分岐に出くわすたびにスマホGPSで確認しました。
曲ケ谷沢左岸尾根、ウスバ尾根
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■コース | [START]JR青梅線川井駅→八桑バス停から清東橋バス停までバス乗車→林道大丹波線→曲ケ沢谷→(2時間30分)曲ケ谷沢左岸尾根→(2時間40分)ヨウヘイギノ頭→(30分)川苔山→ウスバ尾根→(1時間20分)林道川乗線→(30分)川乗橋バス停→[GOAL](1時間20分)もえぎの湯 |
■歩いた日 | 2018年08月04日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■[START]JR青梅線川井駅→林道大丹波線→曲ケ沢谷→曲ケ谷沢左岸尾根→ヨウヘイギノ頭
曲ヶ谷沢左岸尾根はヤセ尾根の急登とヤセていない尾根の急登が続きます。
おはようございます。JR青梅線川井駅に着きました。
改札を出て、左の階段の下り、ガードをくぐったら右へ。
橋を渡って右、大丹波川沿いのこの道を歩きます。延々と歩きます。
蝉沢橋(せみざわばし)を渡ります。
蝉沢左岸尾根の下端を通過します。
北川橋(きたがわばし)を渡ります。
名坂峠への登山口を通過はせず、
向かいの八桑(やくわ)バス停の時刻表をチェックします。ちょうどバスが来る時刻だったのでバスを待つことに。だって暑いし、先は長いし。
車窓から。かろうじて雪だるまくんを撮影できました。何度か会っているうちに他人とは思えなくなってきました。
10分ほどで終点の清東橋(せいとうばし)バス停に到着。先に進みます。
百軒茶屋を通過します。
そういえば、とわたくしは気になっていたことを思い出しました。百軒茶屋の近くにあるはずの三角点です。何度かこの道を歩いたことがあるのですが、三角点らしきものは見たことがありません。今回、スマホGPSを頼りに探してみました。で、見つけました。画面中央やや右上の標柱です。標高405.48mの四等三角点で、基準点名は奥中茶屋ということです。ちょっとスッキリしました。
棒ノ折山(棒ノ嶺)への登山口を通過します。
朴橋(ほおのきはし)を渡ります。
槙の尾橋(まきのおはし)を渡ります。
山深くなってきました。
谷側にちょっと気になる標柱が立っています。「新秩父線44号」は明らかにはるか下を流れる大丹波川を向いています。ということは、吊り橋かなんかで川を渡り、鉄塔に登る道があるということでしょうか。地図を見てみると、尾根上に鉄塔が立っているのが確認できました。面白そうな下りルートが見つかれば、いつかこの尾根を歩いてみたいと思います。
道標を通過します。
落石。林道歩きも命がけです。大げさな話ではありません。[切り替え画像]どんな経緯だったのか知るよしもないですが、ヘビは明らかに岩(手前)の下敷きになって死んでしまっています。いわんやヒトをや。
ヘリポートを通過します。この先から未舗装になります。そういえば、林道大丹波線はどこから始まるんでしょうか。林道表示でよくある緑色の看板を見たことがありません。
林道は右に続きますが、ここから大丹波川に下りていきます。靴の紐を締め、首に黄タオル、両手に軍手、左手に杖という正装の支度をしていると軽トラックがやってきました。
軽トラから降りてきた長靴オジ(イ)サンとしばらく立ち話。
オ「暑いのに山登りは大変だねー」。
わ「ホント暑いですねー。来なきゃ良かったって思ってますよ。きょうはお仕事ですか?」
オ「そっ。ワサビ。水の世話で来たの」
なんでもオジサンはかつて川苔山の周辺で狩猟をしていたそうな。その狩猟仲間がやっていたワサビ栽培を止めることになって、その後を継いだはいいけど
オ「体はキツいし儲からないし、若い人がやりたがらないわけだよ」
とクァアハッハッと笑うのでした。今は埼玉県住まいで、作業があるときは下流の集落の小屋で寝泊まりしているとのこと。
狩猟時代はこのあたりの山を狩猟や犬の訓練で歩き回ったそうで、
オ「暑いのに山登りは大変だねー」。
わ「ホント暑いですねー。来なきゃ良かったって思ってますよ。きょうはお仕事ですか?」
オ「そっ。ワサビ。水の世話で来たの」
なんでもオジサンはかつて川苔山の周辺で狩猟をしていたそうな。その狩猟仲間がやっていたワサビ栽培を止めることになって、その後を継いだはいいけど
オ「体はキツいし儲からないし、若い人がやりたがらないわけだよ」
とクァアハッハッと笑うのでした。今は埼玉県住まいで、作業があるときは下流の集落の小屋で寝泊まりしているとのこと。
狩猟時代はこのあたりの山を狩猟や犬の訓練で歩き回ったそうで、
オ「前は東電の道が立派でね。よく手入れされてたんだけど福島原発の事故でお金がなくなったのかなぁ。今は荒れてるよ」
などと話しながらがっしりした指で案内板を削らんばかりの力強さでなぞりながらいろいろな道を教えてくれました。
[拡大]
などと話しながらがっしりした指で案内板を削らんばかりの力強さでなぞりながらいろいろな道を教えてくれました。
[拡大]
途中まで一緒に歩きます。
ここでオジサンは左へ、わたくしは右へ。ただ、わたくしはこの少し後、以前、曲り尾根だと思って間違った尾根をちょっと見に左の道を下ってまた引き返しました。
大丹波川の左岸を上流に向かうと橋が見えてきました。
橋を渡ります。
道標を通過します。
水量が多いです。岩を伝って橋を目指します。
木が香りそうな橋が架かっています。
橋を何本も、
何本も渡り、
この手すり付きの橋を渡ると、
こんな場所に着きます。右のメインストリートは曲ヶ谷沢沿いの登山道で、黄杭の立っている細い登り道は巡視路を経て曲り尾根に続く道だと思われます。
そして今回のターゲットである曲ヶ谷沢左岸の下端がこの正面の岩塊です。
橋を渡って近寄ります。左から右へ流れているのが曲ヶ谷沢、右奥から右下へ流れているのが大丹波川です。
曲ヶ谷沢の上流の方向です。
その出合いに狂相を見せつける「三菱ラジオ」の看板からよじ登るのか、
そのちょい先のこちらの狂相からよじ登るのか。大丹波川の上流を眺めてみたりして、しばらくここでグズグズしてしまいました。切り替え画像の右を流れるのが大丹波川です。
で、意を決して左の画像の崖を登ることに。根っこを掴みながら這い上ってきました。眼下に橋が小さく見えます。
崖が終了すると、ヤセ尾根の急登です。
こんな岩場もあったりで、断続的にビビリ感に襲われます。
こんなところを登ってきて、
ちょっと勾配が緩んだりもするんですが、
急急緩急急緩急急急、みたいな感じで、基本的に急坂。緊張感もあり、エネルギーをかなり削られています。
大岩なんかもあって久々の荒々しい尾根歩きです。ここは左に巻き道らしきものがあって何とかクリア。
岩の上から見下ろしてみました。
で、やっぱり急登です。
見下ろしながら休憩し、
見上げながら休憩し、なかなか思うように足が動きません。
初めて人工物を目にしました。880mあたりです。
鉄塔が見えてきました。990mあたりに立つ「新秩父線No.47」です。
北方向が開けていました。
なんだかこの先バテバテになりそうな予感がしたので、鉄塔から少し登り、日陰でサンドイッチを食べました。セブンイレブンの「ハムとたまごのサンド」です。今朝サンドイッチを作ろうとしたんですが、食パンがカビで灰色になっていました。ビックリしました。
ちょっぴりなだらかで広くなった尾根を歩きます。
1091mのピークだと思われる場所に到着。これといって何もありません。
またグググッと尾根がヤセてきました。
やっぱり急坂です。バテてきました。
そういえば、鉄塔を過ぎたあたりから道はしっかりしてきました。こんな立派な巻き道もあります。バテてはいますが、気力を奮い立たせて尾根に取り付きます。
尾根筋にもこんな道らしい道がありました。
広い尾根になったり、
また巻き道が現れて、
意地で尾根筋に這い上り、
1230mあたりから西南西の風景を眺めながら休み、
(おそらく)地形図にはないコブを登り、
急降下したりで、
やっと曲ヶ谷沢左岸尾根のてっぺんに着きました。
1286m、ヨウヘイギノ頭とか書かれた木の杭が立っていました。いやぁー、キツかったけど久々の荒々しい尾根歩きは面白かったです。