奥多摩尾根歩き
坊主山、矢岳、大反山、国見の広場、浦山ダム左岸道路

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赤岩ノ頭→(35分)矢岳→(45分)デンゴー平→篠戸山→(1時間5分)クタシノクビレ


ヤセた岩稜は赤岩ノ頭まで続きました。矢岳はなんと言うかいまひとつ盛り上がりに欠けるピーク。篠戸山(しのとやま)直下の伐採地からはほとんど名前はわからないけれども山や尾根の展望がバーンと開けていて思わず深呼吸する景色でした。

赤岩ノ頭で尾根は左右に分岐していて、進みたいのは左のこちら。
赤岩ノ頭を過ぎると道はずいぶん立派になりました。
安谷川(川浦谷渓谷)沿いの林道への分岐。
地面には発掘された木簡のような道標が落ちていました。
左に下るのが安谷川(川浦谷渓谷)沿いの林道への道。直進します。
1390m圏の分岐です。左へ。
ぼーよーとした尾根です。テキトーに歩きます。
歩いていくと
すぐに尾根らしい形になって
久々の急登になって矢岳? と思ったんですが、
違いました。けれども空が抜けた心地よい1350m圏のピークです。
割れた岩の狭い隙間を通ります。「奥多摩むかし道」に「弁慶の腕抜き岩」という穴のあいた岩がありますが、さしずめこの岩は「弁慶の割岩」です。弁慶が何気なく手をついたら割れた岩です。
割れていない岩がドカンと立ちふさがりました。
近づいて見上げた岩肌。
登ってきて
次の「弁慶の割岩」を抜けます。
この抜けられない「弁慶の割岩」を巻き、
小さなピークをいくつか越えると矢岳のピークに到着です。秩父の鋭鋒と紹介されることが多いようですが、山頂は地味です。
展望はちょっぴり。
ピークから10mほど北に三等三角点の標石がありました。標高は1357.89m、基準点名は南山。南にある山を代表する山ということでしょうか。
矢岳山頂の向こう側は急降下でした。
この落ち葉は危険です。めちゃくちゃ滑ります。なんか成分が違うんでしょうか。勾配のせい?
下ってきて鞍部から小ピークへの急登です。
日陰の新緑もいいものだと思います。
1160m圏の分岐です。
左へ下る尾根にはロープが張られていました。
右の尾根を下ります。
でもって小ピークに這い上がります。下っては小ピークに登り、下っては小ピークに登り、何十回となく繰り返しています。
1144mの標高点あたり。なにもありません。「なにも無し」とかいう木札でもあれば、なにかあるかな? とせわしなく周囲に目を走らせなくてもいいのに、などと勝手なことを思いながら通過します。
この写真ではよくわかりませんが、尾根はあの先でイイ感じに右にくねっています。
デンゴー平という平坦地に着きました。「デンゴー」ってなんなんでしょう。丹波天平(たばでんでいろ)なんかの「でんでいろ」と関係あるような。
幅広の歩きやすい道になりました。ちょっとスピードを上げます。
久々の急登が始まります。すんなりと下らせてくれません。
登ってくると尾根はちょっと左に曲がります。ずっと先に防獣ネットがちらりと見えます。1010m圏です。
防獣ネットは伐採地に張られていました。ネット沿いに登ります。
絶景です。武甲山(ぶこうざん)や小持山(こもちやま)、大持山(おおもちやま)が見えました。小持山から左下へ、武甲山の下腹を隠すように高ワラビ尾根(積雪期 再挑戦)が下っています。鉄塔を載せて秩父さくら湖に沈んでいる尾根のピークは栗山(くりやま)です。
前の写真からぐっと右に向いた景色。奥は大持山から東にのびる稜線で、その手前の右にせり上がっているのは栗山から大平山(おおひらやま)、七跳山をつなぐ尾根だと思います。
ネットに沿って登り詰めると篠戸山という山名版がありました。1040mの標高点です。ちょっと休憩し、
武甲山を正面に見ながら伐採地のへりを下ります。
うねるシワがたまりません。
振り返ると歩いてきた尾根がバッチリ見えました。矢岳はたしかに矢岳! みたいな山容です。大平山も見えています。
伐採地のへりを下ってきて
木立の中へ。990m圏です。
心地よい尾根道を下り、
962mの標高点です。なにがあるわけではありませんが、ちょっと先に進むと
直進する尾根にロープが張られていました。『山と高原』にフナイド尾根と表記されている尾根です。張り紙には「この先は登山道ではありません」と書かれています。日没など万が一のときのエスケープルートのひとつにこの尾根を想定していました。667mの標高点を経て秩父さくら湖の左岸道路に降りられるはずです。地形図には580m圏の鉄塔から左岸道路に破線(徒歩道)が描かれています。
左に直角に折れる尾根には「武州中川駅」の道標。こちらに進みます。
ダーッと下り、
東京電力新秩父線69号の鉄塔を
通過します。
ゆるーく凹んだ道を歩きます。
ほぼテキトーに下ると
クタシノクビレという峠に着きました。疲れてなくても疲れた気分になる名前です。
左は武州中川駅へ。こちらもエスケープルートのひとつでしたが『山と高原』に「延々と続く階段道」と書かれていたのでできれば避けたかったルートです。まだ時間も体力も大丈夫。先に進みます。