今回は七跳尾根(ななはねおね)を登り、そのまま北の秩父さくら湖に向かって、大平山(おおひらやま)や栗山(くりやま)という山を結ぶ稜線を下りました。長沢背稜(ながさわはいりょう)を「こちら」の奥多摩側から「あちら」の秩父側へまたぐ尾根歩きです。
七跳尾根は長沢背稜の七跳山をてっぺんにしてほぼ南へ下り、小川谷(おがわだに)に没している尾根。歩くのは3度目です。秩父側のルートは七跳山から大平山、大ドッケ、栗山を経て秩父さくら湖まで。高ワラビ尾根を登ったときに見えた、秩父さくら湖に割り込むようにズンと突き出ていた印象深い尾根です。長沢背稜の「向こう」は『新装版 奥武蔵 登山詳細図』『奥多摩 登山詳細図(西編)』(ともに吉備人出版)にルートの記載はなく、地形図にも点線(徒歩道)はありません。分岐が多く、下るのはややこしそうですが、先達のネット情報を参考にさせていただきました。
七跳山から北へ天目山林道を横断し、大平山を越え、大ドッケまでの稜線を大平山尾根としていますがテキトーな名付けです。栗山尾根という名前はネット上で散見しましたが、どこからどこなのかは判然としません。なので大ドッケから栗山、栗山から秩父さくら湖に没する稜線を栗山尾根としました。
「こちら」から「あちら」への「長沢背稜またぎ」。勇壮っぽい言葉を胸に抱き、出発したのでした。
七跳尾根、大平山尾根、栗山尾根
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■コース | JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原街道→小川谷林道→(2時間)終点広場→七跳尾根取付→七跳尾根→(1時間50分)七跳山(長沢背稜)→(30分)天目山林道→(20分)大平山→1469m標高点→1315m標高点→(1時間20分)大ドッケ→1145m標高点→岩場→(1時間30分)栗山(丸山)813m→(40分)秩父さくら湖左岸道路→(50分)浦山ダム→(1時間30分)西武鉄道西武秩父線西武秩父駅 (10時間30分) |
■歩いた日 | 2022年3月12日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原街道→小川谷林道→(2時間)終点広場→七跳尾根取付→七跳尾根→(1時間50分)七跳山(長沢背稜)
七跳尾根 前菜というかオードブルというかお通しというか突き出しというか先付けというか行きがけの駄賃というか、申し訳ないけれど今回の七跳尾根はそんな立場。なのに、取付いて早々の大きなくの字くの字で植林を抜けると雪の残った尾根にフッと出て、上部はすっかり葉を落とした木々が林立するザレザレの明るい尾根歩きに転じる、なんていう演出はありがたいことです。
おはようございます。東日原バス停です。日原街道を背後へ。
立川駅で遭遇した奥多摩のトップガンMさんと小川谷橋(おがわだにばし)を渡って別れます。彼はオロセ尾根から中腹の作業道で金袋山(きんたいさん)直下でタワ尾根を越えて小川谷上段歩道へ下るらしい。「タワ尾根またぎ」です。そんな彼を盗撮して右へ。
一石山神社(いっせきやまじんじゃ)や日原鍾乳洞を過ぎて日原燕岩洞門(にっぱらつばめいわどうもん)をくぐり、ここから林道小川谷線(以降、小川谷林道)です。
浄水場跡を通過します。金網の取替工事中です。フェンスの替わりにロープが張られていてスカスカ感が心地よいです。
かろう橋を渡ります。
ハンギョウ尾根を登っていくモノレールの始点駅を通過します。
新品になった木の階段を通過します。大栗尾根(おおぐりおね)の横っ腹に取付けます。はずです。
犬麦谷(いぬむぎだに)が大変貌です。谷止工(たにどめこう)という治山工事が施工されていました。谷の勾配をゆるやかにして土砂の移動を抑えて水源林涵養を促すものらしいです。(切り替え画像は上流から下流方向)
タワ尾根のウトウの頭とその右の大京谷ノ峰。
あれが七跳山です。多分。
小川谷林道の終点広場に到着。歓迎飛行でしょうか。ありがとうございます。きょうは暖かいです。ペットボトルに詰めてきた水を飲みながらぶらぶら休憩します。
終点広場の突き当りを右へ、犬麦林道を進みます。そういえば、Mさんは終点広場から先にのびる小川谷左岸の登山道を修復したとのこと。初っ端の崩落が激しくて通路をつくるのに苦労したらしい。
犬麦林道の起点には「水道水源林の保護育成・管理のため間伐、歩道整備及び新規購入林整備(間伐、支障木処理)を実施」と書かれたポスターが貼られていました。
犬麦林道の起点には「水道水源林の保護育成・管理のため間伐、歩道整備及び新規購入林整備(間伐、支障木処理)を実施」と書かれたポスターが貼られていました。
犬麦林道を歩いて2、3分。この新品の木の階段から七跳尾根に取付きます。前回の七跳尾根はできるだけ尾根の下端から登ろうとして終点広場から取付いたんですが、今回は忠実に登山道というか作業道をたどってみようと思います。
歩きやすい作業道です。
壮大といってもいいほど大きなくの字くの字で高度を上げていきます。
あの先に稜線が見えていますが作業道はここでもくの字。
標高1320m圏(以降、「標高」は記しません)で七跳尾根の上に出ました。地形図の破線(徒歩道)通りの場所です。ヘリコプターが飛んできて終点広場でホバリングしているようです。訓練でしょう。しばらく小川谷上空を飛んだりホバリングしたり、轟音が谷全体を覆っていました。
尾根道はこんな感じで始まり、
ここからしばらく黒網タイツのヒノキが立ち並ぶセクシーゾーンです。
1342mの標高点あたりを通過します。とくになにがあるわではありません。ヤセ気味の平坦な尾根の一隅です。
標高点を過ぎてすぐ、1350m圏で作業道が尾根を横断します。作業道の向こうの木には「酉谷山」と書かれた道標、尾根の真ん中には「20|19」の林班界票が立っています。
振り返って遠くの山並み。タワ尾根の方向です。ヘリコプターの音がずっと聞こえています。ペットボトルの水を飲み、
尾根の続きを登ります。かなりの急登です。
登ってきて、尾根の雰囲気はガラリと変わりました。1枚の葉も残していない木が規則的なのかテキトーなのか、バラバラと立ち並んで山肌は乾いてザラザラです。あと2ヶ月ほどで何百万枚、何千万枚もの葉っぱが尾根を覆うなんてそーとー不思議です。
尾根を直登するつもりだったんですが、
何度も横切る作業道をたどってみることにしました。
作業道に忠実にくの字くの字で登ってきました。楽ちんです。
時々、テキトーに直登したりもします。
落ち葉。舐めてはいけません。路肩不明、乾ききった落ち葉はスルッスル。危なかったです。
これらの赤テープは仕事用で、テープには「支障木」の文字のほかナンバーや直径が書かれていました。
左手に植林が出現。またまた尾根の雰囲気が変わりました。雪の量も増えてきました。
左からゴンパ尾根が登ってきています。
一人分のトレース(足跡)が現れたり消えたりしていました。たどります。
トレースから離れ、ゴンパノ頭(1600m圏)に到着。
ゴンパ尾根の下方。
七跳尾根の先を
2、3分登るとロープが張られていて
長沢背稜の縦走路に合流です。縦走路を横断し、そのまま尾根の上へ。
2重稜線の左を登ってきて
七跳山の山頂に到着です。1651mの標高点でもあります。これにて七跳尾根はおしまいです。
山頂から北の眺め。
山頂から東の眺め。
山頂から南の眺め。
山頂から西の眺め。
これも山頂からの眺めなんですがなにかを狙った写真でしょうか。謎。ザックを降ろして水を飲んだり、ずり落ちたズボンを上げたり、軍手をゴム手袋と2重にしたり、チェーンスパイクを履いたりしました。
そうなんです。これからの大平山尾根は思いのほか雪が多そうです。
そうなんです。これからの大平山尾根は思いのほか雪が多そうです。