奥多摩尾根歩き
棒杭尾根

(棒杭尾根、ヨコスズ尾根)


今回は棒杭尾根(ぼうくいおね)を登り、ヨコスズ尾根を下りました。
棒杭尾根のてっぺんは長沢背稜(ながさわはいりょう)の上にあって(ざっくりですみません)、下端は倉沢谷(くらさわだに)が二又に分かれる塩地谷(しおじだに)と倉沢谷(くらさわだに)の出合です。棒杭尾根はかなり前に下ったことはありますが登るのは初めてです。
ヨコスズ尾根は長沢背稜の天目山(てんもくざん 三ツドッケ)から南西に下っています。ヨコスズ尾根はこれまで4、5回は歩いたと思います。先々週と先週も下っています。また下りました。下りすぎです。下りすぎではありますが、いつも登山道を歩き、キチンと尾根を歩いたことはありません。ヨコスズ尾根の尾根上をビシッと歩いてみようというのが今回の大きな目的です。
申し訳ないのですが、棒杭尾根は行きがけの駄賃というか帰りがけの駄賃というポジションです。けれども棒杭尾根もできるだけ尾根上を歩いてみようと出かけたのでした。

コース
JR青梅線奥多摩駅→[START]倉沢バス停→林道倉沢線→(1時間10分)棒杭尾根取付→棒杭尾根→(2時間)棒杭尾根のてっぺん(長沢背稜)→(40分)一杯水避難小屋→ヨコスズ尾根→(2時間20分)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
(6時間10分)
歩いた日 2021年4月10日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]倉沢バス停→林道倉沢線→(1時間10分)棒杭尾根取付→棒杭尾根→(2時間)棒杭尾根のてっぺん(長沢背稜)


棒杭尾根の取付は尾根の横っ腹から。登山道はくの字くの字で稜線の急勾配をうまくなだめながら高度を上げていくけれど、できるだけ尾根上を歩いてみました。ザレた急登を這い上がったりこぢんまりした岩場を乗り越えたり先の見えないアセビの茂みを突破したり、楽しかったです。

おはようございます。奥多摩駅から川乗橋(かわのりばし)行きの増便が発車した後の東日原(ひがしにっぱら)行きの定時便に乗車。倉沢(くらさわ)バス停でわたくしを降ろしたバスは大きなお尻をちょっと見せてカーブの向こうに去って行きます。
バス停から少し戻り、林道倉沢線(以後、倉沢林道)を歩きます。立派なゲートができていました。
しばらく歩くと「A型バリケード トラ板付」が立っていました。
可憐な花を通過します。
倉沢林道は好きな林道のひとつです。
八幡橋(はちまんはし)から見える滝。
倉沢林道といえば水がサラサラ流れる道が印象的なんですが、きょうは山が乾いているのでしょうか、1か所しか水は流れていませんでした。
対岸のあれは倉沢鍾乳洞? みたいな洞穴。昔は観光地だったらしいけれどあんなに険しいところだと行けないですよね。違うのかな。
こちら側は幕岩の連なりです。
大きな崩落地。林道の9割以上がなくなっていますが、
山側には狭いけれどしっかりした道ができています。
あの魚留橋(うおどめはし)で倉沢谷を渡ります。魚留橋の上流で倉沢谷は塩地谷(左俣)と長尾谷(右又)に分かれます。
細いけれどとても高度差がある滝(多分、五段滝)を通過します。
向こうに見える橋の手前の林道が半分ほど崩落しています。この正面あたりが棒杭尾根の下端だと思います。とてもじゃないですが取り付けません。
長尾谷の右岸を登っていきます。
棒杭尾根の登山口が見えてきました。
斜上していくのが棒杭尾根への登山口です。右奥の長尾谷右岸に伸びる道を歩き、長尾谷の沢身を歩き、右岸や左岸を歩くとかつて登った左俣窪左岸尾根にたどり着きます。
こんなところを登ってきました。いきなりルートミスのような気がしますが、まっ、ドンマイ。
尾根に乗りましたがこれは棒杭尾根の枝尾根です。
登山道はすぐに枝尾根を離れます。
はるか頭上のあれが棒杭尾根の稜線です。
大きなくの字くの字で高度を上げ、小さな尾根を乗り越し、
ようやくあそこで
棒杭尾根に立ちました。
せっかくなのでちょっと下ってみます。
すぐに中空に突き出た岩の上です。先に進めそうもありません。
岩からの眺めです。倉沢谷の下流方向。ずーっと奥に見えているのは石尾根だと思います
いよいよ棒杭尾根を登ります。
890mあたりでしっかりした道が尾根を横切っていました。
サクラ。
アセビの細い枝がザザザザと脚をなでる尾根道が続きます。
奥に見えているのはヨコスズ尾根のはずです。
テキトーに尾根上を歩いていると離れていた登山道と合流しました。
今回のルートでいちばん勾配がキツかった場所です。ザレてもいて登りにくいったらありゃしません。登山道は尾根の右側を優雅にくねっているはずです。
登ってきて
登山道と合流。小休止をかねて登山道をたどります。
登山道はどうやら向こうの小さな尾根を乗り越す魂胆です。
ちょっと戻り、本筋を登ることにします。
登ってきて
勾配は緩やかになって
右から来た登山道と合流。
左から尾根がにじり寄ってきます。
こぢんまりした岩場を登ってきました。
アセビの小枝に打たれます。
左からの尾根を覗いてみます。
合流地点はこんな感じ。何があるわけではありませんが貴重な平坦地です。1240m圏です。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲みます。
余談です。先週の尾根歩きで水没させたカメラのことです。電池蓋を開けたまま放置して乾かしていたところ、電源を入れるとたまにすぐ電源が切れたり、電源を切るとたまに鏡筒が縮まる途中で2、3回ピストン運動をして停止したり、色味がヘン? にたまになったり、望遠レバーを動かしてもまったく反応しなくなったり、ピントがちょっと甘いんじゃないの? みたいなほんの少々の不具合だけで完全復活しました。
尾根相も林相もガラリと変わりました。あのてっぺんを越えて
こんな尾根道を登ってきて
登ります。
右には鳥屋戸尾根(とやどおね)や長沢背稜が見えています。
左はヨコスズ尾根や雲取山(くもとりやま)あたりの長沢背稜が見えています。かな?
棒杭尾根は短い尾根ですがかなり表情を変えます。テクテク歩きます。
またこんな急登もあって
登ります。このあたりは登山道ははっきりしていなくてテキトーに登っています。
急登の先で右からの尾根と合流しそうです。
合流しました。うれしい平坦地です。ほうじ茶を飲みます。
大木です。ブナでしょうか。
樹冠を見上げます。
大木が林立する一角を通過します。
長沢背稜の登山に立つ道標が見えました。
あちらから登ってきました。
そのまま登ります。
長沢背稜にぶつかりました。標石が埋まっていましたが、この斜面の途中が尾根のてっぺんなのはちょっとヘンです。
右手に小さなピークがありました。ここが棒杭尾根のてっぺんでしょう。1490m圏です。棒杭尾根のてっぺんは『復刻版 奥多摩』(宮内敏雄 著 百水社)の地図(35ページ)に「棒杭ノ頭(古棒杭)」と記載されています。これにて棒杭尾根はおしまいです。
悲報です。帰宅後に調べたところ、どうやら棒杭尾根のてっぺんはさらに100mほど先に行った1449mの標高点のようです。まっ、ドンマイ。
てっぺん(じゃなかったけれど)からの風景。北方向。
東方向。
南方向。
西方向。棒杭尾根のてっぺんに立ったつもりでグビグビとほうじ茶を飲むのでした。