奥多摩尾根歩き
布滝沢右岸尾根、エビ小屋山南西尾根

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今回は布滝沢右岸尾根を登り、エビ小屋山南西尾根を下りました。布滝沢右岸尾根はテキトーな名付けですが、名前のまま、布滝沢という沢の右岸尾根です。布滝沢は入川谷の支流で、出合に布滝という12〜15m(いろんな主張あり。15mが優勢か)の滝がかかっています。入川谷は川苔山あたりから南西に流れ下る多摩川の支流です。
『渓人「流」』というWebサイトの入川谷の遡行記録に、布滝に関して「左の右岸尾根に仕事道があり簡単に巻ける」という記述があるのが目にとまりました。また、『バリエーションハイキング』(松浦隆康 新ハイキング社 2012)の37ページの地図をじーっと見てみると布滝沢の右岸に点線が描かれていました。ただ、点線はすぐにバツ印で終わっています。バツ印の理由は大ざっぱにいうと、道がない、道はあっても安全を考えると歩かないほうがいい、の2点になると思います。まっ、どちらにしろ現場に立ってみないことにはどういう状況なのかわかりません。
実は布滝沢右岸尾根をエビ小屋山まで登り、赤杭尾根を下る予定だったんですが、布滝沢右岸尾根でヘロヘロのバテバテ。920m圏でエビ小屋山南西尾根に合流したところで前前々回に登ったエビ小屋山南西尾根をエスケープルートに決定。「こんなにキツかったっけ」と20回くらい毒づきながらの下降がつづきました。
入川谷流域は「エビ小屋山南西尾根」「速滝」「クマタカ沢右岸尾根」につづき4回連続の入山です。天気予報がバッチグーな連休前の平日、登れるかどうかよくわからない布滝沢右岸尾根をめざしました。
コース [START]JR青梅線鳩ノ巣駅→(55分)大根ノ山ノ神→(15分)西川林道の末端(先端)→作業道→(20分)布滝への下降点→(50分)布滝(15分見学と取付探し)→布滝沢右岸尾根取付→布滝沢右岸尾根→(55分)布滝沢右岸尾根650m圏→(3時間10分)エビ小屋山南西尾根920m圏→エビ小屋山南西尾根→(55分)入川谷の木橋→作業道→林道→(40分)大根ノ山ノ神→熊野神社→大橋屋→(50分)[GOAL]JR青梅線鳩ノ巣駅
(8時間50分)
歩いた日 2024年9月20日(金)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]JR青梅線鳩ノ巣駅→(55分)大根ノ山ノ神→(15分)西川林道の末端(先端)→作業道→(20分)布滝への下降点→(50分)布滝(15分見学と取付探し)→布滝沢右岸尾根取付→布滝沢右岸尾根→(55分)布滝沢右岸尾根650m圏→(3時間10分)エビ小屋山南西尾根920m圏


布滝で右岸尾根の取付を探しました。右岸にはかんたんに登れたんですがすぐに巨岩というか岩壁が覆いかぶさっていて立ち往生。岩壁を見上げたりキョロキョロしていると、左隣の小さな沢の右岸に作業道を発見。上流には道を守る石積も見えます。あれをたどれば岩壁を巻けるんじゃないかと沢へ下り、ちょっぴり危ういトラバース(山腹水平移動)で遡って沢を渡り作業道に這い上がりました。なんとか布滝の右岸を囲う岩壁は巻けたけれど、、、。

おはようございます。鳩ノ巣駅です。
改札を出てすぐ右へ、突き当りを右へ。踏切を渡り、道なりにほぼ真っすぐ、どんどん登り、民家の手前で左へ曲がります。
雨が降ったようです。しっとりした山道を登ります。
大根ノ山ノ神に到着。ちょっと休憩して
西川林道をゆるやかに下っていきます。左手の川苔山の登山口、右下の峰集落跡を過ぎ、
前週にはなかった倒木をまたぎ、
林道の延長工事の先端のフェンス横を抜け、
ジャージャー水の流れ落ちる沢に架かる木橋を渡り、
布滝のすぐ近くに突き出ているヤセた小尾根に着きました。出発前に、ここを下るのが布滝への最短距離のはず、と目を付けていた尾根です。
下ります。
すぐに左にエビ小屋山南西尾根への道を分け(このときはまさかここから登ってくるとは思ってもいませんでした)、
こんもりとした小ピークを越えて、
急降下です。はっきりしていた踏み跡があいまいになってきました。かまわず下ります。
この先はさらに急勾配のようですが、藪でよくわかりません。水の音が大きく聞こえてきます。うーん、引き返したほうがよさげです。引き返します。
目を上げると入川谷の対岸に深く切れ込んだ布滝沢が見えます。左手が右岸尾根。あんなとこ登れるんでしょうか。小尾根を登り返します。
途中で作業道から下っていけそうな斜面が見つかりました。
作業道から見下ろします。下ります。
グズグズのザレザレを下ってきて
下っていくと
エビ小屋山南西尾根を歩いたときに布滝沢の対岸から登った道にぶつかりました。途中のデンジャラスなトラバースを避けて急斜面を作業道まで這い上がった道です。
道をたどります入川谷が見えてきました。
下るのを断念した小尾根の末端部です。ルートによっては下れるような気もしますが、まっ、今更の話です。
入川谷に流れ込む布滝沢の奥に布滝が見えました。
入川谷の水量は多く、流れは速いですが渡れなくはなさそう。
20mほど下流に移動し、ここを渡って
入川谷左岸を布滝沢に向かいます。
出合からの布滝。布滝沢右岸を遡り、布滝に近づきます。
石積が残っていたりもします。左岸、右岸、と渡り、
布滝に到着。晒木綿を振り落としたらこんなふうに見えるに違いありません。細かい水しぶきがかかるんですが滝壺のすぐ近くにザックを降ろしてしばらく滝を眺めます。
なんだかもう、「今日のわざをなし終えて〜」の気分ですがそーもいきません。右岸尾根を歩きにきたんですから。右岸を見渡します。垂直に立つ岩壁が文字通りの障壁になりそうです。
とにもかくにも「左の右岸尾根に仕事道があり簡単に巻ける」、『バリエーションハイキング』の点線とバツ印、はこの右岸の斜面を登ってみないことにはそれがいったいどういうものなのかわかりません。
右岸尾根に登ってきました。振り返って布滝。
布滝沢右岸尾根の突端です。振り返って
ヤセ尾根を登ります。
が、布滝から見た通り、岩壁が垂直にバーンと立ちふさがっています。登れるルートがあるんじゃないかと探したんですが見つからず。『バリエーションハイキング』の点線とバツ印はここまでのことなのかもしれません。
では「左の右岸尾根に仕事道があり簡単に巻ける」はどうなのか。岩壁の左を覗き込んでみます。小さな沢が流れています。岩壁に沿って踏み跡みたいな跡があるといえばあるような。木の根っこをつかみながらほぼ垂直に2m弱、沢に向かって下り、
かなり怖い思いをしトラバースしてきました。写真のブレは動揺の余韻です。
小さな沢の対岸に道が見えました。
岩壁をさらに回り込んでいくと道の先に石積が見えました。あれが「左の右岸尾根に仕事道があり簡単に巻ける」なのかもしれません。
さらに上流にも立派な石積が見えます。やっかいなトラバースはつづきます。
ここからなら岩壁の上に登れるかも、な場所を見上げます。やめます。
沢に降り、対岸に這い上がます。
小さな滝の落ち口を渡ります。かつては橋が架かっていたような雰囲気です。
道の下流方向です。布滝沢出合から入川谷をちょっと上流に歩き、左下に見えている小さな沢を超えればこの作業道の下端がある、と思うんですが確認していないのでなんとも言えません。
小さな沢ですが威勢がいいです。
登ってきて
登ります。
もうひと登りして
布滝沢右岸尾根に立ちました。大高巻きでした。布滝の上流に向かっていく道が右に下っています。
この先が岩壁の上です。行きません。振り向いて
布滝沢右岸尾根を登ります。キッツい急登です。
登ってきて
650m圏で植林に囲まれるとちょっぴり勾配はゆるみました。盛り上がってまいりました。「次へ」どうぞ。布滝沢右岸尾根の動画も掲載しています。