今回はエビ小屋山南西尾根を登り、エビ小屋山尾根を下りました。
どちらも赤杭尾根(あかぐなおね)のエビ小屋山(布滝沢ノ頭 クマタカ山)がてっぺんです。エビ小屋山南西尾根は布滝沢とクマタカ沢という沢の間を南西に下り、入川谷(地形図は峰入川谷。これに関しては後述)に没している尾根です。エビ小屋山尾根は南にダーッと下って入川谷と大蔵谷という谷の出合に下っている尾根です。
エビ小屋山南西尾根へのアプローチは入川谷を遡ります。前日の台風で水量が増えていることは予想できましたが、普段の水量を知らないので「すごく多いの?」「多いの?」「フツーなの?」なんともビミョーな心持ちでぶ厚く流れの速い水を眺め、断続的に難儀な高巻きを強いられました。入川谷沿いの遡行から布滝沢の布滝を眺め、布滝沢対岸の踏み跡をたどってなんとかエビ小屋山南西尾根の下端に架かる木橋に到着しました。尾根本体に関しては本文をお読みください。
エビ小屋山尾根を歩くのは3度めです。すべて下っています。前半は急降下があったり、おだやかになったり、ヤセたりの飽きない尾根なんですが、後半の採石場なのか伐採地跡なのかに出ると足元の見えない原っぱの踏み跡を探りながら下ったり、植林帯の境目をたどったり、濃い藪を突っ切ったり、最後は植林帯の急降下がえんえんとつづきます。えんえんと。これはこれで飽きない、といえば飽きない、のかなあ。
名前はどちらもテキトーです。エビ小屋山南西尾根はクマタカ沢左岸尾根とも布滝沢右岸尾根ともクマタカ沢布滝沢中間尾根とも呼べる位置にあります。エビ小屋山尾根は『奥多摩尾根歩き』の初出(「曲り尾根、エビ小屋山尾根」2015.6.15)でエビ小屋山尾根としたのでそのままにします。ネット上でエビ小屋山南尾根とかエビ小屋山南南東尾根という表記を見たこともあります。

エビ小屋山南西尾根、エビ小屋山尾根
(1/2 エビ小屋山南西尾根)
■コース | [START]JR青梅線古里駅→古里附橋→(40分)林道入川線→林道終点→入川谷→(2時間)布滝沢出合→布滝→布滝沢出合→入川谷右岸作業道→(30分)木橋→エビ小屋山南西尾根→(2時間40分)エビ小屋山→エビ小屋山尾根→(2時間)鉱山事務所前→(45分)[GOAL]JR青梅線古里駅 (8時間35分) |
■歩いた日 | 2024年8月17日(土) |
























※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■[START]JR青梅線古里駅→古里附橋→(40分)林道入川線→林道終点→入川谷→(2時間)布滝沢出合→布滝→布滝沢出合→入川谷右岸作業道→(30分)木橋→エビ小屋山南西尾根→(2時間40分)エビ小屋山
エビ小屋山南西尾根はしっかりした道が稜線に絡みながらくの字くの字で登っていました。尾根をあさっての方向に巻きはじめた道から尾根上に這い上がると今度は崖を這い上がることに。かなりの急登がつづき、ちょっぴりデンジャラスなヤセ尾根があったり、岩稜があったり、エビ小屋山の山頂直下は地形図の等高線にだまされた感ありのかなりキツい急登でした。






気になるのは看板の「峰入川」(谷)の文字です。冒頭でも書きましたが地形図(『奥多摩 登山詳細図(東編)』も)の表記は峰入川谷なんですが、ネットでは峰入川はごくごく少数派。圧倒的に入川谷の表記が多く、入川谷が定着しているといっていいと思います。青梅線のガードにも「東京都奥多摩さかなセンター(入川)」「(株)昭和石材工業所 入川工場」の看板があります。
戦前戦後あたりの古い地図もことごとく入川谷と表記されています。看板の「峰入川」は工事発注者の東京都西多摩建設事務所が国土交通省にならったんでしょうね。地形図はどこかのタイミングで入川谷右岸の峰集落の「峰」の文字が入っちゃったんでしょうか。








































































日差しはあるんですが遠雷が聞こえます。下山は真名井北稜を歩く予定でしたがザックを降ろしてちょっと思案。エビ小屋山尾根を下ることにしました。エスケープルート程度に考えていたんですが、なかなかのなかなかなシンドいエビ小屋山尾根でした。
エビ小屋山南西尾根のダイジェストです。