奥多摩尾根歩き
布滝沢右岸尾根、エビ小屋山南西尾根

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エビ小屋山南西尾根920m圏→エビ小屋山南西尾根→(55分)入川谷の木橋→作業道→林道→(40分)大根ノ山ノ神→熊野神社→大橋屋→(50分)[GOAL]JR青梅線鳩ノ巣駅


体調不良です。伐採地跡なのか畑跡なのか、急勾配の胸ほどの草ボーボー地帯をかき分けかき分け、青色吐息でエビ小屋山南西尾根に合流できたところで下山することに。でも、エスケープルートにしてはキツすぎました。

と思ったら、すぐに急登のぶり返しです。岩付きです。
浮石だらけでかなりやっかいです。ちょっと体が重いというか、「登るぞ!」みたいな気分がちっとも湧きません。なんとなくヘン。
「ふんっ」て声をあげながら這い上がっていきます。
這い上がってきて
頭上がずいぶん明るくなりました。さらに勾配がキツくなって標高1mを登るのに1分はかかっている気がします。
防獣ネットなんかを留める杭が落ちていました。まっ、まさか、この上でネットで行く手を阻まれたりするんのでしょうか。
見上げると手斧か鉈で削ったような板が何枚か刺さっていました。なんなんでしょう。
切り株がたくさん残っています。伐採地跡のようです。
左から登ってきたそこそこしっかりした道にぶつかり、振り向くとそこそこ展望が開けていました。810m圏の南方向です。
南東方向。
南西方向を眺め、
これでめちゃくちゃな急登を逃れられる、と思いながら道をたどったんですが、あっという間にあやふやに。
んっ、復活? と思ったけれどやはりたどるのは困難になり、
タンポポそっくりの綿毛をつけた草が群生する尾根筋に復帰します。足元なんか見えやしません。綿毛が口に入ると泣きそうになります。大人だから泣きませんが、ちょっとでも勾配の小さな山肌を泳ぐようにというか溺れるようにさまよい探しながらヨロリヨロヨロと登っていきます。
「分け入っても 分け入っても
枯れた草」。
しょっちゅう振り返って景色を眺めます。登る途中で休むというよりは休む途中で登る状況です。
こんなに天気はいいのに、しんどいったらありゃしません。
ヘロヘロになって登ってきて
見覚えのある岩稜に立ちました。エビ小屋山南西尾根です。ザックを落とすように降ろし、岩に腰を降ろします。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶をゴクリゴクリと飲みながら「もう登るのは無理。ここから下山」に決定。脱いだ軍手を杖の取っ手にかけ、居心地のいい体制を探して消耗した体力と気力が少しでも復活するのを待ちます。920m圏です。これにて布滝沢右岸尾根はおしまいです。そういえば1本だけの杭、なんだったのでしょう。まっ、いいか。

布滝沢右岸尾根のダイジェスト。
ちょっぴり復活。「あとは下るだけ」というのは気分的にずいぶん楽です。エビ小屋山南西尾根を下ります。
すぐに小屋の残骸を通過し、
尾根を巻いて登っていく道を右に見送り、
まあまあ快調に下っていきます。
770m圏で布滝沢の方角に下っていく道を左手に見て
750m圏の小ピークの分岐は左へ。
かなりの急降下です。登りほどでもないですが、そーとーシンドいです。
下ってきて
下ります。「こんなところあったかな」と何度も何度も思いながらの下りです。
岩場を大きく巻いて右から下ってきました。「こんなところあったかな」とまた思います。
660m圏の微妙な分岐は右へ。登り返しは勘弁なのでスマホGPSできっちり確認します。水の音が大きく聞こえてきます。
入川谷がちらちらと見えてきました。
木橋が見えます。
ようやく入川谷に降りてきました。
ザックを降ろします。これにてエビ小屋山南西尾根はおしまいです。
休憩します。入川谷で顔を洗い、手ぬぐいを洗って絞って首にかけます。対岸はワサビ田跡です。この流域はほんとうにワサビ田跡が多いです。峰集落の人々の生活を支える生産の場だったんだと思います。いや、あの、根拠はないんですが。
木橋を渡り、作業道に向かって登ります。まだ登りがあったのを忘れていました。
布滝への下降の途中で断念した小尾根まで登り、
作業道へ。
林道のフェンスが見えてきました。
林道から。エビ小屋山尾根が西日に照らされています。
大根ノ山ノ神に立ち寄り、
この道標で登ってきた道をはずれて「鳩ノ巣駅 熊野神社」方面へ下ります。
里の家並みが見えてきました。
小さな祠が建っていて
下るとすぐに熊野神社でした。
階段の途中に砲弾(?)が祀られて(?)いるのか奉納(?)されていました。
右のスギの裏には大きなイチョウが立っています。銀杏の実がポトリポトリと落ちてきました。
疲れも吹き飛びます。
大橋屋で缶ビールを購入し、鳩ノ巣駅へ。トイレを借りて着替えて跨線橋を渡り電車を待ちました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。体調がいまひとつで予定のルートを歩けなかったんですが、布滝沢右岸尾根を登ることができました。岩壁の大高巻きはシンドくちょっと怖かったけれど道探しは楽しかったです。また、よろしくお願いします。