奥多摩尾根歩き
ネズミザス尾根、コマ尾根

(2/2 コマ尾根)


石尾根(カラ沢ノ頭)→(10分)城山→コマ尾根(下り)→(1時間10分)到達点→コマ尾根(登り)→(1時間50分)城山→石尾根→(2時間30分)[GOAL]JR青梅線奥多摩駅


コマ尾根はとんでもない急勾配と浮石でできているといっても過言ではありません。いや、浮石のほうはいいすぎかな。でもかなり多いです。隣の小尾根でシカが何度も石を落としてました。
とにもかくにもキビシい尾根でした。

コマ尾根の場所です。たしか3回目の掲載です。『日原を繞る山と谷 』(山旅叢書 真鍋健一 朋文堂 昭和17)の14ページ「鷹巣谷遡行略図」の部分です。城山がカラ沢ノ頭の位置にありますが、まっ、たいした問題ではありません。のはず。ちなみに『奥多摩』(宮内敏雄 昭和刊行会 昭和19)の地図も城山とカラ沢ノ頭は同じ場所になっています。
そんなカラ沢のノ頭から石尾根を西へ10分弱で城山に到着。
めざすコマ尾根は城山の山頂からほんのちょっと鷹ノ巣山寄りの西から北に下っています。
コマ尾根は初っ端はゆるやかに、あとは激しくガクッと下っていきます。
この地図は2回目の掲載です。『奥多摩の山と谷 (登山地図帳)』(奥多摩山岳会 編 山と渓谷社 昭33)の153ページ「鷹ノ巣谷遡行図」の部分です。「ソリ道」という記載があり、本文には金左小屋窪の遡行に関して「廃径になったソリ道を乗越すと水はなくなり」と書かれています。65年以上前に廃道になっている道がいまも残っているとは考えにくいですが、収穫したワサビや栽培や小屋の滞在に必要な物資なんかを運んだに違いない橇の道をとっても見てみたいです。
鷹ノ巣山中尾根を歩いたときに1100m圏でそこそこしっかりした道を横切りました。あの道がコマ尾根までつづいていればソリ道の可能性大だと思います。
下ってきて
小屋跡みたいな平坦地が見えます。
平坦地を過ぎると岩がちな尾根になり、1400mあたりで下ってきた尾根は崖で行き止まり。前回、引き返した場所です。
左手の小尾根に移って崖をやりすごします。薄い踏み跡をたどってトラバースします。
小尾根に乗りました。見上げてみます。下るのは危なそう。
下ります。
下ってきました。
コマ尾根に復帰。
グラガラグラガラ動く浮き石ばかりで足の置き場に気を使います。
左手に鷹ノ巣山中尾根稲村岩尾根が見えます。いちばん奥は長沢背稜でしょうか。
あいかわらずの石混じりの急降下がつづきます。ソリ道は気配すらありません。
急降下の合い間に切れ落ちて先の見えない急降下がやってきます。
1170m圏の分岐です。大木の左右にビシッとすがすがしく分かれています。右へ。
一途にキビシくこれでもかと下ります。
小籔の向こうでポカリと明るい場所に出ました。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶をぐびりと飲みます。
前の写真から20分ちかくたっています。おそらくカメラを構えられないくらいの傾斜がつづいたんだと思います。また崖の上に出ました。左手の谷地形から金左小屋窪の大きな水の音が聞こえてきます。あと50mも下れば金左小屋窪の水面が見えるかもしれません。
左右どちらからか、まだ下れるとは思いますがもう十分です。これにてコマ尾根はおしまいとします。1100mあたりです。
鷹ノ巣山中尾根の1100m圏で横切ったソリ道かもしれない道は見つかりませんでした。残念。
登り返します。うねった尾根を這い上がります。
道中。すぐ左手(東)に赤ナギ窪右岸尾根(テキトーな名付けです)の横っ腹が見えています。赤ナギ窪右岸尾根もいつか歩きたいと思っていたんですが、、、いいかな。
キッツい登り返しです。城山まで標高差であと約310m。
標高差であと約240m。
決死の登り返しです。あと約130m。
3歩登って2歩分休むみたいなペースで登ってきて
登ります。気づくとハルゼミの鳴き声がまったく聞こえなくなっていました。聞こえるのは石が動く音と自分の喘鳴だけです。
あの空は石尾根の空のはず。
登ってきて
城山に戻りました。グッタリではありますが、ちょっと中途半端ではありますが、道中とくにドラマはありませんでしたが、コマ尾根を下って登った、という達成感はあります。それで十分です。石尾根を東へ、奥多摩駅をめざします。
カラ沢ノ頭を過ぎます。
ドッカドカ下ります。
石祠に立ち寄ります。
峰畑峠(越路の杜)でちょっと休憩。祠があったらしいけれど見つかりませんでした。ここから峰畑集落跡への道を探索した記録はこちら。峰畑集落跡を訪ねた記録はこちら
道中。切り株に育つスギの幼木。
朽ちた桟道を下巻きます。
神社、
2基の石仏を過ぎ、
登山口に降りてきました。これにて石尾根はおしまいです。
下っているようにも見える下ってきた階段。
まだ下があります。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。コマ尾根をようやく歩くことができました。シンドい尾根でした。
また、よろしくお願いします。次回はあまりシンドくないのを切に望みます。