奥多摩尾根歩き
ネズミザス尾根、コマ尾根

(1/2 ネズミザス尾根)


今回はネズミザス尾根を登り、コマ尾根を下って登りしました。
ネズミザス尾根は日原の日原川と鷹ノ巣谷の出合からほぼ真南にせり上がり、東隣のカラ沢尾根と合流する標高1360m圏(以降「標高」は省略)がてっぺんです。
コマ尾根は石尾根の城山あたりから金左小屋窪と赤ナギ窪という谷の出合に向かってキビシく下っている尾根です。かなりそーとーキビシく下っています。で、登っています。
ハナから出合まで降りるつもりはありません。降りたら途方に暮れるはずです。暮れたらビバークどころではありません。遭難です。等高線がせめぎ合い、交差してるんじゃないか、みたいな場所もあります。ともかくある程度まで下ったら引き返すと決めていました。 この山域にあったらしいソリ道という道も見てみたいです。
コマ尾根に向かうのは見ることもできなかったときを含めると3度めになります。
はてさて。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→巳の戸橋→(10分)日原川と鷹ノ巣谷出合→(10分)ネズミザス尾根取付→ネズミザス尾根→カラ沢尾根合流→(3時間30分)石尾根(カラ沢ノ頭)→(10分)城山→コマ尾根(下り)→(1時間10分)到達点→コマ尾根(登り)→(1時間50分)城山→石尾根→(2時間30分)[GOAL]JR青梅線奥多摩駅
(9時間30分)
歩いた日 2024年6月22日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→巳の戸橋→(10分)日原川と鷹ノ巣谷出合→(10分)ネズミザス尾根取付→ネズミザス尾根→カラ沢尾根合流→(3時間30分)石尾根(カラ沢ノ頭)


ネズミザス尾根は急登だらけです。
序盤の岩崖はそこそこのデンジャラス感はあるものの命の危険を感じることなくよじ登れました。この崖はいつ終わるのかなあと思いはじめたころに終わりました。
崖が終わっても急登はひたすらつづきます。平坦な尾根もあるけれどごく短く、ちょぴり下った鞍部から30倍返しみたいな急登がはじまる、というのがネズミザス尾根の素性です。そんな急登のキビシさを雑木の緑の葉っぱがちょっぴり癒やしてくれました。

おはようございます。きょうはJR立川駅で奥多摩のトップガンMさんに会い、奥多摩駅前のバス停でスマイリーTさんに会い、東日原バス停郵便局で毛鉤釣り師Oさんに会いました。
Mさんはナントカ茶屋のほうとうを食べに小菅の湯行きのバスに乗り込みました。Tさんは見通し尾根に向かうために倉沢バス停で下車。Oさんも同じバスに乗っていたようですが、東日原バス停のちょっと先の郵便局前で荷物をゴソゴソしているOさんに気づいて声をかけました。
東日原バス停から4、5分、でっかい魚はどんなとこにいるかなど興味の尽きない話しを聞きながら歩きました。日原川上流に向かうOさんの後ろ姿をちょっと見送り、黄色い手すりの階段から日原川に降りていきます。
翌日、Oさんからメールをいただきました。釣果は32cmの雌ヤマメを頭に16匹。増水からの引き水で魚の活性が高まっていたそう。基本的に釣った魚は放すOさんが帰宅後に32cmのヤマメの写真をよーく見たところ、昨年も釣り上げた「LOVEちゃん」だと判明。上の写真が体側のハートマークがチャームポイントの熟女「LOVEちゃん」。9か月で1cm成長したけれど少しヤセたらしい。「沢で巨体を維持するのが難しい事が分かります。前回は50m上流の淵で掛けたので広い範囲を行き来している模様。こういった自然観察、記録も奥多摩の楽しみ方ですね」とOさん。おもしろい話です。人です。
日原川に架かる巳の戸橋を渡ります。濡れた橋の床は油断するととんでもなく滑ります。
左の道を下ります。
すぐに日原川(左)と鷹ノ巣谷の出合です。今回のために導入した渡渉ブーツ(レジ袋)は水量が多くて役に立ちませんでした。
前回と同じく、朽ちた木橋の上流で谷を渡り、回り込むことにします(写真は前回のもの)。
鷹ノ巣谷を渡りました。谷水は日原川に向かってかなりの勢いで流れ落ちています。
日原川の河原に出るつもりでしたがネズミザス尾根の横っ腹に刻まれた踏み跡がありました。登ります。
ネズミザス尾根に立ちました。出合が見えます。
急登に薄い踏み跡があるようなないような。
少し登るとネズミザス沢に向かってそこそこしっかりしたトラバース(山腹水平移動)道がのびていました。
急登の先に岩崖が尾根にドンと覆いかぶさっています。右上の獣穴みたいな洞穴が気になりますが右にルートをとります。
登ってきて
頭上の洞穴を見上げます。奥のようすはよくわかりません。1か月ほど前、お隣のネズミザス沢右岸尾根でクマの親子に会ったこともあり、長居は無用です。とっとと先に進みます。
とはいってもなかなかシンドい崖登りがつづきます。
よじ登ってきました。600m圏です。
よじ登りのあとは綱渡り(大げさか)みたいなヤセ尾根歩きです。左右が切れ落ちていますが、とくに右手は切れ落ちというより抉れています。
急登に戻ります。
右手に鷹ノ巣谷の滝が見えました。そういえばネズミザス尾根という名前ですが前半は鷹ノ巣谷の右岸に沿って登るので鷹ノ巣谷右岸尾根といった風情です。
サンドイッチが並んだような大岩を通過します。抹茶サンドですね。
あの先で右から登ってきた尾根と合流し、
左へ向きを変え、登っていきます。このあたりはおだやかな尾根です。
右にくーっとせり上がっていきます。
739mの標高点あたりにある小尾根の突端まで歩いてみました。見晴らしはほとんどなく、ちょっと怖かっただけでした。
標高点を過ぎると勾配はゆるやかになり、
810m圏の倒木ゾーンを抜けると
行く末のわからない急登がまたはじまります。
踏み外すとロープなしのバンジージャンプです。
岩がちな尾根の先に空が見えます。
空は次の急登を前にした踊り場でした。休憩します。山崎製パンの「チョコレートようかん」を喫食します。「暑くても溶けないチョコレート」のひとつの解だと思うんですがどーでしょう。チョコレートもようかんも好物です。夢のようなおやつです。アルミ箔が燦然と光り輝いています。
970m圏で左植林、右雑木から左右雑木になりました。
歩きやすい尾根道です。気づくと、ハルゼミが詰まった虫かごに頭を突っ込んでいるようでした。
右から登ってきた尾根と合流します。
緑の葉っぱがぶ厚く重なりあっています。
ベリッとはがれた大木を通過します。
美しい尾根にだまされてはいけません。かなりキツい登りです。
1360m圏で
左から登ってきらカラ沢尾根と合流。これにてネズミザス尾根はおしまいです。
カラ沢ノ頭をめざして登ります。
マルバダケブキは石尾根近しのサインです。
そーでもないみたい。尾根歩きはつづきます。
右から登ってきたヤセ尾根に合流し、左へ登ります。
ヤセ尾根を這い上がってきたんですがまだ尾根はつづきます。
最後にくっと登り詰めるとロープの張られた石尾根に出ました。カラ沢ノ頭に到着です。これにてカラ沢尾根はおしまいです。