奥多摩尾根歩き
大栗尾根、ハンギョウ尾根

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今回は大栗尾根(おおぐりおね)を登り、ハンギョウ尾根を下りました。
大栗尾根は長沢背稜(ながさわはいりょう)にある大栗山(大栗の頭、滝上谷の頭)をてっぺんにして南西に伸び、下端は小川谷林道で削られてそのまま小川谷に切れ落ちています。
ハンギョウ尾根は大栗山から東へ2つか3つ目のハンギョウの頭(ハンギョウの峰)というピークから南西に伸びている尾根で、下端は大栗尾根と同じく小川谷林道で削られています。ハンギョウ尾根を下るのは2回目です。前回は『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版社、以下『詳細図』)で掲載されている、尾根上のモノレールを途中で離れてかろう橋に下りるルートを歩いたのですが、今回はモノレールに沿ってズーッと歩いてみました。地形図を見る限り、今回歩いたモノレールが設置された尾根がハンギョウ尾根の本体のような気がするんですが、どうなんでしょう。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原街道→林道小川谷線→滝上谷橋→(1時間20分)大栗尾根取り付き→大栗尾根→長沢背稜→(2時間50分)大栗山→ハナド岩→(20分)ハンギョウの頭→ハンギョウ尾根→(2時間)モノレール始点→林道小川谷線→日原街道→[GOAL](1時間)東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
歩いた日 2018年12月8日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原街道→林道小川谷線→滝上谷橋→大栗尾根取り付き→大栗尾根→長沢背稜→大栗山


大栗尾根は初っ端はグズグズの急登、序盤はヤセ岩。中盤でちょっと行き息を整えていると終盤で岩場がドカン! な尾根でした。

おはようございます。朝二番のバスで奥多摩駅から東日原に到着しました。小川谷橋を渡り、日原鍾乳洞を過ぎて林道小川谷線へ。かろう橋までビューッと歩いたつもりですが、小石に被さった濡れた落ち葉なんかでそこそこ時間がかかってしましました。

水を飲みながら小川谷を覗き込みます。
冬です。
大岩です。
モノレールの始点です。立派な車庫があります。東日原バス停から1時間ほどかかりました。うまくいけば、下山はここにビシッと立っているはずです。
先に進みます。
見えてきました。あれがきょうの最初のターゲット、大栗尾根でしょうか。
橋に着きました。大栗尾根は滝上谷(たきうえたに)の右岸です。 だとすればこれは滝上谷橋のはず。壮年ちょい上っぽいの男性ハイカーがコンクリートの低い欄干に腰かけて靴ひもを結んでいました(この写真の左端です)。挨拶のあと、「この尾根に登るんですか」と聞かれたので「大栗尾根を歩きたいんですよ」とわたくし。「じゃあ、同じですね」と彼。けれども、わたくしはなにかここじゃないような気がして「尾根の先に行ってみます」と、
尾根の下端に向かって歩きました。やっぱりこの尾根(右)じゃないような気がします。
違うような、違うよね、うーん、どーかな、などと思いながらそのままグーンと尾根を回り込んだところ「あの尾根じゃないの」とココロの内の小さな声があそこに見えている尾根をズンと指差します。
橋が見えます。これが滝上谷橋でした。
滝上谷の上流方向。
橋を渡ってすぐの山肌。踏み跡というか獣道が尾根に向かって伸びています。
ですが、目指すのはもっと下端に近いあっちのほうです。下調べでは「3.0km」の標識が目印になるのこと。すぐそこでした。
大栗尾根はほぼここに間違いはありません。靴紐を締め、ザックから杖を出しながら先ほどの壮年ちょいハイカーのことが気になります。十中八九、彼は尾根間違いです。わたくしは引き返しました。「大栗尾根はあっちみたいですよ」というセリフを用意して。でも、もう彼はいませんでした。わたくしよりずっと山慣れた雰囲気だったので万が一ということもないでしょうが、ちょっと気になります。
戻って仕切り直しです。取り付きはここ。倒木(誰かが引きずってきたのかな)と石垣の隙間を足がかりに、180センチほどの擁壁を登ります。
できるだけ緩そうな勾配を選んで這い上っていきます。
登ってきました。
大岩の根元を右に巻いています。
ビシッと獣道が伸びています。ありがたく辿ります。
尾根に乗ります。左上のモッコリが巻いた岩のてっぺんです。
いきなりこんなヤセ尾根です。小首をかしげたカタツムリの頭みたいです。
落ちてもどこかに引っかかるかもしれない左側の斜面。もちろん、誰もそんなことは保証してくれません。
尾根上に大木がドンと立っています。
樹木のせいでヤセは感じませんが、ヤセ尾根の急登が続きます。着ヤセ、というやつでしょうか。違うわ。着太りだ。
こんなところをヒーゼーと登ってきて、
910mあたりから緩やかになりました。
大きな木に見入ったり、
ヤセて急な尾根を
噛みしめながら踏みしめながら登ります。
こんなところや
こんなところもあって、
デンジャラスじゃない露岩のヤセ急登の尾根はしんどいけれどちょっと面白いです。
1000mを越えたあたりからこんな感じ。
穏やかな雰囲気で、ちょっぴり緊張していた体がほぐれます。
1049mのピークを通過します。とくになにがあるわけではありません。
そのすぐ後、尾根をしっかりした道が横断します。どうやら五叉路のようです。
『詳細図』に掲載されているルートは左下に伸びている道だと思われます。
こちらは右の道。滝上谷沿いから登ってくる道でしょうか。
尾根筋を登ります。
炭焼き窯後のような場所を通過します。
切片がキレキレで色も鮮やかな瓶の残骸。割れて間もない感じ。
赤リボンが結ばれていました。下り時の道案内でしょうか。この先で左からの尾根と合流します。
そこそこ急登です。これといった道はないのでテキトーに登ります。
登ってきて
登ります。
この写真はなんなんでしょう。木立の向こうのなにかを訴えたかったのでしょうか。
この写真は七跳尾根(ななはねおね)はあっちだよと訴えています。
そこそこ急登です。
登ってきて、
登ります。
地形図に記載された1368mのピークです。とくになにがあるわけではありません。
尾根は前方のニョッキリに向かっています。
ニョッキリの根元につきました。
急登です。で、その先にバーンという感じで岩が立ちふさがっています。
岩の右側。
中央。
左側。
下調べによると左側に取り付くのがイイらしい。逆らう理由はないので左側ににじり寄っていきます。
古そうな赤テープや新しそうな赤リボンが見えます。あの岩のすき間を登っていくようです。
木が多いので身の危険は感じないものの、根っこや岩の角を掴みながらのハードな登りです。
登ってきました。といってもよくわかりませんが。
ここからは岩場をトラバースするように道が伸びています。
下を覗き込みながら、
ジワジワと登っていきます。
道は尾根下をまだ先に伸びていますが、
テキトーに尾根によじ登りました。岩の向こうに尾根は続いています。
50mくらい進むと左下に赤テープが見えました。この尾根を下るときには役立ちそうですが、わたくしは先ほどの岩場を下る気にはなれません。有村架純が頼みにきたらちょっと考えます。広瀬すずでも土屋太鳳でもちょっと考えます。3人をきっちり区別できませんが。
グニューグネクネと動きだしそうな根っこを乗り越えて進みます。
何度目かの最後の急登です。
同じく。
やっと長沢背稜の登山道に合流です。
登山道を横切ってそのまま登っていきます。
あっちから登ってきました。
大栗山(1591m)に到着です。大栗尾根はこれにておしまいです。とても面白かったです。
山頂からの景色です。これは北の方角。
これは西の方角。
これは東。立ち止まると寒いです。水を飲んでズボンを引き上げてこちらに進みます。