奥多摩尾根歩き
コツ谷二俣中間尾根、上滝尾根

(コツ谷二俣中間尾根)


今回はコツ谷二俣中間尾根を登り、上滝尾根(うえたきおね? 喜右衛門尾根 きえもんおね)を下りました。どちらも東京都の北端にピークを持つ酉谷山(とりだにやま)の南面にある尾根です。コツ谷二俣中間尾根はテキトーな名付けです。上滝尾根は『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版)に紹介されています。
コツ谷二俣中間尾根長沢背稜(ながさわはいりょう)の行福のタオ(みょうふくのたお コツ谷ノツメ 1551m標高点)あたりから東に下ってコツ谷の二俣に没している短い尾根です。コツ谷は酉谷の右岸に流れ込んでいる谷ですが、どのあたりがコツ(骨)なのかは謎。ただ、コツ谷左岸尾根を登ったときの骨ばった岩稜は記憶に残っています。ちなみにコツ谷右岸尾根を下ったこともあります。今回で左右中のコツ谷三部作の完成です。お呼びでない話だとは思いますが。
上滝尾根は行福ノタオとタワ尾根のてっぺんである滝谷の頭の中間あたりから南東に下り、滝谷、酉谷、悪谷(割谷)が小川谷に流れ集まる三又(みまた)にガツンと切れ落ちています。
そこそこハードな尾根歩きを覚悟しつつ、日原の懐深くに分け入りました。
コツ谷二俣中間尾根から上滝尾根へのコース取りはyamap3591141さんの『小川谷右岸下段歩道・小川谷酉谷コツ谷・上滝尾根(喜右衛門尾根)・小川谷林道』(ヤマップ)を参考にさせていただきました。

コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→小川谷林道→(2時間)林道終点広場→(40分)三又→酉谷→(1時間)コツ谷出合→コツ谷遡上→(35分)コツ谷二俣中間尾根取付→コツ谷二俣中間尾根→(50分)長沢背稜下(1480mあたり)→(15分)上滝尾根下降点(標高1480m)→上滝尾根→(45分)三又→(30分)林道終点広場→小川谷林道→(1時間30分)[GOAL]東日原バス停
(8時間15分)
歩いた日 2023年5月5日(金)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ~、そ~、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→小川谷林道→(2時間)林道終点広場→(40分)三又→酉谷→(1時間)コツ谷出合→コツ谷遡上→(35分)コツ谷二俣中間尾根取付→コツ谷二俣中間尾根→(50分)長沢背稜下(1480mあたり)


コツ谷二俣中間尾根へのアプローチはそれはもうそれだけで一仕事終えた感に満たされて、酉谷とコツ谷の出合に立ったときは後は知らんぷりして引き返そうかと思ったほどです。取付まではさらにコツ谷を遡上しなければなりません。コツ谷という名前からなんとなく険しいイメージがあったんですが、右岸左岸と歩きやすそうなところをテキトーに歩き、コツ谷二俣中間尾根の取付にたどり着くことができました。
コツ谷二俣中間尾根はごく短い尾根です。短くて美しくてココロが開放されてあんなこんなのしがらみが雑木の梢を超えて揺曳して流される尾根でした。

おはようございます。先週に続いて奥多摩のトップガンMさんとヒゲのSさんに会いました。東日原行きのバスに乗り、ヨコスズ山東尾根を歩くとういうSさんは倉沢バス停で下車、Mさんはハンギョウ尾根から越境してアカヤシオを愛でに行くそう。小川谷林道を歩き、サルを見上げるMさんとモノレール駅で別れました。
紫幹翠葉。
林道終点広場に到着。ザックから軍手と杖を引っ張り出し準備完了。
広場の左手奥に進み、岩や砂が崩れてかぶさった擁壁の上を歩き、
すぐにロープの張られたザレた狭い足場の崩落地を渡ります。
道中。
対岸に道標の立つ崩落地を越えます。
終点広場から三又の間でいちばん形が残っている桟道を歩きます。
大きな崩落地です。急勾配の斜面をロープで谷に降り、対岸に登り返します。
小川谷が近くに見えてきました。
三又が見えてきました。正面奥から滝谷右から酉谷が合わさり小川谷になって左へ流れていきます。
下ってくる予定の上滝尾根の末端。凶相です。
酉谷と右から流れてくる悪谷との出合でちょっと休憩。
悪谷の上流を覗き込んで
酉谷をさかのぼります。
右岸や左岸、歩きやすそうな場所をテキトーにたどります。
喜右衛門小屋窪です。
対岸には薄い踏み跡さえ見つかりません。なんかヘン。
道どころか踏み跡もさっぱり見つからないので尾根を這い上がってきました。今回のルートでここがいちばんキツかったです。大木の根本で一息ついていると、
左手の斜面に道が見えました。喜右衛門坂に刻まれたくの字くの字の道です。思い出しました。喜右衛門小屋窪を少し上流に登ると喜右衛門坂を登る道の取付があったはずです。
今更しょうがありません。もう少し尾根を登って
喜右衛門坂の道をたどります。落ち葉が厚く積もっていて歩きづらく少々リスキーです。
登ってきて
小尾根を乗越します。また思い出しました。この尾根はかつて登った喜右衛門小屋窪左岸尾根です。期せず、前回登っていなかった下端部を登ったことになります。
しっかりしたトラバース道をたどります。不気味キノコを通過します。
喜右衛門小屋窪左岸尾根では酉谷がずいぶん下になったんですが、だんだん近づいてきて、
中沢の出合の少し手前で沢身を歩くようになりました。
中沢出合を過ぎるとすぐにコツ谷出合です。

酉谷とコツ谷の出合です。もうじゅうぶん、ひと仕事ふた仕事終えた気分です。帰ってもいいんじゃないかな、などと思ったりもします。
コツ谷には古い道標が立っています。
コツ谷遡上開始です。
右岸、左岸、テキトーに歩き、
小さな滝を高巻いたりもします。
しばらく右岸山腹の薄ーい踏み跡をたどったりもして、谷かが遠くなってちょっと心配、などと思っていると
踏み跡はまた谷に降り、
やがて大きな岩がゴロゴロしている広くて平らな谷になりました。岩の間を縫って遡上します。
でっかい倒木がつくったトンネルをくぐり、
いくつめかの小滝を左から高巻きます。二俣直前のログは左岸を歩いたように記録されていますが、ほぼ沢身をたどっています。谷が深くなるととたんにログは乱れてしまいます。スマホのせいかなあ。
正面奥に二俣分岐とコツ谷二俣中間尾根が見えてきました。
積み重なった枯れた小枝や蔓を乗り越えてコツ谷二俣中間尾根の手前までやってきました。
コツ谷二俣中間尾根を見上げます。

コツ谷二俣分岐とコツ谷二俣中間尾根
左俣。
右俣。あの白い流れでペットボトルに詰めてきた烏龍茶を割り、取付きます。
登ってきました。右俣、左俣の出合、コツ谷の下流を見下ろします。
登ります。とんでもない急登です。
どこから来てどこに行くのか謎の薄い踏み跡を横断します。
だんだんヤセてきた尾根を登ってきて
登り、
標高1330m(以降、「標高」は省略)あたりで急登が少し落ち着いたと思ったらすぐ先は
削れた尾根でした。
右俣を覗き込んで
左俣を覗き込んで
登ってきて
1360m圏で尾根はやや広がり勾配はゆるやかに。
右手は右俣が分岐した左俣です。水の流れはなく、荒々しい雰囲気です。
尾根はうねってきました。いちばん高いところをたどります。
登ってきて
急勾配の小ピークを登ります。
ピークを下り、ググググググッとせり上がっていく手前の1480mあたりです。長沢背稜はすぐそこですが、中途半端なここからトラバース(山腹水平移動)して上滝尾根の1480mの標高点をめざします。
コツ谷二俣中間尾根はこれにておしまいとします。ずっと奥に見えているポコリとしたピークは石楠花尾根石楠花尾根[石楠花尾根、ヨコスズ尾根、林道小川谷線]のてっぺん坊主山です。
カルシウムたっぷり(個人の意見)の烏龍茶のコツ谷右俣水割りを一口飲んでトラバース開始です。