奥多摩尾根歩き
コツ谷左岸尾根

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今回はコツ谷(骨谷)左岸尾根を登り、長沢背稜(ながさわはいりょう)を芋ノ木ドッケまで歩き、二軒小屋尾根(にけんごやおね)を下りました。1泊2日の尾根歩きです。
1日目は東日原バス停から林道小川谷線を歩き三又(みまた)へ。三又から酉谷(とりだに)を半分くらい遡り、左岸右岸(2020.12.3修正)から流れ込んでいるコツ谷の左岸尾根を長沢背稜の登山道まで登り、酉谷山避難小屋をゴールとしました。
以下、1日目の記録です。[二軒小屋尾根を歩いた2日目はこちら

コース
JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→(2時間15分)林道小川谷線・終点広場→(50分)三又→酉谷→(1時間20分)コツ谷出合→コツ谷左岸尾根→(2時間10分)長沢背稜→(10分)[GOAL]酉谷山避難小屋
歩いた日 2020年11月24日(火)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ~、そ~、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→(2時間15分)林道小川谷線・終点広場→(50分)三又→酉谷→(1時間20分)コツ谷出合→コツ谷左岸尾根


コツ谷左岸尾根は、距離は短いけれど岩場の激登を強いられるヤセ尾根から尾根相はガラリと変わって緩急の登りがうねる幅広の尾根に。

おはようございます。東日原バス停です。三連休の最終日です。川苔山に林道川乗線から登れるようになったけれど川乗橋と白妙橋のバス停は閉鎖されたまま。なので、川乗橋バス停から2つ手前の大沢バス停でドドドドッーという感じでたくさんのハイカーが降車しました。終点の東日原バス停で降りたのはわたくしを含めてソロハイカーが4人。グズグズしていたら誰もいなくなっていました。軍手、タオルを装着し、杖を持って出発です。
途中で先に出発したはずのハイカーとすれ違いました。稲村岩尾根(いなむらいわおね)を歩きたかったのでしょうか。昨年の台風の影響で稲村岩尾根はまだ通行禁止のようです。
小川谷橋(おがわだにばし)を渡り、右へ。
一石山神社の手水舎が新しくなっていました。
林道小川谷線(以後、小川谷林道)に進みます。
かろう橋を渡ります。
葉が落ちて小川谷がスッキリ見えます。
滝上谷橋(たきうえたにはし)を渡り、
こんな道を歩きます。
ウトウの頭?
小川谷で細かい測量が行われたらしく、赤い識別テープや頭を赤く縫った木杭がたくさん見えました。
酉谷山。酉谷山避難小屋が見えます。
小川谷林道の終点広場に到着。
南方が大きく開けています。大麦尾根(おおむぎおね)やハンギョウ尾根が見えています。いちばん奥は石尾根でしょうか。最近、ここで東京消防庁のヘリコプターが救助訓練をさかんに実施していたようです。対岸の小川谷上段歩道や下段歩道から何度か見かけました。
終点広場から登山道に進みます。
ウトウの頭からこちらに向かって四間小屋尾根(しけんごやおね)が迫ってきます。
岩や土砂が押し寄せている擁壁の上の縁を歩きます。
狭い道です。落ち葉が積もっていて道のありかがはっきりしません。ちょっと怖かったです。
大きな崩落地です。道は流されてただの谷というか大きな谷になっています。
Mさん設置のロープを掴んで谷に降り、
対岸の道の続きに向かってザレた斜面を登ります。
渡りました。
落ち葉で道がのっぺりになっています。
小川谷の流れが見えてきました。
三又に到着。右から酉谷、正面奥から滝谷(たきだに)、合流して左へ小川谷。
オシャレなクッキーをいただきます。リンゴが入っていました。紅茶がいいな、と思ったんですがメンドーなのでスポーツドリンクを飲みながら休憩です。
「さて」とちょっと気合いを入れて酉谷の上流に向かいます。
右から悪谷(わるだに? 割谷)が流れ込んでいます。正面は石楠花尾根(しゃくなげおね)です。
悪谷を渡ります。道はありません。歩きやすいところを探しながら岩に乗り倒木を越えていきます。
右岸の上の方に見覚えのある枯れた大木が見えます。赤テープも見えます。この先も赤テープがポツリポツリあります。
登ってきました。踏み跡があります。辿ります。
喜右衛門小屋窪(きえもんこやくぼ)を渡ります。
喜右衛門小屋窪左岸尾根(きえもんこやくぼさがんおね)の山腹をくの字くの字で登ります。ザレた急登です。
登ってきました。
喜右衛門小屋窪尾根を登ったときはここから薄ーい踏み跡で稜線を目指しましたが、
今回はそのまま進みます。
ウォータースライダーみたいです。滑りがいのある斜面です。
小川谷が近くなってきました。
巨岩地帯を通過します。
中沢(なかさわ)が流れ込んでいます。
中沢を渡りました。
すぐに酉谷とコツ谷の出合です。右からの酉谷に左奥から流れ込んでいるのが支流のコツ谷ですが、本流の酉谷に負けないくらいの水量があります。
見上げた正面の尾根が目指すコツ谷左岸尾根です。
コツ谷の右岸は以前に下ってきたコツ谷右岸尾根です。
出合には古い道標が立っていました。
コツ谷左岸尾根を見上げ、取り付く前に、
コツ谷で今日明日分の水を汲みました。2リットルの水入れと飲みかけのスポーツドリンクのペットボトルがいっぱいになるまで汲みました。水はこのほかザックにマホービンの白湯が500mlがあります。
重くなったザックを担ぎ、尾根に取り付きます。
「28|22」の林班界標が倒れています。
登ってきました。左からの酉谷に右からコツ谷が流れ込んでいます。
向き直り、左はコツ谷。
右は酉谷。
正面は大岩。ドンと立ちはだかっています。とても登れそうには見えませんがとにかく近寄ってみます。
前の写真の大木の向こう、倒木の手前まで登ってきました。右上に岩のすき間があります。
左には巻き道っぽい踏み跡が見えます。
右はビシッと切れ落ちています。巻き道は本当に巻いているのか不明だし、ヒトが歩いてできた道とは思えません。踏み外すとおそらく一巻の終わりです。岩の切れ目を選択します。
次の岩登りです。ここを登るの? と、躊躇の塊になっていたら、
右側に木の階段というか梯子というか、登れそうなルートがありました。
登ってきました。写真を見て思い出すだけで両脚の付け根がキュッとなります。キュッと。
次の岩です。ここはそれほど厄介ではなかったはず。
それにしてもこの尾根にはクマの糞が多いです。ごく新鮮なものは見ませんでしたが、所かまわずあちらこちらフンだらけです。クマクソ尾根と名付けてもクマは承認せざるを得ないでしょう。(2020.12.2に削除。勝手に侵入しておいてクマたちにこの言いぐさはありません。おじゃましました。)
またまたまた尾根に立ちはだかる大岩です。
この割れ目を登りました。岩の出っ張りを掴んだり手や肩や尻で突っ張ったり、割れ目に埋まっている土や飛び出した根を足がかりにして、
なんとか這い上がってきました。ここばかりは足がかり手がかりにできるのならクマの糞でも全然OKだと思ったのでした。
また岩です。正面からはとても無理なので右に回り込んでみました。
岩肌をよじ登ります。
「んっ」って思わず声を出した記憶があります。絶景です。
岩のピークに登ってきました。
岩の先端です。確か1260m圏です。
小川谷対岸の石楠花尾根です。あの1450m圏のピークには「仮称 石楠花山」と書かれた山名板がぶら下がっていました。ちょっと右に目を向けると
小川谷の下流方向です。幾筋もの尾根が落ち込んでいます。さらにちょっと右に目を向けると
小川谷右岸のコツ谷左岸尾根や喜右衛門小屋窪左岸尾根、四間小屋尾根、タワ尾根が見えて、いちばん奥は石尾根じゃないかなと思います。もっとちょっと右に目を向けると
右上はウトウの頭でしょうか。またさらにちょっと目を右に向けると
奥は長沢背稜でしょうか。右はコツ谷左岸尾根の続きです。
小川谷をもう一度眺めてスポーツドリンクを一口飲みます。コツ谷の水で薄くなったけれどカルシウムたっぷりのはずです。コツ谷だけに。。。この岩をコツ岩と名付けさせていただきます。
コツ岩を離れ、尾根歩きに戻ります。右下に巻き道のようなものが見えました。クマの糞がいくつも並んでいます。コツ岩に登らず、先に進めるのかもしれません。
クマの糞みたいな形をした根元を通過します。
巻き道は濃い藪道ですがここまで続いているようです。
木の根が激しくうねっています。立ちはだかる岩は見当たりません。