奥多摩尾根歩き
日向沢ノ峰東南尾根、赤杭尾根

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今回は日向沢ノ峰東南尾根(ひなたざわのうらとうなんおね)を登り、赤杭尾根(あかぐなおね)を下りました。
日向沢ノ峰東南尾根は長沢背稜(ながさわはいりょう)の日向沢ノ峰をてっぺんにして日向沢の右岸を南東に下って大丹波川(おおたばがわ)と日向沢の出合に落ち込んでいる大丹波川の左岸にある尾根です。テキトーな名付けです。日向沢右岸尾根にしてもよかったんですが、酉谷(とりだに)上流部の日向谷右岸尾根と紛らわしいので日向沢ノ峰東南尾根としました。
大丹波川の左岸尾根を闇雲に歩き回った『大丹波川左岸・名も無き尾根シリーズ』、略して『大左名無し尾根(おおさななしおね)』をまとめ、これで終わりだと思っていたんですが、しばらく経って「ファイナル・ステージ」として長尾丸山南尾根などを性懲りもなく歩き回りました。今回はトドメの1本です。ただ、このトドメの1本には大きな不安材料がありました。それはGoogleマップの航空写真に写った激しい土砂崩れです。ここをクリアできるかどうかにトドメの1本の成否がかかっています。
赤杭尾根は川苔山をてっぺんにして川井駅あたりの多摩川に落ち込んでいます。赤杭尾根は何度か歩いた尾根なので今回は下端部に探りを入れてみようと出かけたのでした。
コース [START]JR青梅線川井駅→都道→大丹波林道→(2時間)登山道分岐→林道終点→(1時間20分)日向沢ノ峰東南尾根取付→日向沢ノ峰東南尾根→(2時間20分)日向沢ノ峰(長沢背稜)→踊平→横ケ谷平→狼平→曲ケ谷北峰→赤杭尾根→曲ケ谷南峰→狼住所→(4時間10分)蟠竜院→古里中学校→(30分)[GOAL]JR青梅線古里駅
(10時間20分)
歩いた日 2022年3月6日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]JR青梅線川井駅→都道→大丹波林道→(2時間)登山道分岐→林道終点→(1時間20分)日向沢ノ峰東南尾根取付→日向沢ノ峰東南尾根→(2時間20分)日向沢ノ峰(長沢背稜)


日向沢ノ峰東南尾根は林道大丹波線(以降、大丹波林道)をえんえんえんえんと終点まで歩き、大丹波川と日向沢の出合からの取付きました。取付に苦労はなく、取付き放題だったんですが、とんでもない急登で始まりました。想定外の林道への合流やその大崩落に驚かされました。

おはようございます。川井駅を出て大丹波川右岸沿いの都道を歩きます。山側の馬頭観音を通過し、
真名井橋(まないばし)と正面の真名井北稜(2022年1月29日の記録はこちら)を通過し、
棒ノ折山(ぼうのおれやま 棒ノ嶺)を指す道標に下がっている通行禁止区間のポスターを見ながらなにやら話し込んでいるカップルを通過し、
朴橋(ほおのきはし)を渡ります。この橋を渡ると大丹波林道です。多分。「バイク・車両 侵入禁止」の看板がありました。
林道をてくてく歩きます。雲ひとつなく、日差しは暖かく、汗ばむくらいです。
突然、道標が現れます。
ヘリポートを通過します。
嫌というほどてくてく歩きます。
「獅子口・川苔山」への登山道を通過し、
20分後、次の「獅子口・川苔山」への登山道を通過します。
嫌というほどというのを忘れるほどてくてく歩くと、
林道を土砂がガッツリ覆っていました。
これはとんでもなくザレた崩落地の幅1m強の凹みをどうしても渡れずに引き返しているところです。自分の身体能力と凹みを横切るリスクを測りながら脳内シミュレーションしたんですが赤信号が点灯。ザレた崩落地を大きく高巻きました。途中で写真を撮る余裕のないかなりデンジャラスでキツい行程でした。
なんとか崩落地を越えるとすぐに大岩がでんと林道を塞いでいて、そのすぐ先で林道は終わっていました。
大岩の横に大丹波川へ下る道がありました。鉄塔の巡視路のようです。
すぐにモノレールと合流。
と思ったらすぐにモノレールから離れ、
と思ったらすぐにモノレールを横切り、
小さな沢を渡ります。
巡視路をたどっていくといきなり道標にぶつかりました。登山道との合流地点でした。
登山道を進むと流されたのかなんなのか、不思議な位置に架かった木橋に向かって大丹波川を渡り、
登山道兼巡視路、または巡視路兼登山道を歩きます。
左からの大丹波川と右からの日向沢の出合です。奥が目指す日向沢ノ峰東南尾根です。
日向沢に架かる木橋を渡ります。
日向沢ノ峰東南尾根をグッと見上げます。
見上げたのはいいけれどむち打ち症になりそうなキツい勾配です。
右手の日向沢なんかを見下ろしながら
登ってきて
ひたすら登ります。
這うように登ってきて
920m圏で勾配はゆるくなり、
黒い樹脂製の階段が現れて登りきると
新秩父線No.49鉄塔が立っていました。
鉄塔からの眺め。南方向。
北方向。長沢背稜です。左から山ナシ山、クロモ山、長尾丸山のはず。
とぐろを巻いたワイヤーを通過します。
左右から尾根を集めながらどんどん高度を上げていき、
1100m圏でとてもおだやかな尾根道なりました。
快適な尾根歩きが続きます。
ちょっとした急登から
驚きました。まずは林道(日向沢林道)にぶつかったこと。そして尾根の続きが激しく崩落していたこと。
日向沢林道の左(西)。地形図を見る限り、日向沢林道の実線は日向沢ノ峰東南尾根を横切らずにかなり手前で途切れています。まさか林道にぶつかるとは思いませんでした。
この激しい土砂崩れはGoogleマップの航空写真に写っていた土砂崩れの場所でしょうか。そうなのかな? そう? かな?  多分。
日向沢林道の右(北)。とにもかくにも尾根の続きを歩くために取付を見つけなくてはなりません。左よりもこちらの右に可能性がありそうです。
土砂の上に積もった雪を踏みながら取付を探ります。
ここは無理。
ん、ここは楽に尾根に上がれそうです。
支尾根に乗ります。左へ登り、
日向沢ノ峰東南尾根に復帰しました。
日向沢ノ峰東南尾根の下方。雪の積もった林道が見えます。
ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を一口飲んで日向沢ノ峰東南尾根の続きを登ります。グエーッ、写真に日付が入りました。ゴム手袋と軍手の二重手袋でカメラを操作すると事故が起きがちです。なにか対処法を考えないと。
崩落現場の縁に近づいてきました。
このずっと下に林道があります。
1220mあたり。崩落現場のてっぺんです。
景色はいいんですが、
ツンと突き出た岩の上なのでどうにも股間が落ち着きません。
あちらから登ってきました。ほうじ茶を飲んで出発します。
ヒヤッとした股間をさらに冷やす雪です。まっ、きょうは暖かいんで問題ありません。ヤンバルクイナみたいなトレース(足跡)がありましたが、残念ながらこれでは歩行の助けにはなりません。
そこそこの急登です。
登ってきて
1260mあたりです。尾根は左にクッと曲がります。ここでチェーンスパイクを履きました。
ヤセ尾根を歩き、
グィーンと急登です。
岩がちになったりもします。
ザグリザグリと登ってきて
あの先に青空が細切れに見えます。時刻も入ってしまいました。
登ってきて、ここでようやく日付に気付いて解除し、
日向沢ノ峰への登山道に合流しました。
あのてっぺんが日向沢ノ峰です。
日向沢ノ峰に到着。これにて初っ端の急登やら林道の大崩落やらに驚かされた日向沢ノ峰東南尾根はおしまいです。
日向沢ノ峰からの眺め。残念ながら霞か靄か霧か、遠くまで見通せません。東南から北へ(1)。
東南から北へ(2)。
東南から北へ(3)。
東南から北へ(4)。
東南から北へ(5)。次なるターゲットは赤杭尾根です。が、赤杭尾根までがかなりキツい道中なのでした。