今回はツバノ尾根を登り、日蔭名栗山南尾根(ひかげなぐりやまみなみおね)を下りました。どちらも『山と高原地図』や地形図に登山道の記載がないバリエーションルートです。
ツバノ尾根は石尾根(いしおね)上の日蔭名栗山(ひかげなぐりやま)と七ツ石山に挟まれた高丸山(たかまるやま)をてっぺんにして北東に伸び、日原川に荒々しく切れ落ちています。道迷いの危険は小さいけれど、林道日原線から日原川へのデンジャラスな下降、日原川からツバノ尾根に乗るまでの足場の悪い急登、どちらも「落ちたらイカンヤツ」です。ツバノ尾根そのものは歩いて気持ちの良い尾根ですが、わたくしの場合、前半の激闘が祟りに祟って途中からバテバテ。3分歩いて30秒休む、みたいなペースになり果て、高丸山に着いたときはほとんど放心状態でした。
ツバノ尾根は日原川への下降がそこそこ厳しいこと、日原川を丸太橋で渡らないといけないこと、その後の急登のことなんかを知り、去年あたりから尻込みをし続け、知らんぷり、見て見ぬふりをしていたんですが、このところそこそこハードな尾根歩きをしてきたのでこの際調子に乗ってしまおう、とツバノ尾根に乗ったわけです。
日蔭名栗山南尾根はかつて登ったことはありますが、下るのは初めて。急降下が連続するものの身の危険は感じません。できるだけはやく下山できるルートとしてこの尾根を選択しました。落ち葉の積もった急坂を滑るようにして、というか、実際激しく滑ったりしながら下ること1時間10分、加えて林道歩きが30分ほど。
峰谷橋バス停まで歩く覚悟でしたが、バスの発車時刻を勘違いしていて、峰谷バス停で17時前の最終バスに乗ることができました。
ツバノ尾根、日蔭名栗山南尾根
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■コース | JR青梅線奥多摩駅→(START)東日原バス停→日原林道→(1時間30分)日陰名栗沢下降点→(50分)日陰名栗沢出合→ (50分)ツバノ尾根上→(3時間10分)高丸山→(20分)日蔭名栗山直下→日蔭名栗山南尾根→(2時間)峰谷バス停→奥多摩駅 |
■歩いた日 | 2017年12月16日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■JR青梅線奥多摩駅→(START)東日原バス停→日原林道→日陰名栗沢下降点→日陰名栗沢出合→ ツバノ尾根
日原川への下降は恐ろしいです。ほとんど道幅がなかったりします。日原川からツバノ尾根までの急登は、ルート選びで危険度が大きく変わりそう。そこが面白い、というような方しか行かない方がいいと思います。わたくしには時期尚早だったような気がします。
おはようございます。奥多摩駅前でバスを待っています。駅舎の上空のその向こう、Z雲がこれからの死闘を暗示しているとは知る故もありませんでした。
乗客は20人ほど。3分の2が川乗橋で降車し、終点の東日原で降りたのは7、8人でした。
真正面に屹立した稲村岩です 。
小谷川橋(こたにがわばし)を渡って左へ。林道日原線に入ります。
氷川鉱山の入口を通過。
八丁橋(はっちょうばし)が見えてきました。
正面のゲート脇を進みます。右は天祖山(てんそさん)への登り口です。
つらら。
ヤケト尾根を登ったときはあの正面から日原川へ降りていきました。
ツバノ尾根はここから日原川へ降ります。ヤケト尾根への下降口から20分足らずでした。トラロープが張られていました。
いきなりこれはないでしょ! みたいな道。山肌と道の傾斜がほぼ同じです。
恐ろしいので途中から右上に這い上り、高巻きました。これは高巻いた道を振り返ったところ。ね、道じゃないですよね。
やがて踏み跡を見失い、こんなところをウロウロ。
ひょっとして降り口はここじゃないのかな? とか思っていたらレジ袋が枝に縛られていて、その下に立派な道が伸びていました。そういえば、高丸山の山頂までに見かけた唯一のマーク類がこのレジ袋でした。
立派な道はすぐに立派なじゃない道になります。デンジャラスです。ザレザレで落ち葉が薄く積もって、スベルでしょ、うふっ、みたいな道です。
急傾斜の山肌に急傾斜の道です。掴める木の根を探りながら慎重に進みます。
日原川と日陰名栗沢の出合いが見えてきました。
なんとか川まで降りてきました。最後は無いよりはマシ(失礼)みたいなロープがありました。
で、丸太橋の様子がなんだかヘンです。
こんなんじゃなかったはず。下調べで見た画像は、太い丸太が1本横たわっていて、そこに1、2本の木が引っかかっているだけでした。
これは丸太橋というよりは流木の小山です。
上流側から見るとこんな感じ。
対岸の様子は下調べと同じです。日原川を渡るのはここで間違いないようです。
丸太橋よりはこちらの方が恐くないな、などと思いながら流木ををよじ登ります。
渡り終えました。
今度はこの日陰名栗沢を渡ります。
日陰名栗沢を渡り終えました。足がかりはたくさんあるんですが、濡れてぬるっとした苔が生えていたり、氷が覆っていたりで日原川を渡るよりずっと大変でした。左上が日原川です。
さて、ここから急登です。
道などはないのでテキトーによじ登っていきます。
隣の写真から10分後。見下ろしてみました。滅茶苦茶な急坂です。坂というか、わたくし的には崖です。四つん這いで登るんですが、ボギッて折れたりボゴッて剥がれたりで木も岩もあまり当てになりません。掴める根っこを軍手で探り当てながらの崖登りです。
道中。
なんというか、劇坂の雰囲気がまったくない写真ですね。「大変だったんだから」と訴えるしかないですね。
やっと、林道の高さまで登ってきました。
これはちょっぴり劇坂ぶりが味わえる1枚かと。
なんだか凶相です。ここを乗り越えると、
やっとツバノ尾根の上に乗りました。980mあたりです。