オロセ尾根、タワ尾根、四間小屋尾根、ゴンパ尾根、ヨコスズ尾根
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■三又→ゴンパ尾根→長沢背稜→一杯水避難小屋→ヨコスズ尾根→[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
ゴンパ尾根は「よりによってなんでこんなしんどい尾根をあるくことになったんかな」と嘆かざるを得ない尾根でした。東日原に下ったヨコスズ尾根は2014年11月(21日〜)22日に歩いた記録のほうが詳しいのでここではスライドショーを掲載してキャプションを書く手間(メンドー)を省きます。
岩の上に座ったり、緑色がにじんだような空を見上げたり、たき火跡の炭をつま先で小突いたり、水の音を聞いたり、鳥の声に驚かせられたり。
そろそろ三又とお別れです。なくなった橋のあたりから滝谷を石伝いで渡ります。
そろそろ三又とお別れです。なくなった橋のあたりから滝谷を石伝いで渡ります。
これは酉谷に架かった橋。頑丈です。
橋を渡って目の前がゴンパ尾根の下端です。写真以上にただの崖です。こんな所からはとてもじゃないけれどわたくしは登れません。
振り返ると橋の向こうに道標が見えましたさっきは気付きませんでした。酉谷山への道を指示しています。
ですが、酉谷山への道は崩壊し、通行不可(かつてわたくしは酉谷山避難小屋から三又を目指し、ものの見事に失敗しています)ということです。確かに初っ端から道はあるようなないような不穏な雰囲気です。
ゴンパ尾根に取り付くために右に回り込みます。
グーッと回り込みます。
三又を見下ろします。[拡大]中央やや上で橋台が挟んでいるのが滝谷で、右から流れ込んでいるのが酉谷。合わさって左へ小川谷です。
慎重に先に進みます。
落ち葉で山道に偽装している朽ちかけた桟道をわたくしは見破りました。
決めました。ここからゴンパ尾根に取り付きます。右に見えるのは巨岩で、ゴンパ尾根は左から右上に向かっています。
激登。
激登でした。
まだ激登。
やっとこさ尾根に乗りました。
苦行は終わりません。よじ登ります。
ヤセ尾根です。
しかも露岩です。
こんなとんがった岩はもちろん全力で巻きます。
心地よさと苦悩が4:6でやってきます。
尾根は広がり、意味なく、なんとなく安堵感も広がります。前方の青空もこれまた意味なく「いいことありそう」な気分にさせてくれます。
もちろん、これといって「いいこと」はなく、次の急登が待ち構えているだけです。
またもや前方の青空に「いいことありそう」な気分にされそうになりますが、さすがにわたくしも学習します。
色あせた赤テープ。ゴンパ尾根でわたくしが見た唯一の人工物です。
タワ尾根が見えています。
プロトレックの表示は1354m。ここはおそらく地形図に記載されている1342mのピークです。
花を愛で、遠くの稜線を愛でながら休みます。相当バテました。
ヤマザクラも愛でます。
前方の青空はもうお腹いっぱいです。
黙々と登ります。
同じく黙々と登ります。
そして、こんな急坂を激登してきて、
ついにゴンパノ頭に到着です。おおよそ1600m。ここは七跳尾根との合流地点です。右手前からの道が七跳尾根から登ってきた道のはずです。
とたんに歩きやすい道になりました。
ほどなく、長沢背稜の登山道に合流。
こっちは酉谷山方向。
反対方向の一杯水避難小屋を目指します。日没前に東日原に着けるか、ちょっと心配になってきました。
桟道を通過します。
ハナド岩からの眺め。
ハナド岩からの眺め。
ハナド岩からの眺め。西方向。タワ尾根や四間小屋尾根が見えていると思うのはわたくしだけでしょうか。
ハナド岩からの眺め。東方向。ハンギョウ尾根やこれから下るヨコスズ尾根が見えていると思うのはわたくしだけでしょうか。
ちょっと焦ります。長沢背稜を飛ぶように駆け抜けます(気分は)。
ハンギョウ尾根の分岐を通過します。これは山側。切り替え画像は道の反対側。
天目山(三ツドッケ)への分岐。もちろん、巻き道を選択。
休憩を兼ねて道中の撮影。
一杯水避難小屋に到着しました。右の木立の向こうにテントが2つ張られていました。
どうやら暗くなる前に東日原に下りられそうなので、小屋下のベンチで水を飲んだり靴紐を締め直したりして、いざ出発というときに声をかけられました。
オジサン「こんにちは」
わたくし「こんにちは」
オ「この尾根(ヨコスズ尾根)は南面だからまだいいけど、尾根を回り込んでいるからすぐ暗くなるよ。サーチライト持ってんの?」
わ「はい(ヘッドランプだけど。あと今日の日没は18時30分過ぎだから悪くても薄暗いうちには東日原バス停に下りられるという算段はありました)」
オ「暗くなるからねー、暗くなるよー」
わ「ありがとうございます。(と、ここでふと思い出したちょっとした疑問を聞いてみることにしました)ヨコスズ尾根は下の方で分岐してますよね。どっちがいいんでしょうかね?」
オ「左だよ左。右は中日原だから」
わたくしの疑問は氷解。地図がグチャグチャしてるんでちゃんと見てなかったんだけど、
「どちらも東日原に下りると思ってました。あの分岐はそもそも下りる場所が違うんだ。ありがとうございます」
と言って立ち去りかけたら、欧米人らしき若い男性がいきなり登場して
「ヒガシニパラヒダリ、ミギナカニパラ?」
オ「ノー、ノー、ノー。ヒダリヒガシニッパラ。ん? イエース、イエース。ヒダリヒガシニッパラ」
欧「ヒガシニパラヒダリデス?」
どうやらわたくしマターではなくなったようなのでザックを担いで
「どうも」と言って目の前のヨコスズ尾根をそそくさと下り始めました。暗くなるから。
どうやら暗くなる前に東日原に下りられそうなので、小屋下のベンチで水を飲んだり靴紐を締め直したりして、いざ出発というときに声をかけられました。
オジサン「こんにちは」
わたくし「こんにちは」
オ「この尾根(ヨコスズ尾根)は南面だからまだいいけど、尾根を回り込んでいるからすぐ暗くなるよ。サーチライト持ってんの?」
わ「はい(ヘッドランプだけど。あと今日の日没は18時30分過ぎだから悪くても薄暗いうちには東日原バス停に下りられるという算段はありました)」
オ「暗くなるからねー、暗くなるよー」
わ「ありがとうございます。(と、ここでふと思い出したちょっとした疑問を聞いてみることにしました)ヨコスズ尾根は下の方で分岐してますよね。どっちがいいんでしょうかね?」
オ「左だよ左。右は中日原だから」
わたくしの疑問は氷解。地図がグチャグチャしてるんでちゃんと見てなかったんだけど、
「どちらも東日原に下りると思ってました。あの分岐はそもそも下りる場所が違うんだ。ありがとうございます」
と言って立ち去りかけたら、欧米人らしき若い男性がいきなり登場して
「ヒガシニパラヒダリ、ミギナカニパラ?」
オ「ノー、ノー、ノー。ヒダリヒガシニッパラ。ん? イエース、イエース。ヒダリヒガシニッパラ」
欧「ヒガシニパラヒダリデス?」
どうやらわたくしマターではなくなったようなのでザックを担いで
「どうも」と言って目の前のヨコスズ尾根をそそくさと下り始めました。暗くなるから。
ヨコスズ尾根を下ります[1]。
ヨコスズ尾根を下ります[2]。一杯水避難小屋のオジサン、ご忠告ありがとうございました。余力を使い切るつもりで歩いたので、無事にかなり明るいうちにバス停に到着することができました。小一時間、バスを待つ余裕もありました。
バス停近くの食堂で缶ビールを買いました。1本350円とややお高いのですが、観光地プライスだし、ちょっとしたおつまみ付きなのでそんなものなのでしょうか。一人反省会は開催されないまま、だんだん暗くなる谷間をただただ眺めるのでした。
待ち疲れた最終バスがやっと来ました。バスに向かって手を振った女性の気持ちもわからないではありません。いやー、疲れたけど楽しかったです。いやー、楽しかったけどほとほと疲れました。