奥多摩尾根歩き
シャクナン尾根

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今回はヨコスズ尾根を登り、シャクナン尾根を下りました。どちらの尾根もてっぺんは長沢背稜(ながさわはいりょう)の天目山(てんもくざん 三ツドッケ)です。ヨコスズ尾根は南西に下って下端は日原川(にっぱらがわ)の日原地区あたり。シャクナン尾根は北東に下り、細久保谷(ほそくぼだに)が二俣に分岐する地点に没しています。
以前に同じコースを歩いているんですが、天目山の山域は雪がかなり積もっていて(積雪期のヨコスズ尾根とシャクナン尾根)、慣れない雪への対処に精一杯で「尾根を歩いた実感」がいまひとつありませんでした。雪を見て尾根を見ず、状態だったわけです。その実感を得るべく、天目山で奥多摩から奥武蔵へ長沢背稜をまたぐ尾根歩きに出かけました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→ヨコスズ尾根(登山道)→一杯水避難小屋→(3時間)天目山(三ツドッケ)→シャクナン尾根→(1時間40分)尾根分断地点→(1時間20分)林道→県道→(1時間15分)[GOAL]浦山大日堂バス停→浦山ダムバス停→ダム見学→国道と秩父線の間の道→西武鉄道西武秩父駅
(7時間15分)
歩いた日 2022年7月3日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→ヨコスズ尾根(登山道)→一杯水避難小屋→(3時間)天目山(三ツドッケ)→シャクナン尾根→(1時間40分)尾根分断地点


ヨコスズ尾根→天目山(三ツドッケ)→シャクナン尾根下降点→天目山林道 ヨコスズ尾根の記録はさらりです。シャクナン尾根への下降点は「ココ」というポイントはなさそう。ヤブをテキトーに下るといきなりのヤセ尾根です。たどるとドカンと岩ゴツの急登が立ちふさがります。登りきるととんでもない急降下。以降、キビシい急登はありませんでしたがキツい急降下が連続します。

おはようございます。奥多摩駅からバスに揺られて東日原にやってきました。バス停の裏山からヨコスズ尾根の登山道に入ります。
「一杯水を至て天目山・酉谷山」の登山口へ。
前回はかなり尾根筋に忠実にヨコスズ尾根を登りましたが、今回は登山道を忠実にたどり、ヨコスズ尾根の写真もごく少なめにしてできるだけエネルギーの消耗を抑えます。だってだって蒸し暑いんですもの。採石場跡のフェンス沿いはこぶし大の石がゴロゴロしていたと思うんですが、ずいぶんすっきりしています。
ヨコスズ尾根に乗るならこの道標からが順当だと思いますが、今回は右の植林帯沿いの登山道をたどります。この植林帯沿いの道はめちゃくちゃ長いです。
滝入ノ峰(たきいりのみね)の山頂直下を通過し、同時に倉沢見通尾根(倉沢見通し尾根 くらさわみとおしおね)を乗越します。切り替え画像は倉沢見通尾根を見下ろした写真。
倉沢見通尾根を乗越すと雑木に囲まれます。
こんな道を歩き、
ヨコスズ山の山頂(1289m)直下を通過します。
一杯水避難小屋(いっぱいみずひなんごや)が見えてきました。小屋前のベンチでちょっと休憩し、
小屋裏に続く、ヨコスズ尾根を登ります。キツい登りです。
一杯水ノ頭と思われる岩ゴツのピークを越えます。三ツドッケ南峰と書かれた木杭が刺さっていました。
ガーッと下ったり、グーッと登ったり、かなり激しい尾根歩きで天目山の山頂に到着。三等三角点の標石がポコリと突き出ています。標高1576.01m(以降、「標高」は省略)、基準点名は日原。
長沢背稜の西方。
ちょと右(南)。
さらにちょっと右。
東方。きょうはこんな感じの景色です。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲みます。蒸し暑くて茶の消費が多いです。
北側のすぐそこにシャクナン尾根の最初のピークが見えています。
アセビにびっしり囲まれた長沢背稜の踏み跡を東へたどり、シャクナン尾根への下降点を探します。
三角点の標石から10数mのここから下り、長沢背稜をまたぎました。
踏み跡らしきものがヤブの中を右往左往しています。尾根がありそうな方向に強引に下ります。遠雷が聞こえてきます。
なんとなく尾根らしい形が見えてきました。
あちらから下ってくると
苔をはやした岩がゴツゴツ突き出たヤセ尾根です。前回は雪の積もっていたヤセ尾根の一歩一歩をなんとか滑らずに、ズッポリ踏み抜かないようにとあたふたするばかりでした。そして今回、雪化粧を落としたシャクナン尾根は素顔を見せてくれました。素顔の君は素敵! と言いたいところですが、そこそこデンジャラスなにおいが漂っています。
そして岩ゴツの見上げるようなと言うか、見上げないとてっぺんが見えない急登です。
登ってきて
1560m圏のピークに到着。足がかり手がかりはふんだんにあり、取付けば見た目ほどの勾配は感じません。ただ、切れ落ちた左右が目に入ればかなりびびってしまいます。てっぺんには三ツドッケ北峰と書かれた木杭が刺さっていました。
てっぺんを越えるととんでもない急降下です。こちら側はあまり岩はありません。
下ってきて
下ります。長い下りです。
下ってきて
やがて勾配はゆるくなり、
また急降下です。
ヤセ尾根にもたれかかったような大岩の横を歩いたり、
ゆるやかに登っていくと
1480m圏のピークです。
ピークを越えると1470m圏でダーンと尾根は広がり、
とらえどころのない地形になり、
北東に下ることを意識しながら時々スマホGPSの助けを借り、
大岩の右を下ろうとしたあたりでしとしと降っていた雨が土砂降りに。
大岩の下に回り込んで大岩の垂直な岩肌に背を着けるようにして雨宿り中です。傘か雨合羽兼防寒着か、迷いながらザックの底に手を突っ込むと最初に触れた雨合羽兼防寒着を引っ張り出しました。すでに体はびしょ濡れなんですが、とりあえず着込みフードを被りました。持っているのは上着だけです。ザックにもカバーをかけました。雨音をかき消す雷鳴も響き渡りますが幸い近づいてはきません。10数分、雨脚が弱くなるのを待っていたんですがそんな気配はありません。
大岩から背を離し、ザックをかつぎました。大きく進路を修正したりして
踏み跡らしきものがある尾根上に乗りました。
けれどもやはり尾根の形ははっきりせず、
1300mあたりのグニャーとした地形です。右の尾根に乗ります。フードの中に虫がどんどんどんどん入ってきます。雨宿りなのでしょうか。痛いような痒いようなチクチク感が襲います。(2日後談。口元に3か所、左首に2か所、かなり痒い虫刺され跡が残っています)雨に打たれるほうが数倍マシです。フードを脱ぎます。
尾根はギュッとヤセました。
ヤセ尾根歩きがしばらく続き、
林道(天目山林道)で分断された尾根の突端に出ました。前回は右側に下る踏み跡をたどったんですが、
今回は左側の斜面を下ってみました。だからどうした、ということではありますが、
林道に降りました。
右から左へ、尾根の続きを歩きます。1260mの標高点を越え、前回とは異なる尾根を歩きました。