奥多摩尾根歩き
長沢背稜の東

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今回はJR川井駅から大丹波川(おおたばがわ)をさかのぼり、日向沢ノ峰(ひなたさわのうら)から長沢背稜(ながさわはいりょう)を東へ棒ノ嶺(棒ノ折山)まで歩きました。下山は北か南か迷った末、南の奥茶屋キャンプ場(跡)に下り、来た道を川井駅までてくてくてくてく、てとくの字の数がわからなくなるくらい歩きました。
今年(2023年)は山菜の成長がとんでもなく早くて速い、という印象です。山菜を愛でるのに忙しく、尾根歩きのルートをあーでもないこーでもないと組み立てるココロの余裕がありません。そんなわけで血湧かないし肉躍らないたんたんとした内容ではあるんですが、久々の長沢背稜なので記録に残しておこうと思いました。
※ログのスタートを失念して途中からの記録になっています。

コース [START]JR青梅線川井駅→大丹波林道→大丹波川→獅子口小屋跡→(4時間30分)日向沢ノ峰→山ナシ山→クロモ山→長尾丸山→槇ノ尾山→(2時間50分)棒ノ嶺→奥茶屋キャンプ場跡→(2時間)[GOAL]JR青梅線川井駅
(9時間20分)
歩いた日 2023年4月16日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ~、そ~、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]JR青梅線川井駅→大丹波林道→大丹波川→獅子口小屋跡→(4時間30分)日向沢ノ峰


大丹波川の源流域をのんびり歩き、獅子口小屋跡からぐーっと日向沢ノ峰に登り詰めました。道中、新緑というには緑の勢いはいまひとつ。晩春という風情です。はっきり言えば中途半端な季節ではあります。もちろん、季節には中途半端などと貶されるいわれはなく、大丹波川の豊かな流れは川底の岩をゆったりと乗り越えて、気が向くと滝になって流れが流れにぶつかる水音は「ふふふ、舐めんじゃないよ。もうすぐ夏だからね」と九皐にこだまするのでした。
獅子口小屋跡を出発して完全に道を見失ってしまいました。以前に歩いたことがあるんで舐めてました。とんでもない急登を稜線まで這い上がるハメになってしまいました。

おはようございます。川井駅です。雲が低い位置を流れていきます。改札口を出て左へ。階段を下りて大正橋で大丹波川を渡ってすぐ右折。大丹波川沿いを上流に向かってひたすら歩きます。
真名井橋(まないばし)、真名井北稜を通過し、
大丹波川の流れを眺める雪だるまくんの後頭部を眺め、
清東橋(せいとうばし)バス停に到着です。歩くと大正橋近くのバス停からバスに乗った場合に比べ、20分から30分ほど時間がかかります。バス停には立派なトイレと待合室が隣接しています。
棒ノ嶺への登山口を通過します。奥茶屋キャンプ場(跡)です。長沢背稜の激下りを制し、ここに戻ってくるのはずいぶん後のことです。
道中。
大丹波ヘリポートを回り込むようにして通過します。
大丹波川の下流方向。右岸の真名井北稜、左岸の長沢背稜を峻別しています。
ここから大丹波川に下りられるんですがロープが張られ、道標に「通行止 木橋崩落のため 2023.1.20」と書かれたポスターがぶら下がっていました。きょうは水量も多そうなので素直に従います。林道を先に進みます。
20分ほど歩くと次の下降口です。立派な道標が立っていますが、道は細くて目立ちません。「んっ、ここ?」みたいな下降口です。
小さなくの字くの字で小尾根を縫うようにキツい勾配で下り、水の流れる音が大きくなってくると上流に向かってトラバース(山腹水平移動)気味に道は続きます。
倒木をくぐったりまたいだりして
木橋を渡り、
4連の桟道を歩きます。薄い苔が湿っていてめちゃくちゃ滑ります。
「1|-」の林班界標を通過します。
大丹波川源流域を愛でて
愛でて
愛でまくります。
モノレールを越えます。
右手の林道終点から下ってきた道と合流し、いきなりの急登です。
登ってきて
かなり傾いた道を歩きます。
流された橋が大岩にひっかかっています。
大丹波川に下る道と丸太沿いの道に分かれます。下る道を選んだんですが、かなりキツい勾配で、
川に降りるとこんな感じ。道なんかありゃしません。丸太沿いの道はこのあたりを高巻きしてこの先に下りているようです。
流された木橋が右岸側に乗り上げています。テキトーな場所で右岸に渡り、
てくてくと歩き、
右岸の道はなくなり、左岸に渡ります。ここにも橋はないのでテキトーに飛び石で渡渉。
渡ったところは大丹波川と日向沢の出合に架かる橋のたもとでした。足元が出合、正面奥が大丹波川の下流方向です。
日向沢ノ峰東南尾根を右手に見上げながら通過します。
40分ほど前に見た林班界標は「1|-」でした。そして「-|1」を通過します。「1」は飛び地みたいになっているんでしょうか。
ビシッと手入れされたワサビ田を通過します。
ワサビ田を過ぎ、水際を歩いていくと、堰堤の手前50、60mほどで右岸の山腹に登っていく踏み跡がありました。たどります。
「どうしても右の橋を歩きたい」そんな人がいるからこの世はちょっと面白い、のかも。
選択肢はありません。
人馬による工事でしょうか。精緻だけれどもガッチリした石組みが水の流れを制御しています。
獅子口小屋跡に到着。正面は目指す日向沢ノ峰、かな。ザックを下ろします。高知市の日曜市で買ったきし豆茶を煮出し、ペットボトルに詰めてきました。淡麗かつ芳醇。風土という液体が喉を通ります。
ザックをかつぎ、右奥のロープが張られた道へ。
大丹波川源流の水の流れが見えたのはここ(オドリ小屋沢というらしい)まで。
薄ーい踏み跡をたどります。そこそこの急登です。
踏み跡は薄くてあやふやでです。というかただの山腹じゃないでしょうか。左上に登り、道を探します。おかしいです。以前はそこそこすんなり歩けたのに。
急登にあえいでいると踏み跡?? みたいな踏み跡にぶつかりました。写真で見るとまったくわかりません。
雨裂みたいな溝を渡ります。
まるで記憶にない風景です。ただ、あの上に見えている稜線は日向沢ノ峰につながっているはずです。
登ります。ザレた急登です。ハイカーの熊鈴が遠くから聞こえてきます。
体力をズルズルと削りながら登ってきて
稜線までもう少しです。
登ってきて
ようやく稜線の登山道に出ました。
手前に燧石山(ひうちいしやま)、奥に日向沢ノ峰が見えているんだと思うんですが、あんなところまで登るんでしょうか。見えないほうがよかったです。
踊平(おどりだいら)に到着。「新しい学校のリーダーズ」なら踊れそうだけど「AKB48」は無理っぽい平地です。そんなことはともかく、獅子口小屋跡からちゃんと登ってこられればここに出るんですがどこでどー間違ったのでしょう。
急登が始まり、
てっぺんから振り返った景色です。あのピークは川苔山ですよね。
燧石山を通過します。アップダウンが何度か続きます。
日向沢ノ峰のてっぺんが見えてきました。
日向沢ノ峰の山頂に到着。標高1356m(以降「標高」は省略)の標高点です。
山頂からの景色。南方向です。
ちょっと西。
さらに西。
ほぼ北。きし豆茶を飲みながら休憩します。コンビニで焼き鮭のおにぎりを2個買ってきたんですが、まったく食欲はありません。
久々の長沢背稜を歩きます。