奥多摩尾根歩き
猪畑尾根、刈寄山北東尾根

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今回は市道山北西尾根を登り、峰見通り猪畑尾根を歩き、入山峠を経て刈寄山へ。刈寄山から刈寄林道に向かって刈寄山北東尾根を下りました。「戸倉三山(臼杵山、市道山、刈寄山)をへんなルートで登ってみようシリーズ」も今回の市道山でいよいよ最終回です。
峰見通り猪畑尾根は昭文社の『山と高原地図 奥多摩』なんかにも掲載されているそこそこ周知された名前だと思うんですが、市道山北西尾根刈寄山北東尾根はテキトーな名付けです。  
長めの記事になるので前編「市道山北西尾根峰見通りと後編「猪畑尾根刈寄山北東尾根」に分けました。このページは後編の「猪畑尾根刈寄山北東尾根」です。前後編に分けたのは、スマホユーザーが閲覧するのに時間がかかるページが多い、とGoogleからの指摘があったせいでもあります。
「戸倉三山をへんなルートで登ってみようシリーズ」の最終回、後編のはじまりはじまりです。
※チガ沢の名前は『奥多摩』(宮内敏雄 昭和刊行会 昭和19 国立国会図書館デジタルコレクション)の119ページの地図「戸倉三山附近その一」によります。市道山と臼杵山を結ぶ両背の反対画にも同じ名前の沢(千ヶ沢)があります。
※「標高」は省略しています。
コース JR五日市線武蔵五日市駅→[START]笹平バス停→小坂志林道→(15分)市道山登山口→(20分)市道山北西尾根取付→市道山北西尾根→(1時間55分)市道山→峰見通り→栗ノ木沢ノ頭→弾左衛門ノ峰→トッキリ場→猪畑尾根→(2時間10分)入山峠→(15分)刈寄山→刈寄山北東尾根→(40分)林道刈寄線→寄り道→(1時間)沢戸橋→檜原街道→いなげや→(40分)[GOAL]JR五日市線武蔵五日市駅
(7時間15分)
歩いた日 2025年3月15日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

栗ノ木沢ノ頭→弾左衛門ノ峰→トッキリ場→猪畑尾根→(2時間10分)入山峠→(15分)刈寄山


猪畑尾根は広大な伐採地の縁を登り降りしながらシュッと立ったスカイツリーも望める、そうとうダイナミックな尾根歩きができる尾根でした。

710m圏のピークです。11個め。南の醍醐川に向かって526mの標高点が設定されている尾根が下っています。気になります。
11個めからの急降下です。
また階段つきの急登です。
640m圏のピークです。峰見通りは左にくっと曲がります。ここも南の醍醐味川に向かって尾根が下っています。気になります。
新多摩線82号を通過すると
すぐに669mの標高点が設定されている13個めのピーク、弾左衛門ノ峰です。これにて峰見通りはおしまいです。
弾左衛門ノ峰から入山峠を経て刈寄山(猪畑ノ峰)までが猪畑尾根です。
弾左衛門ノ峰から下ってきて約5分、道標でちょっと迷います。猪畑尾根を忠実に歩くなら「刈寄山・今熊山」方面ですが、以前に舟子尾根峰見通り吊尾根を歩いたときはトッキリ場(鳥切場)をまったく意識せずに素通りした記憶があります。「鳥切場を経て刈寄山 森久保・関場バス停」方面へ歩き、トッキリ場に立ち寄ることにしました。
3分ほどでトッキリ場? に到着。ここ? みたいな場所です。これまでの道標にはビシッと「鳥切場」の文字があったのにここには誰の手によるものか道標に「鳥切場」とマジックで書かれていて、「ここが鳥切場」の木札がくくりつけられているだけです。
『多摩の地名語源考』(鈴木樹造 寿々松 1980 国立国会図書館デジタルコレクション)という書籍の98ページに「鳥切場は当て字であるが、五日市町史には「突っ切り場の訛ったもの」とある。山を突っ切って道が通っているからだとするのだが、それならば、殆どの峠が、突切り場であるはず、類例があるのであろうか。トリキリバは「獲りきり場」であろう。熊や猪を追いつめて、最後に撃ちとる場所である」と書かれています。猪畑尾根のイノシシの獲りきり場、すっきり納得できる考察だと思います。ここで勇猛果敢な古人と凶猛なイノシシの死闘が繰りひろげられたに違いありません。
すぐ先のピークに登ってみましたがなにもなし。トッキリ場を見下ろす絶好の場所ではあります。狩のリーダーがここからトッキリ場を睨んでいたのかもしれません。
トッキリ場から小尾根を回り込んで猪畑尾根に立ちました。伐採地がばばばーーんと広がっています。
眼下で作業が行われていました。左下はおそらくハーベスタという重機です。伐倒、枝払い、玉切りを1台でこなすできるヤツです。木をつかみ、するするするときれいさっぱり枝を払い、決まった長さに切断、あれよあれよいう間に丸太ができあがっていきます。見入ってしまいました。
急降下の途中で道標を通過します。
道中。
曇天ながら都心が見えます。
ちょっと望遠。肉眼では東京スカイツリーがはっきり見えました。
伐採地をはなれ、
新多摩線83号をくぐります。
道中。頭上で送電線が声をからしたスズメのように鳴っています。
新多摩線84号横の鉄塔を通過します。600m圏のピークです。
次のピークから
下っていくと入山峠です。
盆堀林道を横断して猪畑尾根のつづきへ。ゲートの先は盆堀間伐作業道です。
ここも伐採地の縁を歩きます。
振り返って。
もう一度、振り返って登っていくと階段の急登です。
階段を登り詰めると刈寄山の
山頂に到着です。これにて猪畑尾根はおしまいです。きょうはカリヨセタヌキはいないようです。
うーむ、微妙な眺望です。
ザックを降ろしてちょっと休憩。次は刈寄山北東尾根を下ります。