奥多摩尾根歩き
市道山北西尾根、峰見通り

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今回は市道山北西尾根を登り、峰見通り猪畑尾根を歩き、入山峠を経て刈寄山へ。刈寄山から刈寄林道に向かって刈寄山北東尾根を下りました。「戸倉三山(臼杵山、市道山、刈寄山)をへんなルートで登ってみようシリーズ」も今回の市道山でいよいよ最終回です。峰見通り猪畑尾根は昭文社の『山と高原地図 奥多摩』なんかにも掲載されているそこそこ周知された名前だと思うんですが、市道山北西尾根刈寄山北東尾根はテキトーな名付けです。
市道山北西尾根は市道山をてっぺんにして北西に下って小坂志川とチガ沢という沢の出合に没している尾根です(って、わたくしが勝手に言っているだけですが)。チガ沢の出合からちゃんと取付けるのかが出発前のいちばんの懸案事項でした。
峰見通り猪畑尾根はかつて歩いていますが忘れました。地形図を見ると細かいアップダウンが連続するようです。体力を消耗しそうなので市道山でお腹になにか入れる腹づもりです。。。
前回、山頂でカリヨセタヌキに会ったばかりですが今回も刈寄山に立ち寄り、刈寄山から北東に刈寄林道まで下るごく短い刈寄山北東尾根を下山路に予定しました。
長めの記事になるので前編「市道山北西尾根峰見通り」と後編「猪畑尾根刈寄山北東尾根」に分けています。このページは前編の「市道山北西尾根峰見通り」す。切り分けるのは、スマホユーザーが閲覧するのに時間がかかるページが多い、とGoogleからの指摘があったせいでもあります。
「戸倉三山をへんなルートで登ってみようシリーズ」の最終回、はじまりはじまりです。
※チガ沢の名前は『奥多摩』(宮内敏雄 昭和刊行会 昭和19 国立国会図書館デジタルコレクション)の119ページの地図「戸倉三山附近その一」によります。市道山と臼杵山を結ぶ両背の反対画にも同じ名前の沢(千ヶ沢)があります。
※「標高」は省略しています。
コース JR五日市線武蔵五日市駅→[START]笹平バス停→小坂志林道→(15分)市道山登山口→(20分)市道山北西尾根取付→市道山北西尾根→(1時間55分)市道山→峰見通り→栗ノ木沢ノ頭→弾左衛門ノ峰→猪畑尾根→トッキリ場→(2時間10分)入山峠→(15分)刈寄山→刈寄山北東尾根→(40分)林道刈寄線→寄り道→(1時間)沢戸橋→檜原街道→いなげや→(40分)[GOAL]JR五日市線武蔵五日市駅
(7時間15分)
歩いた日 2025年3月15日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR五日市線武蔵五日市駅→[START]笹平バス停→小坂志林道→(15分)市道山登山口→(20分)市道山北西尾根取付→市道山北西尾根(標高点696m)


市道山北西尾根はすんなりと取付けました。けれどもすぐにとんでもない崖登りです。浮石だらけのキツい勾配にかなりシンドい思いをしました。崖登りが終わるとアセビに囲まれたヤセ尾根がつづきます。

おはようございます。武蔵五日市駅前から数馬行きのバスに乗って笹平(ささだいら)バス停で降りました。
待合所の裏の下っていく道をたどります。角に「市道山・臼杵山」の道標が立っています。このあたりに314mの標高点が設定されているんですがとくになにがあるわけでもありません。
南秋川に架かる笹平橋を渡ります。
上流方向。
小坂志(こざかし)川の対岸に威風堂々とした廃墟(違っていたらごめんなさい)を眺めながら歩いていくと
小坂志林道の起点です。
対岸のカナバ(金場)沢を過ぎ、
名前のわからない沢に架かる小坂志橋を渡ります。貧相(失礼)な橋ですがちゃんと名前があります。
「市道山・臼杵山」への登山口を過ぎます。小坂志川を渡りヨメトリ坂を登っていきます。
「市道山・臼杵山」への登山口からすぐ、めざす市道山北西尾根の下端が見えてきました。小坂志川に下っていく踏み跡があります。
小坂志川に降りました。林道のもうちょっと先からしっかりした道が降りてきていました。今更わかってもどうしようもありませんが。
右から左へ流れる小坂志川と正面奥から流れてくるチガ沢の出合です。チガ沢の左岸が市道山北西尾根。下端はなだらかに出合に消えています。ザックの杖と着ている防寒着圏雨合羽を入れ替え、市道山北西尾根に取付きます。倒木の右に回り込みます。
登ってきました。
勾配は
そーとーかなりキツくなってきました。杖は使いようがありません。ザックと背中に間に差して両手でルーツファインディング(登攀を支持する木の根を探ること)しながら這い上がります。かなり大きな石でも山肌からかんたんに剥がれるので怖いったらありゃしません。
アセビの強度は信頼度大です。つかみながら登ってきて
330m圏の川原から400mあたりでようやく杖を使えるようになりました。
同時にいきなりヤセ尾根に。
えぐれたりもしています。
平坦なヤセ尾根をアセビに軽く鞭打たれながら歩きます。
510mあたりで尾根は幅をやや広げました。
臼杵山を眺めながらちょっと休憩。
朽ちた大きな切り株を通過します。
左から登ってきている尾根はすごい勾配ですがこちらも負けてはいません。
岩ゴツ尾根になりました。
ひーこらと登ってきて
600mあたりで左から登ってきた尾根と合流すると尾根はおだやかになり、
アセビに囲まれて
枝葉を右に左にいなしていると
たらーんとした地形に出ました。歩き放題です。
テキトーに登っていくと古色蒼然とした赤い布が下がっていました。
696mの標高点あたりです。とくになにもございません。と思っていたら「独標 696m」と書かれた木札が下がっていました。
ここから左にぐーっと大きくカーブしながら市道山に登っていきます。