奥多摩尾根歩き
茅谷尾根、岩岳尾根

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今回はテントを担いで2泊3日の山歩きです。
1日目は茅谷尾根(かやたにおね)、岩岳尾根(いわだけおね)を登り、飛龍山(ひりゅうさん)へ。2日目は飛龍山から大常木山(おおつねぎやま)、竜喰山(りゅうばみやま)、将監峠(しょうげんとうげ)、山ノ神土(やまのかんど)、唐松尾山(からまつおやま)、黒槐山(くろえんじゅやま)、笠取山(かさとりやま)まで北上し、将監小屋に戻ってテント泊。3日目は将監小屋から将監峠、山ノ神土、東仙波(ひがしせんば)、和名倉山(白石山 わなくらやま)から秩父湖へと下る計画で出発しました。
けれども計画はグズグズに崩れ去り、なんとか格好がついたのは3日目だけでした。
初日の茅谷尾根と岩岳尾根は初っ端で道を間違えてしまい、ほぼ垂直の崖を谷まで降りて登り返す羽目になりました。すっかり体力と時間を削られて山腹でビバーク。シカに威嚇され、テントの周りを小動物に歩き回られる夜を過ごしたのでした。
茅谷尾根は山梨県丹波山村の丹波川と小常木川の出合から北西にせり上がり、岩岳がてっぺん。岩岳尾根は岩岳から飛龍山まで。と思うんですが、どうもはっきりしません。両者の名前は『山と高原地図25 雲取山・両神山 奥秩父 2013』(昭文社)によっています。

コース JR青梅線奥多摩駅→[START]丹波バス停→大菩薩ライン(青梅街道)→(40分)余慶橋→巡視道(大常木林道?)→道迷い→(2時間50分)茅谷尾根→1144m標高点→1366m標高点→(2時間20分)岩岳→岩岳尾根→(1時間)ビバーク地→(2時間30分)前飛竜→(1時間10分)飛龍山(大洞山)
(6時間30分)
歩いた日 2021年10月3-4日(日-月)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]丹波バス停→大菩薩ライン(青梅街道)→(40分)余慶橋→巡視道(大常木林道?)→道迷い→(2時間50分)茅谷尾根


いきなりのちょっとデンジャラスな道間違い。復帰するも巡視道(大常木林道?)をはずれて細い作業道をたどったりたどらなかったり、最後は子尾根の直登でなんとかクリア。茅谷尾根に乗るまでもなかなかキツい行程でした。

おはようございます。奥多摩駅から約1時間、丹波バス停に到着です。木造の渋い待合所や周りの一角が更地になっていました。どんな停留所になるのでしょう。楽しみです。トイレは道路反対側(こちら側)にありました。
余慶橋(よけいはし)に向かって青梅街道(大菩薩ライン)を歩きます。右の坂道はサヲウラ峠への登山口に続きます。登らずに直進し、
鹿ラーメンを通過し、
丹波川沿いの丹波中学校や集落を左に見ながらてくてくと歩き、
個性豊かなキノコ屋ゾーンに入ります。道路の両側に働かなくなった車たちが並んでいます。以前は1台のスピーカーから大音量のラジオが流されていましたが、この日は3台のスピーカーからそれぞれ異なる局のラジオがそこそこの大音量で大菩薩ラインを活気づけていました。
キノコ屋ゾーンの一角にある熊倉尾根(くまくらおね)の取付を通過します。キノコ屋の主人に会いました。マイタケやイワタケや名前のわからないキノコが店先に並べられていました。「ぜーんぶ天然もの」と主人。写真を撮っていいか尋ねると「写真はダメダメ」ってキノコに向かって手を振っていました。
主人に手を振られてすぐに余慶橋に着きました。
橋の右付け根を登ります。
栗山尾根(くりやまおね)を登ったときにはなかったモノレールの基地が建っていました。タオルを首にかけ、軍手を装着し、杖を引き伸ばして準備完了。モノレールの左側に薄い道があったんですがなにやら自信なさげな踏み跡です。
基地の奥に続くはっきりした道(以下、巡視道あるいは道と表記します)を登ることにしました。
登ってきました。
モノレールに沿って巡視道は続きます。
モノレールはグーッと登っていきます。こんな重いザックを担いであれはキツイ、と思っていたら
道は登らずにモノレールから離れてトラバース(山腹水平歩き)します。よかったです(ちっともよくなかったんですが)。
子尾根の出っ張りに祠が建っていました。
子尾根を回り込むと目前に岩壁がバーン。
狭い道はすぐに消え、ほぼ垂直の崖にロープが垂れ下がっているじゃないですか。「おっかしいな、こんなとこあったっけ」などと思いながらも、
ロープをつかんでなんとか下ってきました。
ガレ場を下っていくと正面奥からの流れと右の岩盤の向こうからの流れがぶつかっています。
正面奥の谷は両岸まで満々と水をたたえていて進むのは不可能。写真は岩盤の向こうの深い谷を覗き込んだところ。ここを遡上するのでしょうか。なんかヘン、というかかなりヘン。ちょっとだけ進んでみたんですが足の置き場はないし水量は多いし、無理。早々に撤退。
引き返します。ガレ場を登り返し、右の崖を登り返します。
ここ。先程は右から手前へ歩いてきたんですが、モノレールをまたぐ道がありました。登るのが嫌で無意識に見なかったのかもしれません。見て見ぬ振りの強力なやつです。
登ってきました。この谷の左岸のずっと下にロープが下がっていました。あのロープは釣りや沢登りのためのルートなのでしょうか。
あの先の尾根は栗山尾根です。ずーっと谷を高巻きしてきたモノレール沿いの道の最高地点でもあります。760mあたりです。
栗山尾根です。乗り越します。
乗り越すとどんどん下ります。
小常木谷(こつねぎたに?)と火打石谷(ひうちいしだに?)の出合?
通行止めではないけれど「やむを得ず通行する際は自己責任でお願いします」というポスターがぶら下がっていました。
水に流されない措置でしょうか、出合部分のモノレールははずされていました。
出合を過ぎてすぐ、モノレール沿いのしっかりした道を登りかけたんですがモノレールの左に沢沿いを進む道もあります。
進みたいのは沢沿いの道でした。危ないところでした。先程は登らずに失敗、ここは登らずに正解。
木橋をいくつか渡ります。
巡視道は沢をはずれて登り始めました。
小屋がありました。道は右にのびていますが、小屋の左に登っていく薄い踏み跡があります。できるだけ早く茅谷尾根に乗るには絶好のルートです。
登ってきました。
シカが2、3度くらい歩いたような踏み跡をテキトーにたどりながら斜上します。
ヒーヒーと歩いてきたんですが、なんとすぐ下に離れたはずの巡視道が見えました。トホホ。
意気消沈。素直に巡視道を登り、810m圏の子尾根に立つ「34|35」の林班界標を通過します。
昭和47年に2万1735本のヒノキを植えたことを告げる看板を通過し、
子尾根を乗り越す地点で尾根を登る作業道と思われる踏み跡に遭遇。
ここぞとばかりに巡視道を離れて尾根を登ります。
子尾根を乗り越していく道をたどります。
右から登ってきた道(巡視道ではないと思うんですが不明)と合流したりもします。
昭和49年に2万2140本のヒノキを植えたことを告げる看板を通過し、
作業道なりに登っていきます。子尾根を乗り越すかと思えば尾根手前で折り返して少しずつ高度を上げていきます。
登ってきて
見上げると茅谷尾根の稜線がはっきりと見えました。
970mあたりのこの子尾根から茅谷尾根に取り付くことに決定。
急登でした。
もう少し。
やっと茅耽美尾根に乗りました。標高は1100mあたりです。