奥多摩尾根歩き
日原橋から謎の道をたどってタル沢右岸尾根を乗越して山ノ神尾根を小菅まで

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今回はちゃんとした尾根歩きはしていません。以前にタル沢右岸尾根[撤退編 完登編へのアプローチ途中で見つけた謎の道をたどってみようという目論見で東日原に向かいました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原橋→謎の道→(1時間50分)タル沢→タル沢越え→タル沢右岸尾根支尾根→(1時間40分)タル沢右岸支尾根からトラバース開始→タル沢右岸尾根を越え→(1時間20分)山ノ神尾根(小菅山)→小菅集落(伽羅神社)→(1時間30分)[GOAL]大沢バス停→JR青梅線奥多摩駅
(7時間55分)
歩いた日 2024年5月18日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原橋→謎の道→(1時間50分)タル沢→タル沢越え→タル沢右岸尾根支尾根→(1時間40分)タル沢右岸支尾根からトラバース開始


タル沢まではとっても順調でした。ややはっきりしないところもありましたが、作業道なのかかつての生活道なのか両方なのか、謎の道はずーっと途切れることなく続きました。そしてタル沢を眼下にして愕然としました。

おはようございます。東日原バス停です。バス停の目の前、ガードレールの向こうの階段で日原川に降りていきます。
集落を縫う坂道を下ります。
階段です。
工事用の掲示がすっかりなくなった広場を過ぎ、
日原川左岸沿いのちょっぴり危うい桟道を歩き、
日原川に架かる日原橋を渡ります。水量は、こんなものでしょうか。よくわかりません。
右岸の道を歩いて3、4分ほどの
タル沢尾根カラ沢尾根への登り口から植林の中へ踏み入ります。
しばらくトラバース(山腹水平移動)気味にゆるく登っていきますが、この岩からそこそこの傾斜のくの字くの字で高度を稼ぎます。と言いたいところですがなかなか稼げません。久々の山歩きで思いのほか脚力が落ちています。
枝打ちされた枝葉に覆われていますが道がわからないほどではなく、
登ってきて
タル沢尾根が見えてきました。ここで道は左右に分岐します。右の立木の根本に刺さった杭には「カラ沢入口」と書かれたテープが巻かれています。右はタル沢尾根カラ沢尾根へ。
そして左が今回の目的の謎の道です。小尾根に向かってのびています。
点線が謎の道、のはずです。というか、点線を謎の道と想定して物見遊山気分(いつも物見遊山ではあるんですが)でのんびり「至小菅大沢」を確かめてみようというのが今回の山行です。
上の地図は『日原を繞る山と谷 (山旅叢書)』(真鍋健一 朋文堂 昭和17 89ページ)からの引用です。地図の大橋は現在の日原橋、地図の日原橋は消失、だと思うんですがどうなんでしょう。
子尾根を越えるとすぐにモノレールにぶつかります。
道はモノレール沿いに続きます。
モノレールから離れ、大岩で右へちょと登るんですが
すぐに水平道になって朽ちた桟道を歩き、
標高680m(以降「標高」は省略)あたりで水平道(左の木の手前)と登る道に分岐。いずれ合流する雰囲気まんまんなので水平道を選択。
いまココ。
モノレールをまたぎます。「400m」の看板が落ちていました。
快適な道が続きます。
タル沢右岸尾根を登るためにこのあたりからタル沢に下っていきました。通過します。
道はやや不明瞭になったんですが、あの子尾根を越えると
道は復活。
しっかりした道の形が続きます。
「路肩注意」みたいな鉄杭が谷側に並んでいます。頭の輪にロープが通っているんですが大きく傾いていたりずり落ちていたりなんとも頼りなさげで「路肩注意」の効果は十分です。
いまココ。
めちゃくちゃのっぺりした場所もあります。
前回(2024.2.13)、撤退した涸れ沢に到着。
前回のようす。
沢の左岸沿いに道らしきものが登っています。おそらくタル沢尾根に乗るのでしょう。
いまココ。
涸れ沢の対岸に幾筋かの踏み跡が見え、いちばん濃いものをチョイス。たどります。
のっぺりです。超のっぺりです。うーむ、謎の道というか道でもなくなってしまいました。
水の流れる大きな音を聞きながらたどる道もなく、テキトーにトラバースを続けます。
4つか5つか6つかの小尾根や小谷を越え、
朽ちかけたワイヤーがくねくねしている小尾根を乗越すとタル沢のはずです。
ぐげっ。あれはなんなんでしょう。
巨大なドラム缶みたいな円柱の構造物がタル沢にいくつも並んでいます。ザレた急斜面をじんわりじんわりタル沢に向かって下っていきます。
銘板には「平成15年度 樽沢関連緊急治山工事 谷止工(鋼矢板円形セルダム) 東京都 佐久間建設株式会社施工」とあります。凸凹状の鋼製の板(鋼矢板)を円形に丸め、中に土砂を詰めてダムの構造物にしているらしい。
それにしてもこんな巨大構造物を見るとは思いもしませんでした。確かに、地理院地図(電子国土Web)を最大に拡大するとタル沢を横切る実線(ダム記号)が見えますが、帰宅して地図を拡大してみるまでまったく気づきませんでした。タル沢は大きな音をたてて巨大ドラム缶から流れ落ちています。わざわざ下流側に降りる理由がないので上流側をめざして下っていきます。
あちらから巨大ドラム缶の上に降りてきました。
タル沢を渡ります。
タル沢の上流。
下流。
対岸には古そうな石積がありました。道か!? と思ったんですが、残念ながら擁壁でした。右に登るか左に下るか、ちょっと悩みます。
登り方向。薄い踏み跡がすぐに左に向かってキツい傾斜で登っています。
下り方向。踏み跡が続いています。下ることにします。
ダム下に大きな滝がかかっていました。
右手の岩壁に沿って踏み跡が続いています。
が、左にぐーっと曲がって尾根の先端で踏み跡は消失。その先は沢に降りて尾根を回り込めば踏み跡は復活するのか、そんなデンジャラスでしんどそうな賭けはイヤです。引き返します。
ダムまで戻ってきました。
踏み跡をたどり、急斜面を登ります。
踏み跡は見失ったのか雲散霧消したのか、とにかくなくなりました。テキトーに何も考えずにトラバースを続け、また踏み跡を見つけたりもして
小尾根に立ちました。タル沢右岸尾根の支尾根です。とんでもない急登です。急に見上げるとかなりの確率で首を痛めます。
踏み跡は尾根を乗越して続いています。キッツい登りは避けたいので踏み跡をたどることにします。
けれども岩崖を回り込むと道はなし。
ダム上の滝が見えました。タル沢は滝だらけです。タル→垂水(たるみ)=滝。なのでしょうか。
しかたがありません。引き返してタル沢右岸尾根の支尾根を登ります。登ってきて
登るんですが、あの先でさらに傾斜に拍車がかかります。
730mあたりで右手のすごい凶相の岩稜をながめながら登り、
とんでもない勾配を這うように登ります。万万が一、ここが謎の道で生活道だったらわたくし生活やめます。
急登はそのまま、頭上に尾根をふさぐ岩崖が現れました。
写真に収まりません。780m圏です。正面突破は無理。左右どちらか迷って右へ。
回り込めそう。進みます。
頭上の岩の上の岩崖。
崩落で歩けなくなりました。
左の岩に取付きます。岩の隙間に入り、
ここを登ったんですが、抱えるような大きな石でも浮いていてかなり怖い思いをしました。
ここは階段状に重なった岩を登ります。
登ってきました。
左に回り込めばここに登ってきたようです。こちらのほうが楽ちんだったような気がしてなりません。
岩のてっぺんに立ちました。回り込み始めて15分ほどですが、しんどい岩登りでした。
岩登りは終わり、急登はゆるみ、
950mあたりで尾根を横切る道らしきものにぶつかりました。
タル沢右岸尾根、その向こうの山ノ神尾根に向かって踏み跡はのびています。薄ーい踏み跡があるようなないような反対側の撮影を忘れました。うーむ、、、。謎の道なのでしょうか。わかりません。まっ、いいです。尾根を離れ、踏み跡をたどることにしました。