奥多摩尾根歩き
雨乞山南西尾根、高修寺東尾根、雨乞山南東尾根

(1/2 雨乞山南西尾根)


今回は雨乞山南西尾根を登り、雨乞山南東尾根を下りました。どちらの尾根もてっぺんは赤指尾根(あかざすおね)の雨乞山です。雨乞山南西尾根は雨乞山から南西に下って下方で東にくっと曲がって奥多摩湖に没しています。雨乞山南東尾根赤指尾根の下端部分です。
雨乞山南西尾根を登ったあと、ハチコク峠という峠を経由して廃寺になっているらしい青雲山高修寺という寺を訪ね、高修寺東尾根赤指尾根の標高970m圏(以降「標高」は省略)まで登るというオプションをはさみました。
3回つづけての赤指尾根がらみの尾根歩きです。実は2回めの「ヘイゾウ沢左俣右岸尾根ヘイゾウ沢左俣右俣中間尾根」のときに今回分をふくめて歩く予定でしたが体力、気力ともに無理も無理、大無理の無理ちゃんであきらめた経緯があります。
当初の予定を完遂すべく奥多摩湖の懐深く出かけたのでした。あっ、名前はすべてテキトーです。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]中奥多摩湖バス停→青梅街道→(ほんのすぐ)雨乞山南西尾根取付→雨乞山南西尾根→(1時間35分)雨乞山→ハチコク峠→大きな廃屋→(40分)高修寺→高修寺東尾根→(50分)赤指尾根の970m圏→雨乞山南東尾根下降点→雨乞山南東尾根(赤指尾根下端部)→(1時間5分)[GOAL]峰谷橋バス停→JR青梅線奥多摩駅
(4時間10分)
歩いた日 2024年8月12日(月)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]中奥多摩湖バス停→青梅街道→(ほんのすぐ)雨乞山南西尾根取付→雨乞山南西尾根→(1時間35分)雨乞山→ハチコク峠→大きな廃屋→(40分)高修寺


雨乞山南西尾根の取付はやや無謀でした。Googleストリートビューで探したんですが、石段を上ったあとしばらくは青梅街道への傾斜がめちゃくちゃキツく、落石はもちろん落葉も許されないシビアな状況でした。
本尾根は打って変わって平穏な尾根歩きがつづきました。とはいってもヤセ尾根があったりヤセた岩稜があったり、キッツい急登がどやどやと割り込んできたり、前回の「後始末」的なココロ持ちでの尾根歩きだったんですがとんでもない思い違いでした。

おはようございます。奥多摩駅前から小菅の湯行きのバスに乗り、中奥多摩湖バス停で降りました。広い駐車場の端っこにあるトイレ(写真の左奥)前で首にタオルじゃなくて今回はてぬぐい、両手に軍手、片手に縮めたままの杖で準備完了。
バスを追いかけるようにバス停を出発してほんの1分ほどで取付に到着。Googleストリートビューで見つけた擁壁に切り取られた石段です。杖を伸ばします。
草ボーボーの石段を青梅街道に落ちないように上るとキッツい傾斜です。ズリズルと滑ります。石を落とさないように這い上がります。葉っぱを落とすのもデンジャラス。フロントガラスにペタって貼り付いたりしたらそれはもう大変です。
石や土砂の落下を防ぐフェンス切れ目を登ります。
這い上がってくると
右から登ってきたしっかりした道にぶつかり、目の前に3宇の祠が建っていました。石積の雰囲気から湖底に沈んだ集落から運び上げられたんじゃないでしょうか。
石祠やのっぺりになってしまった碑も湖底の集落を見守っています。
道はめざす雨乞山南西尾根のほうにのびていますがフェンスで塞がれています。扉は右下の角が地面に埋まっていて開きそうにありません。扉は網戸。夏仕様です。
フェンスに沿って登ってきました。かなりの急登ですがくの字くの字の獣道が刻まれていました。
また雨乞山南西尾根に向かう道にぶつかりました。こちらの網戸は倒れています。通らせていただきます。
視線を感じて先を見ると子どもカモシカが小首をかしげてじっとこちらを見ていました。へんなトラウマを与えないように静かにゆっくり近づいていきます。ちっとも逃げません。ちさな声で「通りますよー」と声をかけても逃げません。4、5mほどの距離になってようやく
ズダダダダーと急斜面を下っていったんですが、すぐに立ち止まりました。小首をかしげてこちらを見上げています。
子どもカモシカと別れて雨乞山南西尾根に立ちました。尾根の部分だけに鉄パイプの柵がありました。柵を越えて下っていくと擁壁を覆う落石防護網に絡め取られてしまいます。
雨乞山南西尾根を登ります。とても歩きやすい尾根道でちょっと拍子抜けです。
うーむ、荒ぶれた尾根道を想定していたんですがとっても快適です。
獣たちに掘り起こされて雑につくられた塹壕みたいになった場所を通過します。
左はヒノキの植林、右は雑木だったんですが、670m圏で左右雑木の尾根になりました。
平穏な尾根がつづいていたんですが、
バッキバキのバッキバキの大量の倒木に覆われました。
左に寄ってやり過ごそうとしたら尾根は切れ落ちているというか抉れています。アセビの枝をつかみながら慎重に歩きます。
バッキバキのバッキバキを通過しました。
ヤセ尾根になりました。
左右が植林になって尾根幅はちょっと広がり、
740m圏でヤセた岩稜のはじまりです。左に巻道らしきものがのびていますがのっぺり斜面のトラバース(山腹水平移動)になりそうな雰囲気プンプンです。嫌です。直登します。
岩稜っぽい尾根はつづきます。
770m圏で岩稜は終わり、平穏な尾根に戻りました。
左手にかつて歩いた尾平山南西尾根が見えます。
などと油断していたら急登です。
登ってきて
尾根はシューッと実直そうにのびています。
急登、踊り場。急登、踊り場。何セットめかの急登のはじまりです。
次のセットの急登は長そう。
登ってきて
平坦な尾根になって
小さいけれど鋭いピークをぐーっと登りつめると
雨乞山の山頂でした。赤指尾根の981mの標高点です。
これにて雨乞山南西尾根はおしまいです。ザックを降ろして休憩します。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲みながらぶらぶら歩きます。明るい山頂ですが展望はほぼありません。
ザックを背負って赤指尾根を北へ、高修寺をめざします。平坦な尾根です。
てくてくと歩きます。
てくてくてくてくと歩きます。
高修寺東尾根を登ってくるとこの図根点あたりに出てくるはずです。
雨乞山から10分ほどでハチコク峠という峠に到着です。ここから高修寺に下ります。
炭焼き窯跡です。峠に炭焼き窯跡をたまに見かけますが、いまでいうと交差点のガソリンスタンドみたいなものでしょうか。なんか違うな。
西面の谷の左右にしっかりした道がのびています。
地形図の破線(徒歩道)は左に下っていく道に違いありません。
こちらは赤指尾根を乗越した反対側の峠道です。下り地区へ向かっているようです。
高修寺に向かいます。
右下に建物が見えてきました。テキトーに斜面を下っていきます。
2階建ての大きな廃屋が建っていました。寺ではなさそう。
離れのトイレ。
立派な屋敷です。屋内の壁にはW3(ワンダースリー)や初代と思われる仮面ライダーなんかのなんとも懐かしいシールがペタペタと貼られていました。
プライバシーに踏み込むのはよくありません。いまさらですが。廃屋を後にします。
道に戻らずそのまま下っていきます。高修寺はすぐ下のはずです。
川のような
一升瓶の流れに沿って下り、
日当たりのいい畑跡を突っ切っていくと
青い屋根の大きな建物が見えてきました。高修寺でしょう。大きな寺です。
緑青の浮いた軒下の梵鐘。
青雲山高修寺。縁起はわかりません。
高修寺のほぼ全景。本堂に隣接して使えないトイレがあったんですが洋式でした、ちょっとびっくり。