奥多摩尾根歩き
ヘイゾウ沢左俣右岸尾根、ヘイゾウ沢左俣右俣中間尾根

(1/2 ヘイゾウ沢左俣右岸尾根)


今回はヘイゾウ沢左俣右岸尾根を登り、ヘイゾウ沢左俣右俣中間尾根を下りました。いずれもテキトーな名付けです。
ヘイゾウ沢左俣右岸尾根は赤指尾根のウエンタワからほぼ南に下り、下端は小袖川(こそでがわ)とヘイゾウ沢の出合にガツンと落ちこんでいます。
ヘイゾウ沢左俣右俣中間尾根赤指尾根(あかざすおね)の1100m圏をてっぺんにして南西へ下り、ヘイゾウ沢の左俣と右俣の分岐に没しています。分岐のすぐ下流に堰堤が2つ並んでいて堰堤から150mほど下ると小袖川です。 アプローチは鴨沢橋(かもざわはし)の山梨県側から村道(七ッ石山、雲取山登山道口)をちょと登り、小袖川に降りました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]留浦バス停→青梅街道→鴨沢橋(小袖川)→(15分)小袖川右岸の村道下降点→(20分)ヘイゾウ沢左俣右岸尾根取付(小袖川)→ヘイゾウ沢左俣右岸尾根→(4時間10分)ウエンタワ(赤指尾根)→(30分)赤指尾根1100m圏→ヘイゾウ沢左俣右俣中間尾根→(1時間30分)左俣右俣出合→小袖川左岸中腹道→(40分)鴨沢橋→(5分)[GOAL]留浦バス停→JR青梅線奥多摩駅
(7時間)
歩いた日 2024年7月28日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]留浦バス停→青梅街道→鴨沢橋(小袖川)→(15分)小袖川右岸の村道下降点→(20分)ヘイゾウ沢左俣右岸尾根取付(小袖川)→ヘイゾウ沢左俣右岸尾根→(4時間10分)ウエンタワ(赤指尾根)


村道から小袖川への下降は土砂崩れで思ったより難儀でした。ヘイゾウ沢左俣右岸尾根の取付にはヘイゾウ沢が勢いよく流れ込んでいて短い崖を登ると次は小さくて丸く突き出たピークへ這い上がり分岐あたりの地形はなんとも不思議な空間に「ふむー」なんて思っていると山の神が建っていたりしてそのままキッツい勾配の尾根歩きがてっぺんのウエンタワまでえんえんとつづきました。

おはようございます。奥多摩駅前から小菅の湯行きバスにのって留浦(とずら)バス停で降りました。バス停を出発して「あっ、そーだ」とフェンスの隙間から浮橋を撮影。なんとか留浦の雰囲気をゲット。かぁ?
JR立川駅で久しぶりに奥多摩のトップガンMさんとダンディSさんと会いました。あーだこーだと話しながら奥多摩駅へ。Sさんは東日原行きのバスに乗り、Mさんは同じバスで留浦の先の山梨県へ。
留浦バス停から4、5分で鴨沢橋です。前回は橋のたもとから右へ、小袖川左岸の踏み跡をたどって水際からウエンタワ南西尾根に取付きました。
今回は鴨沢橋を渡って右の坂道へ。
すぐ右に切り替えして「七ツ石山・雲取山 登山口」へ。小袖地区や村営駐車場に通じている道です。
2つめのカーブミラーの
ガードレールの切れめから小袖川に降りていくんですが、その前にザックから杖と軍手、タオルを引っ張り出して正装に。
踏み跡はあるようなないような。キツい傾斜です。
ヘイゾウ沢出合に向かって下流方向にトラバース(山腹水平移動)します。路肩なんてありません。のっぺり斜面です。
小尾根を越すとそこそこ大きな土砂崩れで進めなくなりました。方向転換。
斜めに下ってきて
ようやく小袖川に降りました。
平将門の妻、芙蓉が袖を洗ったことから小袖川の名前がついたいう説があるようです。先週、ウエンタワ南西尾根の取付で顔を洗ってしまったんですが、、、関係ないか。
ヒキガエルが2週連続の訪問を歓迎してくれます。
『丹波山村誌』(丹波山村 1981)によると丹波山村では8月初旬に小袖川や後山川でカワノリを採って20cm四方の川海苔に仕上げていたらしい。うどんやそばの汁に入れて食べたそう。むまそう。ヒキガエルと関係ない話ですが。
歩きやすいところ選びながら下流に進みます。
堰堤が見えてきました。
堰堤の手前がヘイゾウ沢出合です。ヘイゾウ沢は小さな滝が連続しています。左の尾根がめざすヘイゾウ沢左俣右岸尾根です。
ヘイゾウ沢左俣右岸尾根に取付きます。
ちょっとした崖登りではじまります。
手がかり足がかりはじゅうぶんですが杖を背中とザックの間に挟んでの這い上がりです。
登ってきて
ヘイゾウ沢に堰堤がちらりと見えます。
ヤセて灌木だらけの尾根の急登で
地形図の小さくてまーるいピークに立ちました。藪ボーボーで古そうな赤い樹脂製の杭が刺さっています。このあたりはヘンな地形なので興味津々だったんですがピークは地形図通りの小さくてまーるいピークでした。はい、それだけでした。標高600m圏(以降「標高」は省略)のピークです。
小さくてまーるいピークからぐーっと下ります。
右下からしっかりした道が登ってきて鞍部で合流しました。こんな道は取付の周辺にはありませんでした。謎です。これまで謎は謎のまま、ということが多かったんですが、今回はヘイゾウ沢右俣左俣中間尾根を下ってきたときに珍しくすっきりと解決しました。
鞍部からの急登がはじまってすぐ、石積の上に祠が建っていました。山の神です(扉を開くと大山祇神のお札が納められていました)。ミニサイズの石灯籠も備えた立派な祠です。この山域の要所なのでしょうか。
予想に反して尾根を巻く立派な作業道がありました。もちろん、尾根上へ。
620m圏で作業道は尾根をはなれてどこかへ行くようです。
スギに囲まれた急登から
アセビの急登になって
枝葉と押し合いへし合いしながら登ってきて
抜けた、と思ったらまたあの先からはじまって
760m圏で完全にアセビはおしまいになりました。はじまりの記録を取ってなかったんですが体感では標高差で50mくらい。時間は20分弱。長かった。
あのてっぺんで左右から登ってくる尾根と合流するんですが、その直前の860m圏で
作業道が尾根を横断しました。
890m圏でも作業道を横断。
とんでもない急登がはじまりました。950m圏です。
右手の木立の向こうにあとで下るヘイゾウ沢左俣右俣中間尾根が見えています。
尾根を縫う巻道をたどったりたどらなかったりたどったりたどったりしながら歩きます。ほうれい線を汗が伝い、一歩一滴だったり、一歩二滴だったり、汗が落ちます。そーとーシンドい尾根歩きになっています。
こんなちょっと雰囲気が変わる尾根になると気がまぎれます。
登ってきて
1070m圏で左から登ってきた尾根と合流。とくになにも起こらず。
東京都水道局の赤帽白杭と本州製紙の柱石を通過します。1090m圏です。
すぐにまたすっかりした作業道を横断します。ウエンタワ南西尾根の1020m圏で作業道を越えたんですが、あの道がここまで来て、あちらにつづいているのでしょうか。謎です。これは謎は謎のまま、です。
前方に空が広がってきました。
緑色の空薬莢3つを通過します。「ここで3発撃ったのかな」などと思ってすぐ忘れて登っていくと
林道(峰線作業道)に出ました。正面は取付けません。左に回り込んでみるとちょっと先に取付ける斜面があり、
登ってきて
ヘイゾウ沢左俣右岸尾根の稜線を見上げ、
尾根に復帰しました。
尾根のてっぺんをめざします。
赤指尾根に乗り、左へ
このあたりがウエンタワ(1228mの標高点)です。これにてヘイゾウ沢左俣右岸尾根はおしまいです。あー、シンドかった。
次はヘイゾウ沢左俣右俣中間尾根を下ります。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶をひとくちふたくち、つづけてごくごくと飲んで出発します。

小袖川とヘイゾウ沢出合から崖、山の神を経て急登がつづくヘイゾウ沢左俣右岸尾根をダイジェストで紹介。小袖川左岸中腹道から眺めたヘイゾウ沢左俣右岸尾根もちょっとだけ。