奥多摩尾根歩き
ヨウヘイギ沢左岸尾根、ヨウヘイギ沢右岸尾根

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ヨウヘイギの頭→ヨウヘイギ沢右岸尾根→(1時間40分)ヨウヘイギ沢出合→大丹波川沿いの道→(30分)大丹波林道→(1時間50分)[GOAL]JR青梅線川井駅


ヨウヘイギ沢右岸尾根の上半分は曲ヶ谷沢左岸尾根と重なっています。最上部は左岸尾根とも重なっています。左岸尾根と似たようなものだよね、などと右岸尾根をなめていました。急勾配はそっくりだったんですが、登ると下るは大違い。ザレてキツい急降下はいつ転げ落ちてもおかしくありません。必死に立木に掴まりながらの降下です。おかしいわけがありません。
大丹波川右岸の歩道への着地はかなり危なっかしい思いをしました。着地点に想定していた尾根末端は、落ちたら走馬灯が超高速回転するに違いない岩稜の出現で撤退。植林のなかに活路を見出そうとするも獣道だよりの綱渡りでした。

もう少しヨウヘイギの頭でぶらぶらします。川苔山。
長沢背稜と遠くの山並み(わかりません)。
足元から曲ヶ谷北峰のてっぺんへ登っていく急坂。
杖と軍手を拾いあげ、ヨウヘイギ沢右岸尾根(上部は曲ヶ谷沢左岸尾根かつヨウヘイギ沢左岸尾根)を下ります。
先ほど歩いたヤセ尾根を引き返します。
左手にヨウヘイギ沢左岸尾根を見ながら合流点を通過し、
快適な尾根道を下っていきます。
やっぱり快適です。
1170m圏。最初の分岐です。左へ進みたいんですが道が右方向についています。おそらく合流するはず、と左の尾根を下っていくと
すぐに右から道がやってきました。ふふふ。
両側が雑木になったと思ったら
右に植林が復活。そこそこの勾配はありますがビシッとした道がつづきます。
1120m圏の分岐です。大きな分岐ではないので気にせず直進すればいいんですが、右手下に急降下の後おだやかそうな尾根がのびているのが見えます。気になります。
ザッズザッズと下ってきて
1091m標高点あたりの分岐です。直進は曲ヶ谷沢左岸尾根。左の尾根がめざすヨウヘイギ沢右岸尾根です。需要なポイントです。
今さらですが、曲ヶ谷沢左岸尾根には標石が埋設されていましたが、ヨウヘイギ沢左岸尾根ではいっさい見なくなりました。下ります。
下ってきました。が、
曲ヶ谷沢左岸尾根をほんのもう少し下ったあちらからのほうがきわめてスマートな下降でした。
まっ、そんなことはともかく、下りはじめてすぐ尾根はなくなりました。小尾根の突端です。
右手のあちらが本筋です。トラバース(山腹水平移動)します。
ヨウヘイギ沢右岸尾根に立ちました。めちゃくちゃな急降下です。
登ってきたヨウヘイギ沢左岸尾根がこちらの右岸尾根の陰になっています。
下ってきて
下ります。ザレザレの急勾配にたまらずチェーンスパイクを履きました。
980m圏の微妙な分岐です。わざわざ写真を撮ることもないかもしれませんが、気づいたんでしかたがありません。左の尾根を下るとこの尾根以上の急降下です。あちらの尾根でなくてよかった。
すぐにまた分岐。直進か右か。右の尾根はなだらかに下っていきます。右に下りたいのは山々なんですが、そうもいきません。まっすぐ下ります。960m圏です。
容赦のない勾配を下ってきて
900mあたりの分岐です。
右手下におだやかそうな尾根が見えます。右に下りたい(以下同文)。
あの先でふつりと尾根が見えなくなっています。
切れ
落ちています。進めません。と思ったら
右手にこれまで以上にとんでもない勾配の尾根が下っていました。しようがありません。下ります。
下った先は見事にとんがった岩稜でした。進むのは無謀、なんて生ぬるいです。命懸け、命知らずです。引き返すしかございません。
登り返して植林の中に逃げ込み。活路を見出します。
ついでですが、ごく薄いながら踏み跡がありました。たどります。
めざすはヨウヘイギ沢出合です。左手下を見ながら「隙あらば下ってやろう」と思いながら
踏み跡をたどるんですが隙が見つかりません。
踏み跡はつづき、次の尾根を越えていきます。踏み跡をはなれ、ここから大丹波川に下ることにしました。まずはあの小尾根をめざして決死の降下です。
下ってきて
下ります。
800m圏でそこそこしっかりした踏み跡にぶつかりましたが、いまはかまう余裕がありません。下ります。
下ってきて
岩の突端に立ちました。これ以上は進めません。
岩稜で行き詰まった尾根との間の谷地形を下ります。
道が見えるような見えないような。
ガジャラズジャラと下ってきて
大丹波川右岸の道に立ちました。キビシい着地でした。これにてヨウヘイギ沢右岸尾根はおしまいです。
ヨウヘイギ沢の動画を撮るために上流に向かいます。写真上端に撤退した岩稜があります。
大丹波川に降りてきたルートで林道に上がろうかとも思ったんですが、せっかくだから大丹波川沿いの道を歩いくことにしました。
たわんでいる木橋は渡らず谷に降りてやりすごし、なんとか渡れそうな木橋はなんとか渡り、
大丹波川の水面がずいぶん下にあることに驚いたり、
「1|-」の林班界標を通過し、
逃げ場のない桟道で杖がスルッと滑って冷や汗をかいたりして
まだ大丹波川沿いの道はつづくんですが、左岸のこの道標から林道に上がることにしました。
さようなら大丹波川、
久しぶり大丹波林道。
川井駅をめざしててくてくてくてく歩きます。原島商店で缶ビールを買い、またてくてくてく歩きます。
おはようございます、なわけはなく、川井駅です。臨時列車かと思ったらホリデー快速が通過していき、多摩川対岸のテントを数えたり沼沢尾根の登り口に実った柚子を眺めたりあちらこちらの家の雨戸を閉める音を聞いていると定時の電車がやってきました。
ヨウヘイギ沢左岸尾根ヨウヘイギ沢右岸尾根は急勾配に痛めつけられましたが初冬らしいシャキッとした緊張感のある尾根歩きができました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。また、よろしくお願いします。