奥多摩尾根歩き
矢岳北尾根、篠戸山北尾根

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矢岳(1357.9m)→篠戸山(1040m)→(1時間10分)篠戸山北尾根下降点→篠戸山北尾根→(1時間40分)道路→事上沢→(25分)[GOAL]秩父鉄道武州中川駅


篠戸山北尾根は急降下が断続的にやってきます。「えっ、あの先は崖?」と思うような先の見えない急降下が何か所かあり、持ってきていたチェーンスパイクを履こうかどうしようか、何度も迷いました。
イメージのできなかった中間部の地形は現場に立つと「あー、そーか」という感じ。「エッ、びっくり仰天」という地形ではありませんでした。わたくしの読図力の限界が見えただけの話です。
篠戸山北尾根もほとんど展望はありませんが、雑木に囲まれた尾根道が多く、明るい雰囲気でした。唯一、バーンと展望が開けるのは終盤の鉄塔です。この鉄塔あたりから尾根の雰囲気はガラリと変わり、道はしっかりとして植林内をくの字くの字でぐんぐん下っていきます。
下端の道路への着地は「へっ」って声が出るほどあっけないものでした。

矢岳から篠戸山までにとんでもない急降下が
何度もあります。
1144mの標高点あたりを通過します。なにもありません。強いて言えば、紅葉がきれい、かな。
1020mあたりから伐採地を囲む防獣ネット沿いに歩くようになります。
伐採地からの眺め。左にでっかい武甲山、中央に小持山、その右に大持山が見えます。ススキの穂に触れて秩父さくら湖も小さく見えています。小持山から左へ高ワラビ尾根が下り、大持山から右手前へ大持山西尾根が下っています
カメラをちょっと右へ。右から左へ下って鉄塔を乗せている中央の尾根は栗山尾根です。下端は秩父さくら湖にズボッと没しています。
カメラをちょっと右へ。うーむ、どこが見えているのでしょう。
伐採地のてっぺんが篠戸山の山頂(1040mの標高点)です。
篠戸山北尾根の下降点はもう少し先です。ダーッと下って
登り返した1000m圏の小ピークから篠戸山北尾根を下ります。
振り返るととんがった矢岳から歩いてきた矢岳尾根が見えました。
アセビのすき間から下ります。鳥獣保護区の赤い看板が篠戸山北尾根側を向いています。
下ってきて
下ります。あの先で尾根は見えなくなっています。
見えなかった先で岩をガクッと下るとこんな尾根になりました。
とんがり岩はすぐに終わり、幅広になった尾根を下ってきて
下ります。かなりの急降下です。
下ってきて
870m圏の分岐です。左のうす暗い尾根を下ります。
急降下は
やみません。
やむ
気配はなく、
ますます調子に乗っている感があります。
樹間の向こうに登った矢岳北尾根がぼんやりと見えていました。
ガーッと下ります。左の切れ落ちた谷から水の流れる音が聞こえてきます。このあたりの地形がどうなっているのかイメージできなかったんですが来てみれば納得。いま立っている篠戸山北尾根は左右を高い尾根に挟まれたヤセ尾根で、鞍部に左右の尾根の支尾根が下ってきている、そんなエリアでした。ちょっと何言っているのかわかりません。
下っていくと水の流れが見えました。意外とすぐそこを流れていてびっくり。
道すがら。
巨木の根元に2宇の祠が崩れていました。570m圏です。このあたりの尾根はヤセているうえに巨木が立ちふさがっているので左下に巻道が続いています。
巻き終えて振り返ってみました。歩けなくはなさそうですが左側はビシッと切れ落ちています。巻道が吉、と出ました。
祠を過ぎるとこんなおだやかな尾根道になりました。
右下に尾根を巻くようにしっかりした道がのびています。
尾根上には通せん坊らしき木が置かれています。かまわずに進みます。
ちょい藪からの急降下であっけなく巻道と合流。
おだやかな尾根道が続きます。スキップもできます。
ここは尾根の左右に巻道があります。尾根上へ。
またあっけなく左右の巻道と合流し、巻道は右へ下っていきます。
尾根上へ。
鉄塔にぶつかりました。
両神山が見え、
どこかが見えました。ちょっと休憩します。ザックを降ろし、ずり落ちたズボンを上げ、ファミリーマートで買った「香り華やか 台湾烏龍茶」を飲みました。そう言えばきょうはほとんど水分をとっていません。そばつゆのせい? んなわけないか。鉄塔の下をぶらぶらしてザックを担いで出発します。
574mの標高点あたりを通過します。とくになにもない、ということはなく、細い立木のとても細くて短い枝に赤テープがくるりと巻かれていました。
激しく下ります。
510m圏です。右の尾根に移ります。ちょっとわかりづらい地形です。
峠のような鞍部です。
鞍部の左側はギュンと落ち込んでいます。かつては道があったのでしょうか。
右側はちゃんとした道の形があります。どこに行くのでしょう。
480m圏の分岐です。左の尾根へ。
ヒノキの大木が並ぶ尾根を下ってきてそのままヒノキを追いかけて行きそうになるんですが、
あちらの右の尾根が篠戸山北尾根として筋が通っています。ここは470mあたりの分岐です。右の尾根に移ります。
下ります。
ザレ気味で滑りやすい山肌です。下ってきて
岩ゴツのヤセ尾根になったりもして、
急降下は続きます。秩父往還(国道140号)からでしょうか、車のエンジン音が聞こえてくるようになりました。そう言えば道にちゃんと降りられるのか不安です。
下ってきて
道が見えました。心配していた落石防護網や柵なんかはないようです。
どんどん下ります。すると
左にスルッという感じで踏み跡が道に下っているじゃありませんか。ありがたい拍子抜けです。
滑らかに道に立ちました。これにて篠戸山北尾根はおしまいです。
てくてくと歩きます。この道の名前は調べたんですがわかりませんでした。
事上沢を短いコンクリート橋で渡ります。川沿いに大きなカツラが立っていました。
たまご水につながる道だったんですね。たまご水まで1.4km、21分だそう。ということは大カツラまで22分ほど。行きませんけど。ゴールは武州日野駅のつもりだったんですが、道標の武州中川駅の文字を見て予定を変更。武州中川駅まで1.2km、18分。
途中の空き地から武州中川駅の方向。
線路沿いの道を歩いていたら電車に追い抜かれました。踏切を渡り、国道に出て、
武州中川駅に到着です。ゴールです。
影森駅で急行券なしで乗れる急行に乗り換えて御花畑駅で下車。西武秩父駅まで歩いてきました。駅前のセブン-イレブンで缶ビールを買って特急に乗るか各停の飯能行きに乗るか思案。ゆったり座りたいほど疲れているわけでもないし、急ぐ理由もないし、各停に決定。ホームのベンチで靴紐をゆるめ、公衆電話の向こうの駅舎の屋根の向こうに武甲山を見ながら缶ビールを飲んでいたら電車が来ました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。ちょっとビビる場所はあったものの矢岳北尾根篠戸山北尾根も無事に楽しく歩くことができました。また、よろしくお願いします。