奥多摩尾根歩き
浅間尾根(笹平〜松生山〜浅間嶺〜御林山)、森ノ沢右岸尾根

(2/2)


数馬分岐→(1時間)御林山→(15分)森ノ沢右岸尾根下降点(1120m圏)→森ノ沢右岸尾根→(1時間10分)檜原街道→(15分)[GOAL]檜原村温泉センター数馬の湯→温泉センターバス停→JR武蔵五日市駅


森ノ沢右岸尾根の肝は奥多摩周遊道路と接するポイントでした。周遊道路を歩いて尾根をつなぐか、道路下をトラバース(山腹水平移動)してつなぐか。トラバースを選んで肝を冷やしました。道路を歩けば1分ほど。トラバースは7分。たいした差はなく時間も短いんですが、頭上にエンジン音を聞きながら急斜面をトラバースする7分でキンキンに肝を冷やされました。

908mの標高点あたりを見上げながら通過します。
登山道をはずれ、893mの標高点(内台山の山頂)に立ち寄ってみました。
山頂からいきなりの岩ゴツを下ります。
林道を横切り
尾根歩きというか古道歩きを続けます。
数馬峠を通過します。左(南)に下ると檜原街道の下平バス停です。
ハスの花を抱いているように見える石仏が尾根の乗越し点に立っていました。
尾根の左(西)側にのびている道をてくてくと歩きます。
946mの標高点を見上げながら通過。
微妙な踏み跡が檜原街道に向かって下っています。地形図に破線が記載されていますが、あまりにかすかな踏み跡です。そそられます。
バーンを眺め、
道をはずれて1018mの標高点に立ち寄りました。Googleマップに「石仏」という記載があったんで周辺をうろうろしてみたんですがなにも見つかりませんでした。
標高点から下っててくてく歩き、
御林山の山頂に到着しました。三等三角点があります。標高点は1078.42m、基準点名は風張峠。風張峠はかなり北です。そこそこ大胆な基準点名だと思います。
山頂からの眺め。南面がバーンです。先に進み、森ノ沢右岸尾根のてっぺんをめざします。
あの向こうにめざす森ノ沢右岸尾根が見えます。道は尾根のてっぺんを回り込みます。
回り込んでてっぺんに向かって登ります。
到着。1120m圏です。
いちばん高そう場所に赤帽黒杭が刺さっていました。これにて浅間尾根はおしまい。森ノ沢右岸尾根の下り開始です。
てっぺんはまん丸でなんだか方向がはっきりしませんがテキトーに下り、
先ほど歩いた道に降り、横断し、
森ノ沢右岸尾根の続きを下ります。作業道でしょうか、薄い踏み跡があります。
下ってきて
1050m圏の分岐は左へ。
だんだん勾配がキツくなってきました。
1010m圏の微妙な分岐です。ツガ(?)の大木が並んだ右の尾根を下ります。
すぐの分岐は左へ。
970m圏の分岐は右へ。
下ってきて
識別テープだらけのゾーンを下り、
岩ゴツをがっちり押さえつけたワイヤーを巻きます。罠のようでちょっとビビりました。
右下に奥多摩周遊道路が見えてきました。
尾根はギュイーンとヤセて
擁壁のてっぺんにぶつかりました。
擁壁のへりに沿ってじんわりじんわり下っていきます。
かなりの傾斜です。
擁壁の下端で奥多摩周遊道路に接しました。ここでいったん尾根を削った周遊道路に出て尾根復帰のルートを探るか、
こちらの周遊道路の下のとんでもない傾斜をトラバースして尾根に乗るか、ちょっと迷った末、
トラバースを選択(右上に周遊道路の擁壁が見えます)。踏み跡はあるんですが、ぶつぶつと途切れます。たどると途切れて1、2m下に踏み跡が見つかる、そんなことが何度か繰り返されながら
急傾斜ののっぺりトラバースを続けます。頭上をエンジンの爆音が疾走します。
トラバースしてきて
ようやく尾根に復帰です(ログは道路上に描かれていますが実際は道路直下をトラバースしています)。
復帰して、ふと思い立って尾根を登り、周遊道路を歩くとどうなっていたのか見てみることにしました。あのてっぺんまで登ると、
右手に周遊道路位に出ようかどうしようか迷った標識が見えました。あそこからここまでゆっくり歩いても1分ほどでしょう。おまけに道路からここまですんなり登ってこられます。なんともデンジャラスな迂回をしてしまいました。振り返って尾根を下ります。
下ってきて

790mあたりをごそごそと下り、
下ります。
森ノ沢の対岸に現役なのかどうなのか水道施設が見えました。その左上の山腹に小さな洞窟が口を開けていてどうもただの穴とは思えません。かつて[三頭山中尾根、ハチザス沢ノ頭東尾根]を歩いたときの記録を以下に再録します。「このあたりの温泉「数馬の湯」は九頭龍神社所有の山林に湧出していた冷泉がはじまりで、湯壺は9尺(約2.7m)四方あってそばには浴室もあったんだけれどもいかんせん人里離れているのでここから湯を自宅まで運んで沸かして入浴する。小河内の温泉と同じく頭痛や打ち傷なんかにバッチリ効く。なんてことが『武蔵名勝図会 多摩郡之部 巻第10』(大正14-15 国立国会図書館蔵)に書かれています」。あの洞窟は湯壺に違いありません。違う? ちなみに対岸の尾根はかつて下った御林山南西尾根(テキトー名付け)です。
落石防護網を引っ張るワイヤーを通過します。
下ってきて
檜原街道が見えてきました。
枡の横に荒れてはいるけれどはっきりした道が下っています。
たどると檜原街道に
降りてきました。これにて森ノ沢右岸尾根はおしまいです。
温泉センターをめざします。森ノ沢に掛かる宮の橋を渡ります。森ノ沢は宮ノ沢とも呼ばれているそう。納得。
すぐに九頭龍神社を過ぎ、
「蛇の湯温泉 たから荘」を過ぎ、
標高点666mあたりの路上でコンと蹴ると驚くほど跳ねて跳ねて転がって転がった小梅を追い越し、
「檜原村温泉センター 数馬の湯」に到着。
風呂から上がり、ビールと舞茸の天ぷらを喫食します。そこそこ激しいアップダウンがあった初っ端を終えるとたんたんと尾根歩きは続いて次から次へとピークや峠を通過した浅間尾根、転がり落ちなくてほんとによかった奥多摩周遊道路下のトラバースをしのいで檜原街道へ着地した森ノ沢右岸尾根。14の標高点を通過し(内、見上げながらの通過が4)、3つの三等三角点を通過し、5宇(内、1宇は倒壊)の祠、4体の石仏に立ち寄った長い尾根歩きでした。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。無事、帰ってくることができました。また、よろしくお願いします。