奥多摩尾根歩き
エビ小屋山南西尾根、エビ小屋山尾根

(2/2 エビ小屋山尾根)


エビ小屋山→エビ小屋山尾根→(2時間)鉱山事務所前→(45分)[GOAL]JR青梅線古里駅


真名井北稜を下る予定だったんですがエビ小屋山で遠雷を聞き、「ヤバいかな」という気持ちに「なんだか疲れた」「もういいんじゃない?」「そーいえば古里駅前にコンビニがあるよなあ」といった思いがおぶさっかぶさってエビ小屋山尾根を下ることに決定。後半の原っぱの彷徨、原っぱと植林の境目のあやふやな踏み跡たどり、キッツい藪の突破、植林にかこまれてのひたすら急降下が印象的な尾根です。

エビ小屋山尾根はエビ小屋山の山頂からほぼ真南へ下ります。急降下ではじまります。
急降下が終わり、1130m圏の分岐です。ここで右に進まないとさらにとんでもない急降下に痛めつけられた後で林道にぽろりと放り出されるハメになります。
そこそこキツい勾配です。
ちょっと薄暗くなって遠雷が中雷くらいに近づいた気がします。
だーっと下ってきて
尾根は絞られて
ヤセながら左へ曲がっていきます。
1000m圏の分岐です。右へ。
左植林、右雑木の境目を下っていきます。
尾根は広がったんですが
またヤセて
とんでもなくおだやかで快適な尾根道になりました。こんな道なら自宅までつづいてもいいくらいです。
931mの標高点あたりを通過します。アセビが茂っているばかりです。日は差しているんですが中雷はやみません。
標高点を過ぎるとすぐにポカリと明るい場所に出ました。
防火帯みたいな尾根の急降下です。
ズザラズザラと下ってきて
下るんですがだんだん脚の動きがなんだかタランタランな感じになってきました。この先も急降下です。スピードをゆるめます。といったらすごい速さで下ってきたみたいだけれどもちっともそんなことはなく、
平坦な尾根になって一息つくことができました。
防火帯が終わると左植林、右雑木の尾根になり、油断していたわけではないけれど
いきなりの岩稜の登りです。
登りつめると四方から尾根が集まる平坦なピークでした。尾根を少し進んだあたりが841mの標高点で向山の山頂です。「独標 向フ山 八四一m」と書かれた山名板が木に下がっていました。
おだやかな尾根道をしばらく歩き790m圏の分岐です。地形図ではほぼ直進に見えるんですが現場では右に曲がるとしかいいようがない分岐です。
だーっと下ってくると採石場跡か伐採地跡と思われる原っぱです。きょういちばんの景色です。
ブナ(多分)の大木が伐採地跡を睥睨しています。
草ボーボーの原っぱに踏み跡を探しながら歩いたり、
植林の境目を歩いたり、
下ってきて
下ります。
採石場と工場が見渡せました。盆休なのでしょうか。動いているものはなにも見えず、なんの音も聞こえません。めちゃくちゃ精巧なジオラマみたいです。スイッチが入るのを待ち構えている、そんなふうにも見えます。
とんでもなく反抗的な藪がつづきます。小動物が通れそうな空間はあるのですが、四つん這いで歩くのはつらすぎます。無理。濃密で粘っこくしなる枝葉を押して押し返されて押して押して少しずつ前進します。
670m圏あたりの分岐で左の尾根に進みたかったんですが、藪と格闘しながら下っていたらいつの間にかめざす尾根に乗っていました。めでたし、めでたし、ではなく、とんでもない急降下がはじまりました。
下ってきて
下ります。
看板横でちょっと休憩。いきなり工場から音が聞こえてきてすぐにやみました。休業じゃないようです。
とにかく急降下です。
下ってきて
下ります。
しつこい? 尾根がしつこいんだからしようがありません。
下ってきて
写真ではよくわかりませんが階段の上に出ました。
階段を降りると鉱山事務所の真ん前です。作業服を着た社員の方とばったり出会いました。「おじゃまします」って挨拶したんですが若い女性社員をかなり驚かせてしまいました。
これにてエビ小屋山尾根はおしまいです。
右奥が入川林道です。ゲートがかすかに見えています。左へ曲がり、古里駅をめざします。
みなさん無表情ですが無事に帰ってきたことを喜んでくれているに違いありません。
駅前のコンビニで缶ビールを買って駅に着くと間もなくの発車です。跨線橋を渡るとすぐに青梅行きの電車がやってきました。
布滝を近くで見られなかったのはちょっと残念ですが、エビ小屋山南西尾根へのアプローチも尾根そのものもキツいながらも楽しく、エビ小屋山尾根は後半の急降下にはやられましたが、雷にも会わず雨にも会わず今回も事故なく尾根歩きを終えることができました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。また、よろしくお願いします。