倉戸沢左岸尾根、湯沢左岸尾根
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■倉戸山→(10分)湯沢左岸尾根下降点→湯沢左岸尾根→(1時間10分)奥多摩湖岸→(15分)[GOAL]湯場バス停(青梅街道)→奥多摩むかし道→境→青梅街道→(2時間30分)JR青梅線奥多摩駅
湯沢左岸尾根の肝は、インド洋に突き出たインド亜大陸そっくりに奥多摩湖に浮かんでいる半島の先端に着地できるかどうか、でした。インド亜大陸でいうとコモリン岬にちゃんと到達できるかどうか、です。
けれどもまだいくつかの肝があって、たとえば下降点や道中の分岐、コモリン岬から青梅街道への湖岸の道、です。たとえば、と言いつつこれで全てです。
ひろびろとした山頂ですがとくにすることもありません。湯沢左岸尾根に向かいます。登ってきた道を引き返します。
右奥に倉戸沢左岸尾根が見え、
合流点を過ぎるとすぐに道標が立っていて
やがてロープが終わります。そろそろ湯沢左岸尾根の下降点です。
ロープが途切れてちょっと先、どうやらあれが湯沢左岸尾根のようです。わかりづらいです。急斜面のぶ厚い落ち葉に埋まりながらスマホGPSを見たり尾根のようすをうかがったり、うろうろしていると女の湯方面(多分)から10人以上のパーティが登ってきました。声や会釈で挨拶して逃げるように下っていくと「お気をつけて」って声をかけられました。つんのめるように立ち止まって振り返り、「どーも。お気をつけて」って声の主らしい男性に返事をしたんですが、ほんとーに彼だったのか、当たる確率は7分の1(『奥多摩尾根歩き』調べ)。
ズッザズッザザズズッと下ってきて(中央上の葉っぱを付けた木の右に赤、左に黄のザックが見えています)、
下ります。尾根はまーるい形でいまひとつ進路方向がはっきりしません。
急勾配の途中で杭や標石がなにやら鳩首凝議の真っ最中です。980m圏の会議場です。
会議場から尾根の形がはっきりして勾配はキツいまま左植林、右雑木になりました。
下ってきて
940m圏の微妙な分岐です。とくに気にせずほぼ直進。とんでもなかった急降下がゆるみました。
直射日光と奥多摩湖からの反射で暖かいです。
隣の隣の尾根が奥多摩湖にせり出して日光浴をする巨大な亀のように見えます。
左手は室沢の支流に深く切れ落ちています。植林の底で真っ暗です。
右手は湯沢。明るいけれど水面ははるか下のよう。
870m圏の分岐です。ここも微妙な分岐でほぼ直進。
植林内の尾根歩きになりました。
790m圏で尾根はたらーんとして進路があやふやに。スマホGPSで確認して
下っていきますが、どうにも尾根の形がはっきりしません。
760m圏でまな板が敷かれたように尾根の形がなくなりました。右へ。
尾根に乗りました。とんでもない急降下です。
下ってきて
下ります。浅く凹んだ道が出てきましたが、歩きづらいので高い場所をたどります。
エンジン音がすぐ近くから聞こえてくるようになりました。
右手下に湯沢が奥多摩湖に流れ込んでいるのが見えます。
インド亜大陸の北端を横断する室沢トンネルの真上を通過します。
野外道具類が散乱していました。なにかがぎっしり詰まったキャリングケース、落ち葉が溜まったコット(簡易ベッド)、石で囲んだかまど、切株の椅子、鉄杭で組んだ調理用の三脚、薪が入ったビニール袋が未開封のものを含めて3、4個。もう少し先にはブルーシートやトラロープ、テーブル、スコップなんかも。大人の秘密基地の跡(?)でしょうか。
意外なものにぶつかるのも尾根歩きの醍醐味です。。。下ります。
ギュッギュギュッギュと尾根は絞られていきます。奥多摩湖の水面をすぐ近くに見ながら下ります。
尾根を回り込む道にぶつかりました。
右。倒木が何本も道をふさいでいますが道そのものはしっかりしています。
問題は、左のこちら。ゴールに設定したインド亜大陸の北東端にある青梅街道の湯場バス停まで湖岸をちゃんとたどれるかどうか、です。倒木はなくすっきりした道がのびています。
さらに尾根の先端に下ってみました。コモリン岬なら正面にインド洋、右手にアラビア海、左手にベンガル湾の3つの海が一望できるんですが、ここは奥多摩湖のみ。かつて湯場には30戸ほどの家屋があったらしいけれどダム建設で全戸が湖底に沈んだというか湖水の礎になっています。
これにて湯沢左岸尾根はおしまいです。
これにて湯沢左岸尾根はおしまいです。
湖岸の道を歩きます。路肩のあやしいところは杖で落ち葉を掃きながら進みます。翌々日の右腕の筋肉痛はこの落ち葉掃きのせいだったたかもしれません。
踏み外すと痛くて冷たいめにあいます。
青梅街道がちらりと見えます。エンジン音もちょくせつ聞こえてきます。
落ち葉も積りづらいのっぺり道です。
きょうのルートでいちばん肝を冷やしました。
青梅街道を走る車がすぐそこに見えます。
奥多摩湖沿いの道を歩き通せました。青梅街道側に祝福のA型バリケードが立っていました。違うか。
青梅街道を横断するとすぐに湯場バス停です。奥多摩駅行きまで20分ほど。ちょっと思案して柚子の旅に出ることにしました。青梅街道を歩きます。木立の向こうは下ってきた湯沢左岸尾根です。
道中。奥多摩湖と小河内(おごうち)ダム。奥に御前山のてっぺんがちらり。
青梅街道を50分ほど歩いて滝のり沢バス停に到着。ここから奥多摩むかし道に向かいます。
滝ノリ沢を縫うように登っていき、
奥多摩むかし道に合流。奥多摩駅方面に向かいます。
道中。
浅間神社が建っている井戸小屋尾根を越え、ぐーっと戻るように下っていると、ありました。柚子の無人販売です。立派な柚子が3個で100円。奥多摩プライスです。一昨年と昨年はもっとずっと先の無人販売で買いました。かなり早めの出店に軽く驚きつつ、とりあえず2袋購入。
奥多摩むかし道をてくてく歩きます。道所橋です。
しだくら橋です。そっくりです。
道中。
境の集落です。この先に柚子の無人販売があるはずですが奥多摩駅まで歩き通すとずいぶん時間がかかります。ここで奥多摩むかし道をはなれることにしました。
青梅街道を歩きます。もう少しで橋詰トンネルを抜けます。今回のルートで2番目に肝を冷やしました。
コンビニで缶ビールを買って奥多摩駅へ。たいして待つこともなく青梅行きが発車しました。
倉戸沢左岸尾根の横っ腹でかなり痛めつけられましたがヤセ尾根をぐんぐん歩くのは愉快でした。湯沢左岸尾根は奥多摩湖の水面を目の前にして湖岸の道に着地、湖岸を青梅街道に向かう一歩一歩、不安だったりヒヤヒヤしたり、愉快でした。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。また、よろしくお願いします。
倉戸沢左岸尾根の横っ腹でかなり痛めつけられましたがヤセ尾根をぐんぐん歩くのは愉快でした。湯沢左岸尾根は奥多摩湖の水面を目の前にして湖岸の道に着地、湖岸を青梅街道に向かう一歩一歩、不安だったりヒヤヒヤしたり、愉快でした。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。また、よろしくお願いします。