奥多摩尾根歩き
刈寄山南西尾根(日向沢右岸尾根)、舟子尾根

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刈寄山→舟子尾根→(2時間20分)刈寄川逆川出合→檜原街道→(40分)[GOAL]JR五日市線武蔵五日市駅


舟子尾根はそこそこ長い尾根です。刈寄山から舟子尾根ノ頭というピークまでは道標がビシッと立っているんですが、以降は鉄塔の巡視道をたどる尾根歩きになります。2、3か所ほど、ん、4、5か所かな、わかりづらい分岐や急降下があるんですが、ゆったりと歩ける尾根でした。

刈寄山の山頂を後にします。これからずーっとしばらくあきる野市と檜原村の境界を歩きます。
「今熊山・市道山」方面に下っていきます。
道中。快適な尾根道です。
640m圏の小ピークからの景色。
伐採地の縁を登っていきます。
うーむ、どこが見えているのでしょう。
「夕美山 650m」と書かれた山名板が枯れ木にくくりつけられているピクからの景色です。うーむ、どこが見えているのでしょう。
「今熊山」方面へ直進。
小ピークに立ちます。
「豆佐嵐山 648m」と書かれた山名板が木にくくりつけられています。『奥多摩』(宮内敏雄 昭和刊行会 昭和19 国立国会図書館デジタルコレクション 107ページ)には豆佐嵐に「づさらし」とルビが振られていて、「豆佐嵐山は川口・恩方・戸倉三村界で、一に棚澤入ノ峰ともウツギ窪ノ峰とも呼ばれる」と書かれています。ちなみにヤマレコは「ずさわらし」としています
舟子尾根のてっぺんは刈寄山かなあ、などと思っていたんですが『奥多摩』の107ページのつづきに「此處で尾根は不規則に三分し、先づ眞東に走って瀨東で終るのは入山尾根で、これには一ツ石山・金毘羅山などがある。(東北にのびる尾根の今熊山の記述があって)主脈は北に舟子尾根となつて走り」という記載があります。つまり『奥多摩』によれば舟子尾根のてっぺんは豆佐嵐山だということになります。ちょっとすっきりしました。
648mの標高点はロープの張られたあちらの入山尾根のすぐ先に設定されています。ロープが張られているのは採石場に立ち入ってしまうおそれがあるからでしょう。反対方向に進みます。
消火用水を通過します。
採石場のくぐもった操業音が右手から聞こえてきます。快適な尾根道をてくてくと歩き、
この道標で指示のない尾根上へ。右は今熊山、左は鉄塔への巡視道のようです。
登り詰めると舟子尾根ノ頭です。610m圏です。
あちらから登ってきました。
ザックを降ろしてちょっと休憩。休んでばかりです。伐採でバーンと大きく開けた眺望ですがちゃんと写真を撮るのを忘れていました。正面を撮らず左や右ばかりです。左は赤白の巨大な鉄塔は刈寄山の山頂から見えた鉄塔です。
右は今熊山(今熊神社)に向かって下っていきます。
歩きたい舟子尾根は左です。 
市街地を見渡せます。足元は逆川の源頭だと思います。
尾根上は防獣ネットでビシッと囲まれています。赤白鉄塔を通過しようと思ったんですが、脚を支えているコンクリートの基礎でちょっと休憩。
ほうじ茶を飲みながら先ほどまでいた刈寄山を眺めます。
ずっざずっざと下ります。
勾配がキツい場所は黒い樹脂製の階段が設置されてます。
尾根の骨格を見ているようです。
505mの標高点あたりです。いつの間にか防獣ネットから離れていました。北東に向かって逆川に向かう破線がのびているんですがそんな道あったかな、気づきませんでした。
490m圏の小ピークを越えます。なにもございません。
明るい雑木の尾根から
植林の中の小ピークに立ちます。古愛宕山の山頂です。どこの愛宕山も急峻でとんがった山容のイメージがあるんですが、Googleマップの航空写真を見てみると古愛宕山はそうなようなそうでもないような。このあたりに509mの標高点が設定されています。
先に引用した『奥多摩』のつづきには「主脈は北に舟子尾根となつて走り、閉鎖曲線五〇〇米の古愛宕山で今熊山に相對する。--その突端の逆川をグイと押曲げる山嘴は龍山(四〇〇米)だ」と記述されています。ということは、舟子尾根は古愛宕山から東寄りに下っていく尾根です。上の写真の右のすっきりした尾根道です。
ですが、より尾根の長い左のこちらの尾根を下りました。『奥多摩』の該当箇所を読んだのは帰宅後なんですが、読んでいても歩きたいのはこちらです。まさか通せん坊ではないと思いますが大きな倒木を越えます。
450m圏の分岐です。ほぼ直進。
かなりの急降下です。
400mあたりの分岐です。左の尾根に地形図の破線が刈寄川に向かって下っています。川の近くは激しいくの字くの字です。ちょっとひかれますが歩きたいのは左よりかなり勾配のキツい右です。さらに右の踏み跡に巡視道を示す黄杭が立っていたんですが、どこに行くのかわからないので見なかったことにして
かなりの急降下だったんですが、すぐに黄杭からきた巡視道と合流しました。というか巡視道に尾根道が合流しました。
新秩父線6号鉄塔(多分)を右手に見ながら通過します。
371mの標高点あたりに石祠が建っていました。久保川原の集落を向いているようです。近くに読み方のわからない「初蘭山」という雅やかな山名が書かれた板が木の枝に下がっていました。
石祠からすぐの分岐です。ほぼ直進します。
ナウマンゾウの牙ゾーンを通過し、
5号鉄塔をくぐります。
330m圏の分岐です。左へ。
もうすぐ
林道のはずで
見えてきました。
背後からそっと忍び寄っても撮られますよね。すみません、ただの通りすがりです。
なだらかにおだやかに林道に着地です。
これにて舟子尾根はおしまいです。逆川に沿って林道を刈寄川に向います。
かつて舟子尾根を登ったときはここから取付きました。わざわざ苦難の道を選択したみたい。
刈寄川に架かる古びたコンクリート橋を渡ると仮寄林道です。ゲートが見えます。
歩いてきた林道は坂沢線という名前のようです。
刈寄林道をてくてく歩いてきて起点です。突き当りを右へ。すぐに新久保川原橋、沢戸橋を渡って檜原街道へ。いなげやで缶ビールを買ったりしなければここから40分そこそこで武蔵五日市駅です。 
ホームで電車を待ちます。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。前回の臼杵山につづき、戸倉三山の2座目、刈寄山の山頂にへんな尾根ルートを歩き無事に立つことができました。4つの尾根はどれもメリハリの効いた尾根で楽しかったです。もう少しメリが多くてもよかったかなと思ったりもします、いや、ハリかな、どっちかどうなのかよくわかりませんが、とにかくまた、よろしくお願いします。