権衛尾根、野陣尾根

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今回は権衛尾根(ごんえおね)を登り、野陣尾根(のじんおね 富田新道)を下りました。
どちらも雲取山の東面にある尾根で、権衛尾根は野陣尾根の支尾根にあたります。野陣尾根は小雲取山をてっぺんにして東にダーッと長沢谷(ながさわだに)と大雲取谷(おおくもとりだに)という谷の出合あたりに下っていて、権衛尾根は野陣尾根の権衛ノ頭から北東へ大雲取谷に下っている尾根です。というのは地形図の地形を見てのかってな意見です。
権衛尾根の取付は大ダワ林道から大雲取谷に降りて渡渉した地点で、南隣の岩茸オキ尾根を登ったときに歩いています。権衛尾根の支尾根から恐怖のトラバース(山腹水平移動)で岩茸オキ尾根に向かったんですが、今回はトラバースなしで支尾根をそのまま登っていきます。
野陣尾根は富田新道という別名の通り新しい道だそうで、対する古い道は権衛尾根です。何らかの理由で権衛尾根が不便ということになって野陣尾根が開設されたのでしょうか。権衛さんから富田さんへ、激動(かどうかは不明ですか)のバトンタッチの現場を歩きます。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原林道→(45分)八丁橋→(1時間)唐松谷林道分岐→(20分)大ダワ・雲取山分岐→(20分)大ダワ林道・二軒小屋尾根分岐→大雲取谷渡渉→(15分)岩茸オキ尾根支尾根の取付→権衛尾根→(2時間30分)野陣尾根→(5分)野陣ノ頭→野陣尾根→(1時間10分)唐松谷林道分岐→(30分)日原林道→(1時間)八丁橋→(45分)[GOAL]東日原バス停
(8時間40分)
歩いた日 2021年10月30日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原林道→(45分)八丁橋→(1時間)唐松谷林道分岐→(20分)大ダワ・雲取山分岐→(20分)大ダワ林道・二軒小屋尾根分岐→大雲取谷渡渉→(15分)岩茸オキ尾根支尾根の取付→権衛尾根→(2時間30分)野陣尾根→(5分)野陣ノ頭


権衛尾根の取付は岩茸オキ尾根を登ったときのスタート地点と同じです。序盤はヤセた岩稜に始まり、巨木を背負いながらコロコロと表情を変える尾根でした。

おはようございます。東日原バス停から出発しました。稲村岩(いなむらいわ)周辺が紅葉していました。まだまだ紅葉するのでしょうか。
日原街道、林道日原線をてくてく歩き、八丁橋(はっちょうばし)の先のゲートを抜けます。
林道から眺めた紅葉。
唐松谷林道、野陣尾根への分岐を通過します。
大ダワ林道への下降点に到着。
長沢谷(ながさわだに)に下っていきます。
木橋で長沢谷を渡り、対岸のくの字くの字を登ると
二軒小屋尾根に乗ります。
正面が二軒小屋尾根。尾根を乗り越し、左奥へ大ダワ林道をたどります。
4、5分で大雲取谷に降りる目印になる「シカ柵設置工 奥多摩分区 38.い No.1」の掲示に到着。けれども
大ダワ林道を先に進んでみます。というのも地図上で権衛尾根をてっぺんから下端に向かってたどると最下端部はもっとずっと北です。あわよくばその最下端部から登ろうと思って大ダワ林道を奥に歩いたんですが、すぐに断念。だって行く手はこんな感じ。もちろん行ってみなくちゃわからないけれど、まっ、いいか、
と、引き返します。掲示まで戻らず薄い獣道を下ります。
大雲取谷の左岸に降りてきました。左岸をちょっと上流へ。
対岸の権衛尾根の支尾根の最下端部です。
あちらからジャンプ、岩、岩で大雲取谷を渡ってきました。
取り付きます。
登ってきました。
右下に見える大雲取谷。
鞍部に下ってからの急登です。
左下に見える大雲取谷。
そこそこの急登ですが木の根っこや岩など手がかり足がかりは豊富です。
岩茸オキ尾根を登ったときはこのあたりから「しめた」とばかりにトラバース(山腹水平移動)に移ったんですがえらく怖い目にあってしまいました。
きょうは恐怖のトラバース道を一瞥してそのまま登ります。
登ってきて
尾根は平坦になりました。1200mくらいです。ここはもう1本の支尾根との合流点です。
この合流した尾根の下端部を岩茸オキ尾根を登ったときに乗り越しました。とても美しい場所でした。
尾根はいきなりぐっとヤセて急登になりました。
紅葉。
岩がちなヤセ尾根です。
登ってきて
ツガやヒノキの大木を眺めながら登っていくと
尾根は色づいた木々に覆われ、
バキバキの倒木にも覆われたりもして、
左からの尾根と合流。急登です。
パリンパリンに乾ききった倒木が尾根上をふさいでいてなかなかまっすぐ歩けません。
バッキバッキです。
登ってきて
右から登ってきた尾根と合流します。1500m圏です。この尾根が権衛尾根が野陣尾根のてっぺんからシュッとまっすぐに下っている主脈です。
主脈の下方。両側の木に古い赤テープが巻かれていました。「旧」道らしい雰囲気の踏み締められた凹みが下っています。んー、気になります。いつか歩いてみたいです。
小休止の後、出発します。穏やかな尾根道です。
素敵な尾根歩きです。
1550mあたり。旧道だと言われれば大きく頷く尾根道が続きます。
1560mの標高点を通過します。
1570mあたり。尾根の雰囲気がガラリと変わりました。木が変わったのだと思うんですが違うかな。
木々の向こうに岩茸オキ尾根が見えています。
道中。
道中。
道中。権衛尾根でここがいちばん展望が開けていたんじゃないでしょうか。
藪に入ったり
相変わらず出現する倒木の
ベリっとはがれた根と根の間を抜けたりもしながら
尾根上を歩いていきます。
右手に芋ノ木ドッケ(芋木ノドッケ)が見えました。長沢背稜(ながさわはいりょう)にピョコンと突き出ています。この写真ではよくわかりませんが、右手前に二軒小屋尾根がダーッと下っています。
左手は木々の向こうに岩茸オキ尾根です。
尾根は幅広になって続きます。
空が広がっています。野陣尾根は近いのでしょうか。
木がまばらになり尾根の雰囲気が変わりました。
登ってきて
登ると
野陣尾根に合流です。
1840m圏の平坦なピークです。『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版)には小雲取山寄りの次のピークに「権衛ノ頭」という表記があります。向かいます。
左側(南方)が開けていて遠くまで見えます。
5、6分で権衛ノ頭と思われるピークに到着したんですが、「野陣ノ頭 1875m」と彫られた 板が下がっていました。なんだかよくわかりませんが、まっ、いいです。これにて権衛尾根はおしまいということにします。同時に野陣尾根のてっぺんということにします。
『奥多摩 それを繞る山と渓と』(田島勝太郎 著 山と渓谷社 刊 国立国会図書館 蔵)より引用。1935年の刊行です。「ゴンエオネ」「ノジンオネ」に加え、「アカアリ尾根」という文字があります。権衛尾根のルートはほぼ地形図通りの直線に近い破線で描かれています。これが「旧」道なのでしょう。多分。
『復刻版 奥多摩』(宮本敏雄 著 百水社 刊)より引用。初版は1944年の刊行。「ゴンエ頭」の文字があります。ゴンエ小屋なんていう小屋もあって権衛尾根への取付には橋が記載されています。このルートは下部の曲がり具合から今回のルートに近いように思えます。