今回は遠征です。埼玉県秩父郡小鹿野町(おがのまち)の胡桃指沢左岸尾根(くるみざすさわさがんおね)、白石山(毘沙門山)東稜を登り、長合沢左岸尾根(なごうさわさがんおね)を下りました。
白石山(はくせきさん)は白い石灰岩でできた山だから白石山なんだけれども別名の毘沙門山は南面の尾根にある毘沙門神社によるらしい。東南側はガッツリと採掘されていて近寄り難い荒々しい山肌をさらしています。そんな光景を従えて屹立する山容は毘沙門山の名前がよりふさわしいんじゃないかと激しく思いました。という訳でこの記録は毘沙門山と記載することにします。
毘沙門山東稜:人のなせる業と自然が合わさってできたなんとも奇っ怪でデンジャラスな尾根です。
胡桃指沢左岸尾根:毘沙門山東稜の北面を流れる胡桃指沢の左岸尾根です。毘沙門山東稜を南北に横断する峠道の胡桃指沢峠から西に標高差で100mほど高い小ピークがてっぺんで、吉田川に向かって北東に下っています。
長合沢左岸尾根:毘沙門山の西にある長合沢ノ頭をてっぺんにして北に下り、836mの標高点から東へグッと曲がって吉田川という川に落ち込んでいます。尾根の名前をつけるのは無理矢理感がありますが、まっ、尾根は尾根ですからいいか。
胡桃指沢左岸尾根、白石山(毘沙門山)東稜、長合沢左岸尾根
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■コース | 西武秩父線西武秩父駅→小鹿野役場バス停→[START]馬上バス停→毘沙門水→(10分)龍石寺→胡桃指沢左岸尾根→(1時間25分)白石山(毘沙門山)東稜→851m標高点→(1時間50分)白石山(997.0m 毘沙門山)→(25分)長合沢ノ頭→長合沢左岸尾根→836m標高点→(2時間20分)毘沙門水→(5分)[GOAL]馬上バス停→小鹿野役場バス停→西武秩父線西武秩父駅 (6時間15分) |
■歩いた日 | 2023年10月29日(日) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■西武秩父線西武秩父駅→小鹿野役場バス停→[START]馬上バス停→毘沙門水→(10分)龍石寺→胡桃指沢左岸尾根→(1時間25分)白石山(毘沙門山)東稜
胡桃指沢左岸尾根は吉田川と胡桃指沢の出合に建つ龍石寺(りゅうせきじ)から取付きました。初っ端の岩場を急登で巻くとあとはゆるい起伏の繰り返しでじょじょに高度を上げていきます。秋の葉っぱを眺めながらゆったりと歩くことができました。グニョグニョした等高線を見て道なき道をあえぎながら登る、みたいな想像をしていたんですがうれしい肩透かしでした。
おはようございます。小雨に煙る所沢プロペ通りです。自宅からだと池袋発の西武秩父行きの始発に乗れません。池袋のネットカフェで前泊しようと思ったんですが満杯。ちょっとずつ池袋を離れながら泊まれるところをネットで探していたら所沢まで来てしまいました。快活クラブのナイト8時間パック、60歳以上10%割引きと学割20%、ちょっと貯まっていたポイントを使って1678円也。
西武秩父駅から小鹿野車庫行きに乗り、小鹿野町役場で長沢行きバスに乗り換えて馬上(もうえ)バス停で降りました。見えなくなるバスを追いかけるように吉田川沿いの県道を歩きます。
「環境省選定 平成の名水百選」に選ばれた毘沙門水の汲み場が見えてきました。青い屋根です。汲み場に向かって吉田川に架かる橋を渡り、すぐに右折。川沿いの道を進みます。
胡桃指沢の小さな流れを鉄板の橋で渡り、坂を登ると
大聖山龍石寺です。軒先を借りて軍手、杖を準備。
本堂右奥から胡桃指沢左岸尾根に取付きます。急登です。獣道というにはしっかりした踏み跡があります。
すぐに尾根を覆う大岩にぶつかりました。
左に踏み跡がのびています。たどります。キツい勾配です。
巻道はまだ続いていますが
そろそろ尾根に上がらないと尾根歩きになりません。あの稜線をめざします。
尾根上には測量用の識別テープがひらひらしていました。
すっきりした形の尾根を登ります。
左は竹林、右は植林の尾根を登り詰めると
標高520m圏(以降「標高」は省略)の小ピークで右から登ってきた尾根と合流。右からの尾根が本筋のようでもあります。
ゆるやかなアップダウンが続く尾根です。
大木の切り株の手前でそこそこしっかりした道が尾根を横断します。峠のようです。
切り株の奥に立つスギの大木の根もとに崩れた石祠がありました。「明治卅九年十一月吉日」の文字が読めます。
峠から先はそこそこの急登です。
600mあたりの小ピークを越えて
下って登った小ピークの標高はやはり600mあたりです。
2、3分登ったあたりで尾根の上をクマが横切りました。体長は150cmはあったと思います。撮影する間もなく左から右へ静かに素早く横切って、あちらに去っていきました。餌場に向かったのでしょうか。クマとの遭遇は数年前の三頭山中尾根以来です。
しばらくドキドキしながらの尾根歩きです。
660mあたりの小ピークを越えて
そこそこの勾配を登っていくと
コンクリート板の擁壁に囲まれた鉄塔が見えてきました。
「東京電力新榛名線157号」です。展望はありません。
鉄塔を過ぎると木の板で土留めされた階段があって156号鉄塔への巡視路が右へのびていました。
階段はすぐになくなり、急登らしい急登です。
ぐーっと登ってくると
左の胡桃指峠からキツい傾斜で登ってきた尾根と合流しました。810m圏です。これにて胡桃指沢左岸尾根はおしまいです。