奥多摩尾根歩き
タル沢尾根、榛ノ木尾根

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再開します。長いブランクでした。
今回はタル沢尾根を登り、榛ノ木尾根(ハンノキ尾根)を下ります。 タル沢尾根は石尾根の将門馬場(まさかどばんば)という平坦なピークから北に下り、東日原バス停近くの日原川に落ち込んでいる尾根です。かなり前に下ったことはありますが登ったことはありません。
榛ノ木尾根のてっぺんは石尾根の六ツ石山でしょうかそれとも六ツ石山の南のトオノクボでしょうか。そのてっぺんから南東に下り、境という集落あたりが下端です。
久々のザックの感触を背に出発しました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原橋→タル沢尾根→(3時間40分)将門馬場→石尾根→(25分)六ツ石山→(20分)トオノクボ→榛の木尾根→(1時間30分)境の清泉→(5分)[GOAL]境橋バス停→JR青梅線奥多摩駅
(6時間)
歩いた日 2021年9月12日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原橋→タル沢尾根→(3時間40分)将門馬場


タル沢尾根は取付までの植林帯の急登、取り付いてからの伐採地の急登がキツかったです。けれども岩稜にヤセ、幅広、急登、なだらか、木々の緑は柔らかくとても表情豊かな尾根でした。

おはようございます。奥多摩駅です。天気予報は晴れでしたが曇っています。東日原行きのバスは10数人を乗せて出発しました。
東日原バス停に到着。マスクをザックへ、タオルと軍手、杖をザックから引っ張りだして準備OKです。
少し引き返し、日原川に向かって右に下ります。
草ボーボーの階段を降りてあの笹の穴に進んだら近道っぽいんですが、やめておきます。
舗装道路を下ります。中央やや左の奥に稲村岩、そこから左上にぐんとせり上がる稲村尾根、その奥にはタワ尾根が見えています。
同じ場所から日原川の対岸に目を向けると正面はネズミサス尾根、左はカラ沢尾根
その左(東)、これが目指すタル沢尾根です。
ヘアピンカーブを難なくこなし、下ります。
コンクリートの坂道から
草ボーボーの土の道になって
炭焼き小屋の上を通過すると
告知だらけの小さな広場に出ます。
日原川左岸沿いの道を進みます。
瀕死の状態の桟道を歩きます。
急に道はどんどん下り始め、日原川が見えてきました。
日原橋(にっぱらはし)を渡ります。
網タイツはともかくこの網はちょっと怖いです。おまけに揺れます。
日原川の下流方向。左上は採石場ですが、ちゃんと写っていません。
このあたりは禁漁区だそうです。ちなみに『禁猟区』は郷ひろみで『禁区』は中森明菜です。
頭上をシカが駆けていきました。禁猟区ではありませんからね。
この看板から山腹を登り始めます。
ずーっと一本道で斜上するばかりなのであの稜線を目指してここをよじ登ることにしました。
しっかりした道にぶつかりました。しんどいので日和ります。道をたどります。
道はあちらの稜線に向かっています。とんでもない勾配なので
再び道をはずれ、右上の稜線を目指します。
もう少しです。
登ってきて稜線に立ちましたが
タル沢尾根はまだ向こうのようです。
薄い踏み跡をたどって伐採されたタル沢尾根の下部に近づきます。
タル沢尾根に立ちました。見上げると首の運動になるくらいの斜度です。
これは尾根の下方。
尾根に刺さった2本の杭には「カラ沢入口」と書かれたテープが貼られていました。すぐ近くのもう1本の杭にも同じものが貼られていました。貼り主は心配性でしょうか。
バス停からここまで50分近くかかりました。最寄り駅のホームで買った「ジョージア カフェラテ」を一口飲んで登り始めます。
キツい登りにあえぎ、ふと振り向くとドーンと採石場が見えました。あの下を長ーい日原トンネルが通っています。
幹をつかんで体を引き上げようと思ったら鋭いトゲが生えていた木。タラノキかと思ったらどうやらサンショウです。赤い実を2粒ほどかじってみたら、ウッというエグみがやってきたと思ったらすぐに唇がビリビリピリピリと痺れ始めました。とんでもなく強烈です。文字通り「山椒は小粒でもピリリと辛い」です。
お次はこれ。なんでしょう。タンポポじゃないと思います。タンポポの綿毛よりずっと細くて綿毛には種が付いていません。この極細の綿毛が顔や服にペチャッという感じに貼り付き、くすぐったいしちょっとやそっとでは取れません。
艱難辛苦を乗り越えて登ってきました。
伐採地のてっぺんはもうすぐです。
伐採地のてっぺんからさらにちょっと登ると、右からの枝尾根と合流しました。690m圏です。杭が立っていて、てっぺんの将門馬場まで続いていました。
手前から2つめの尾根がカラ沢尾根。中央やや上に見えるむき出しの大岩が特徴的です。
これは枝尾根の下方。あの先は崖です。
登ります。ヤセた岩稜です。そこそこの急登です。
正面突破もできそうですが、右に巻くしっかりした道がありました。
登ってきて
登ります。
晴れてれば左(東)には山ノ神尾根なんかが見えると思います。そういえば『奥多摩 登山詳細図(西編)』(2017 吉備人出版)はタル沢尾根の東の沢を楢沢と表記しているんですが、樽沢じゃないでしょうか。『復刻版 奥多摩』(宮内敏雄 著 百水社 1992)の地図にはタル沢と記載されています。新版(2020 アマゾンへ)の表記はわかりませんが。
750m圏で岩稜はフッと消え、幅広の尾根になりました。いまの季節にふさわしくない表現ですが、とてもみずみずしい雰囲気です。
登ってきて
登ります。
840mあたりで左から登ってきたモノレールと合流しました。
登ってきて
登ります。
左下にタル沢尾根を下ったときに歩いたルートが見えました。急斜面をモノレールにつかまりながらあの奥からトラバースしてきました。確か、怖かったです。
大岩から長いロープがのびてきています。
んー、ロープがデンジャラス感を無理矢理押し上げている気がします。
回り込まずに途中から大岩によじ登ってみました。これほど高度感のない写真も珍しいんじゃないでしょうか。
で、ロープですがなんだか挙動が不審です。大岩の下からまだ先に続いています。たどってみました。杭で直角に右へ。
その先はかなりの急斜面の谷に下っています。謎。
尾根はまたヤセ気味になりました。
916mの標高点でしょうか。ここなんかは人工か自然かはっきりしませんが石組みに囲まれていてそれっぽいんですが、経験上、標高点が飾り立てられていることはほとんどありません。標高点がたまたま名前のあるピークだったりすれば別ですが。
ですので道をはずれて稜線の藪を進み「真の標高点」を探ります。
ここなんかはいかにも標高点っぽいです。決定です。916mの標高点はここということで続きの藪をこいでいきます。
藪を抜け、ブルーシートが載った左から登ってきた尾根と合流します。
ちょっと勾配がキツくなってきました。
またモノレールと合流します。
登ってきて
「300m」の標識を通過します。
平坦な場所に出ました。小屋があったんでしょうか。空き缶やライター、なにかに使われる謎の資材なんかが散らばっています。カフェラテを飲みながら小休止しました。
中央やや右に立っている細い木のようなものは金網の端っこです。
金網の右を登ります。
岩がちなところもあったりして
登ってきて
登ります。急登です。急登ですが、金網をつかむのは危険です。金網には有刺鉄線が編み込まれています。イテテとなってしまいます。さらに金網の支柱を支える鉄線が張られています。顔をぶつけないよう注意します。
閉まらずの扉を通過します。
登ってきて
登るんですが、バイクにまたがり鉄条網沿いを疾走するスティーブ・マックイーンを思い出したりもしました。
右手(西)のカラ沢尾根方向を見やりながら休憩します。中央右の黒い点は虫です。
ところで今回から新しいカメラを使っています。酉谷と日向谷の出合でカメラを水没。乾かすと、見事に復活をしたんですが、ズームレバーが使えなくなって、日付/時刻用電池が充電されなくなって、ついには録画ができなくなってしまいました。徐々に機能が欠落していくのは、なんだか己の老化を見ているようでツラいものがありました。それはともかく、とくに録画機能は尾根の分岐なんかで「ここは右を選択」などと映像と音声でメモがわりにしていたので使えなくなるのは痛手です。で、新しいカメラを買いました。液晶画面は荒くてこれで大丈夫? と思っていたんですが虫もフツーに撮れているようでよかったです。
1190mあたりで金網とモノレールはお別れです。彼らは左へぐーっと曲がっていきます。
丸くなった尾根を登ります。
1200mあたりの平坦な場所。なにか建っていたんでしょうか。
大木の倒木を通過します。
またややヤセの尾根になりました。
1297mの標高点だと思われる地点を通過します。標高点ハンターというわけではありませんが、尾根歩きには標高点がついてまわります。
そこそこの急登が続きます。
登ってきて
登り、
なだらかな尾根道になりました。
と思ったら今度は下ります。できれば下りたくありません。「登り返し」、とても恐ろしい言葉です。
コルからの登りです。
マルなんとかという草の小さな群落を通過します。
登ってきたんですが、
将門馬場は右手のあの小尾根の上のようです。向かいます。
小尾根を登ってきて
石尾根の稜線に立ちました。
将門馬場に到着。正面奥から歩いてきました。これにてタル沢尾根はおしまいです。