奥多摩尾根歩き
モクボ谷白仁田谷中間尾根、赤指尾根(留浦ルート)

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今回はモクボ谷白仁田谷中間尾根(もくぼだにしらにただにちゅうかんおね)を登り、赤指尾根(あかざすおね)、赤指尾根(留浦ルート)を下りました。
モクボ谷白仁田谷中間尾根は名前の通りモクボ谷と白仁田谷の中間にある尾根ですが、テキトーな名付けです。谷の名前は『奥多摩 登山詳細図(西編)2017』(吉備人出版 以降、『詳細図』)によっています。モクボ谷と白仁田谷の出合からグーッとせり上がり、てっぺんは赤指尾根上の1364mの標高点です。てっぺんに関してはまあテキトーです。近所にこれといっていいポイントがなかったのでこの標高点をてっぺんとしました。
赤指尾根は石尾根の千本ツツジをてっぺんにして南東に下っている尾根です。下部は枝分かれしていてこれぞ下端、という特定はわたくしにはできないんですが、以前に峰谷橋の南詰に下山したことがあるので今回は1104mのピークから南西に留浦(とずら)バス停まで下りました。地形図に点線(徒歩道)があり、『奥多摩 登山詳細図(西編)2017』(吉備人出版 以降『詳細図』)には「12 赤指尾根(留浦ルート)」として掲載されている尾根です。
実はボウズ谷と坊主小屋窪という谷の中間尾根を登り、浅間尾根(せんげんおね)を下る計画で出発したんですが、林道峰谷線(りんどうみねだにせん 以降、峰谷林道)の終点からの中間尾根までのトラバース(山腹水平移動)はとてもじゃないけれど無理そうだったのでモクボ谷へ移動し、当初の予定とはまるで違った尾根歩きになりました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]峰谷バス停→峰谷林道→(50分)日蔭名栗山南尾根取付→(10分)林道終点→峰谷林道→(35分)モクボ谷白仁田谷出合→モクボ谷白仁田谷中間尾根→(1時間40分)赤指尾根(1364m標高点)→赤指尾根→(2時間30分)1104m標高点→赤指尾根(留浦ルート)→(1時間30分)[GOAL]留浦バス停→JR青梅線奥多摩駅
(7時間15分)
歩いた日 2021年11月27日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]峰谷バス停→峰谷林道→(50分)日蔭名栗山南尾根取付→(10分)林道終点→峰谷林道→(35分)モクボ谷白仁田谷出合→モクボ谷白仁田谷中間尾根→(1時間40分)赤指尾根(1364m標高点)


モクボ谷白仁田谷中間尾根は美しい小さな流れの出合から始まる尾根。モノレールと付かず離れず、というか付いたり離れたりしながら植林帯の中や植林帯と自然林の境い目を急登したり、グニョっとした尾根を乗り越えて赤指尾根に合流しました。

おはようございます。奥多摩駅前の2番バス乗り場から峰谷行きに乗り、終点の峰谷バス停に到着しました。寒いです。出発して振り返ると朝日が峰谷川の左岸を照らしていました。
モクボ谷(峰谷川?)に架かった三澤橋(みさわばし)を渡り、
左折して峰谷林道へ。
右上から左下へ流れるモクボ谷と右下から左下へ流れるボウズ谷の出合を見下ろします。右上は日蔭名栗山南尾根(ひかげなぐりやまみなみおね「日蔭名栗山南尾根、赤指尾根」「ツバノ尾根、日蔭名栗山南尾根」「檜尾根、高丸山赤指尾根、日蔭名栗山南尾根」「ヤケト尾根、オッコシ尾根、日蔭名栗山南尾根」)の下端です。
ボウズ谷に架かった橋を渡ります。
ボウズ谷の上流方向。
「1.5km」の標識(多分、三澤橋あたりからの距離です)を過ぎ、
分岐を右上へ。
分断された日蔭名栗山南尾根を回り込むと
日蔭名栗山南尾根の取付です。ソリが乗り捨てられていました。先週、日蔭名栗山南尾根の下部で「段ボールなんかを尻に敷いてズザーッと滑り降りてみたいです」と書いたんですが同じ思いの人がいたのでしょうか。
林道の先に進みます。
バッサリと削られた岩盤を通過します。
むき出しの岩盤の向かいからボウズ谷を覗き込んでみました。はるか下に白い流れが見えました。
土砂に埋まった林道を乗り越えます。
すぐに林道の終点でした。
終点から先を見上げ、
水平方向を見て
見下ろして、どうにもこうにもこの先に進めそうにありません。上から下まで見える限りは道はもちろん踏み跡すらないし、相当な勾配です。ボウズ谷まで降りていけば活路を開けるかも、と思ったりしたんですが「面白感<デンジャラス感」なので撤退を決定。
目を凝らすとボウズ谷の連続した谷が見えました。
林道を引き返します。
先程わかれたモクボ谷沿いの林道に合流し、モクボ谷の上流に向かいます。というか向かってみます。どこかの尾根を登るつもりです。
ワサビ田を通過します。
「2.5km」の標識の先にワサビ田が見え、
ワサビ田のすぐ先で林道の行き止まりでした。
林道の先は細い道が日蔭名栗山南尾根の西裾にのびていました。この道を進み、テキトーな枝尾根で日蔭名栗山南尾根に登る、という選択肢もあったんですが日蔭名栗山南尾根は歩いたばかりなので却下。
モクボ谷に降りる道をたどります。左手にワサビ田が広がっています。
正面奥からのモクボ谷に、左のワサビ田の向こうから小さな谷(帰宅後に『詳細図』で調べたら白仁田谷という谷でした)が流れ込んでいます。この正面の尾根を赤指尾根まで登ってみることに決定。ですが、とんでもない急勾配なので正面からの直登は避けたいところです。
モクボ谷を飛び石で渡り、モクボ谷と白仁田谷の出合に近づきます。上流部にモノレールの駅、その下に木橋が見えます。モクボ谷の左岸沿いを歩いていけばあの木橋を渡れるようです。
モクボ谷と白仁田谷の出合です。
細い白仁田谷を渡ります。この小さな木橋は傾いていて渡れません。ひとまたぎです。ウソです。見栄はりました。ふたまたぎでした。
白仁田谷の上流側。右がモクボ谷白仁田谷中間尾根です。
モクボ谷に架かっている橋から駅までしっかりした道がつくられていました。
駅から谷の下流方向を眺めながらペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲んで小休止です。
駅の奥にしっかりした道が続いていましたが、尾根正面から離れるので出合方向に戻るモノレール沿いの道(かな?)をたどることにしました。
モノレールはグーッと巻きながらの急登なのですぐに離れ、作業道っぽい踏み跡を登ることにしました。
とんでもない急登に設置されたモノレールをまたぎ、作業道をたどります。
あの小尾根を乗り越すのでしょうか。仕事用だと思われるテープをいくつか見かけました。
登ってきて、小尾根は乗り越すことなく
くの字くの字で登っていきます。だんだん道の形があやふやになってきてテキトーに登ることにしたら
すぐに右から登ってきたしっかりした道にぶつかりました。駅の奥に続いていた道だと思います。
しっかりした道をたどります。
直登は厳しい勾配です。作業道に甘えます。
モノレールに合流します。
見下ろすとビシッと手入れされた美しいスギ林でした。
作業道はモノレールで折り返し、くの字くの字を再開したんですが稜線がすぐ近くになったので1010mあたりで
この作業道から離れ、
モクボ谷白仁田谷中間尾根に立ちました。モノレールに合流します。正面にドンと日蔭名栗山が見えました。
植林(どこからかスギはヒノキに変わっていました)と自然林の境界を登っていきます。
登ってきて
登ります。「500m/2,400m」の標識が立っていました。
パラリパラリと振っている霰(あられ)を撮ったんですがさっぱりわかりません。
尾根はグニュッとくねって右から登ってきた尾根と合流します。1130m圏です。
左から登ってきた作業道にぶつかります。
作業道はモノレールを越えてトラバースしていきます。1150mあたり。
ほうじ茶を飲みながら小休止。右後方に鷹ノ巣山(たかのすやま)が見えました。
作業道は追わず、尾根上を歩きます。そこそこの急登が続きます。
登ってきて
登ります。
防獣ネットも並走するようになりました。
左手の向こうに赤指尾根が見えています。
1210m圏でモノレールはとらえどころない幅広になった尾根の右(東)へ逃げていきます。このモノレールはいったいどこまで行くのでしょう。尾根をはずさないように植林帯に入っていきます。
尾根は波のようにうねっています。
登ってきて
ビッグ・ウェンズデーの壁です。
壁を登ると赤指尾根の登山道にぶつかりました。
あちらから登ってきて
赤指尾根の登山道を登ります。登ってきたモクボ谷白仁田谷中間尾根のてっぺんをポッコリとした1364mの標高点と定めます。歩き始めてすぐの分岐です。トラバースや下る選択肢はないので上の道へ。
小屋の残骸を通過します。
すぐに道はわからなくなりました。まっ、あのあたりのいちばん高い所を目指させばいいので気にしません。
霰がバランバランと激しく振ってきました。登ってきて
登っていくと
登山道らしき道にぶつかりました。とりあえず関係ありません。
道を横切り、あの高みを目指します。
アセビに包まれたピークです。
1364mの標高点に到着。これにてモクボ谷白仁田谷中間尾根はおしまいです。東京都水道局の赤帽白杭と石標が設置されていました。霰は夜更けを待たずに雪へとかわり、静かに降っています。きっと誰も来ません。と、山下達郎氏が言っていたような。
木には読めない板がくくりつけられていました。予定していた浅間尾根はやめにしてこのまま赤指尾根を下ることにしました。