奥多摩尾根歩き
岩茸オキ尾根、日向窪赤石窪中間尾根

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サワラノ平→日向窪赤石窪中間尾根→(55分)唐松谷林道→野陣尾根分岐→(1時間15分)日原林道→(1時間)八丁橋→(45分)[GOAL]東日原バス停


日向窪赤石窪中間尾根唐松谷林道の目指す下降点に着地するため、分岐に気を使いました。地形図ではわからないデンジャラス(そう)な崖もあり、短いけれど手ごたえというか足ごたえのある尾根でした。唐松谷林道は美しい木々に包まれた渓谷に沿う、まともな桟道のほんとんどない林道でした。

日向窪赤石窪中間尾根を下ります。立ってる「53|54」の林班界標と倒れた「54|55」の林班界標の間を進むと、
こんな感じ。地形図によると最初は幅広の尾根で、下るにしたがってだんだん絞られていきます。テキトーに下っていきます。
野陣尾根を越えても倒木は多く、枝にザックが引っかかりボヨーンと押し返されたりします。
1630m圏の分岐です。下りたいのは右の尾根です。
下ってきて
下ります。そこそこの急降下です。
あそこまで下れば勾配はゆるやかになりそう。
左に目をやると巨大なスプーンでごっそり削り取られたような地形が見えました。地形図にはなんの記載もありませんが、『復刻版 奥多摩』(宮内敏雄 著 百水社 刊)に「大クヨレ」、『奥多摩 それを繞る山と渓と』(田島勝太郎 著 山と渓谷社 刊)に「大ダヨ」と書かれた窪地みたいな記号の場所だと思います。近寄りがたい雰囲気でした。切り替え画像は『復刻版 奥多摩』より引用した地図です。
1560mあたりの分岐です。右に進みます。
ドザドザドザと下ってきて
1490m圏で勾配はかなりゆるくなりました。
と思ったらまたそこそこの急降下です。
1410mあたりでちょっと展望が開けました。雲の向こうは石尾根の支尾根でしょうか。
展望が開けたのはいいんですがこの先は崖っぽいです。地形図ではわからない落差です。より等高線の広がっている右に巻きます。
下ってきて
下り、
あちらの尾根にじょじょに近づいていきます。きょうはデンジャラスなトラバースに見舞われがちです。
尾根になんとか復帰しました。
巻いた崖を見上げた写真。
下ります。どうやら危機は脱したようです。唐松谷の水の流れが大きく聞こえてきます。
けれども急降下はやみません。
下ってきて
下り、そろそろだよな、と思っていたら
唐松谷林道にぶつかりました。楽に林道に降りられます。安全な着地点を探して右往左往せずにすみました。
「54|53」の林班界標が立っていました。これにて日向窪赤石窪中間尾根はおしまいです。短いけれどなんやかんや詰め込まれたお得セットみたいな尾根でした。
これは日向窪赤石窪中間尾根の下端方向。唐松谷に向かって切れ落ちています。
唐松谷林道のブナ坂方向。
ほうじ茶を飲んでちょっと休憩。日原林道方向に向かいます。
はるか眼下を流れる唐松谷を覗き込み、
赤石窪を通過し、
古い石垣に守られた道を歩き、
こんな桟道や
こんな桟道を
肝を冷やしながら歩きます。
恐竜の背骨? みたいな桟道もあったりします。
唐松谷の滝。
尾根をくるっと
回り込む桟道をしみじみ味わい、
トトロみたいな岩を通過。
「通行止」のロープが張られていました。切り替え画像はロープをくぐって振り返ったところ。
すぐに野陣尾根の分岐でした。
野陣尾根はあちらへ登っていきます。
林道を進みます。
大きな丸太がゴロゴロしている場所を通過。
吊橋が見えてきました。
手前の唐松谷と上から流れ落ちるマミ谷の出合。右上にせり上がっているのは桧尾根です。
吊橋を渡ります。
道の真ん中の白い小さなキノコを通過します。
ぐんぐん高度を上げます。眼下は日原川になったばかりの日原川。
頭上に日原林道の落石防護網が見えました。
日原林道に立ちました。
めちゃくちゃ頑張れば東日原バス停を17時台に出るバスに間に合うかもしれませんが頑張りません。ゆっくり帰ります。
ゲートまで戻りました。
東日原バス停に到着。誰もいません。満月と半月の中間よりちょっと大きい月が流れる雲に見えたり隠れたりするのを眺めながら最終バスを待ちました。
途中下車して缶ビールを購入しました。久々に奥多摩の女(ひと)と会いましたが電車の発車まで時間がありません。再会を期してすぐに別れました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。頭の芯が痺れるようなトラバースがありましたが無事に帰ってくることができました。またよろしくお願いします。