奥多摩尾根歩き
笹ヶタワノ峰南尾根、笹ヶタワノ峰北尾根

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笹ヶタワノ峰(笹尾根)→笹ヶタワノ峰北尾根→(30分)大楢沢二俣分岐→大楢沢→(1時間30分)檜原街道→松坂屋酒店→(25分)[GOAL]檜原温泉センター数馬の湯→温泉センターバス停→JR五日市線武蔵五日市駅


笹ヶタワノ峰北尾根は尾根の形がなかなか定まらなかったんですが、そこはほら、ごく短い尾根なのでテキトーにどんどん下っていきました。心配していた大楢沢への着地は尾根突端の崖を巻く踏み跡があって助かりました。
大楢沢は踏み跡のような踏み跡をたどりながら渡渉を繰り返すこと数十回。高巻きは3回。水際を歩けば歩くほど踏み跡の概念がどんどん広がって「これって踏み跡かな?」から「これって踏み跡だよねー」「うーん、そーだよね。これは踏み跡だよ。うん、うん、間違いない」なんてずんずん檜原街道に向かって下っていったのでした。

笹ヶタワノ峰北尾根を下ります。「笹ヶタワノ峰」の山名板の向こうの藪に突入です。
けれども尾根の形はなく、右手に尾根を発見。
シャツやズボンやザックをバリガリカリしながら藪漕ぎすること5、6分。笹尾根の登山にぶつかりました。笹ヶタワノ峰北尾根はまだちょっと右。登山道をたどり
今度こそ笹ヶタワノ峰北尾根を下ります。
下ってきて
幅広の尾根です。テキトーに下ります。
細いけれどしっかりした踏み跡を横断します。
これはなんという植物なんでしょう。数10cmから2m超のものが尾根を覆っていました。
ちょっとした広場から
再び名前のわからない草の茂みに突入します。
草の茂みを抜けたら1010m圏です。ほぼ直進します。生きているのか枯れているのかわからない硬い蜘蛛の巣みたいな細い木の茂みになりました。
下ってきて気づくと右手すぐ下から水の音が聞こえてきます。
右手下の大楢沢左俣です。水の音の大きさに比べて流れはずいぶん細く感じます。滝が連続しているのかもしれません。
尾根はぎゅっと絞られてきました。
尾根の突端が見えてきました。平たい岩が2枚、座布団のように並んでいます。
右の座布団に立ちました。二俣の分岐点が見下ろせます。ここからは下るのは無理。ちょっと引き返して
薄い踏み跡をたどって下ってきました。
二俣の分岐点に立ち、笹ヶタワノ峰北尾根を見上げます。これにて笹ヶタワノ峰北尾根はおしまいです。ザックを降ろしてちょっと休憩。
大楢沢の下流方向です。道を探すもそんなものは見当たりません。水際をテキトーに下っていくことにしました。
広い川原を歩いたりもします。
振り向いてもう一度、笹ヶタワノ峰北尾根
大楢沢にはこんな美しい枝沢が何本も流れ込んでいます。
ワサビ田跡を歩きます。
枝沢。
塩ビ管を通過します。
小屋跡がありました。
羽釜にポットにアルミ鍋に弁当箱、すぐに新生活OKです。
かつての作業道だったらしい踏み跡が濃淡を描きながらつづきます。ちょっとした高巻きから
水際に戻ったりもします。
左岸から流れ込む大きな枝沢を通過します。760m圏です。
何十回めかの渡渉です。
ややこしい場所もあります。
平坦な林床をテキトーに歩いたりもします。
道中。
ずんずん下ります。
この先で水の音が大きく響いています。不穏です。左岸を高巻きます。
高巻き中。左岸の水際はよく見えませんが、高巻いてよかったような気がします。
沢に下る踏み跡があります。急降下です。高巻きは往々にして復帰の下りに難多しです。
ワイヤーロープの束を通過します。どんな作業に使ったのか使おうとしたのでしょうか。
また不穏な水音の高まりです。しかも左右岸ともに水際は歩けそうにありません。
高巻き中です。見下ろすと小さな滝が連続しています。
沢に降りてきました。上流を振り返ります。高巻きは正解だったみたい。
振り返ると堰堤です。ずっと奥に檜原街道が見えます。
左手に堰堤を高巻くしっかりした踏み跡があります。登っていくと
丸太で路肩をつくったくの字くの字の道に出ました。大楢沢左岸尾根を下ったときの道です。檜原街道は眼の前です。
檜原街道から下ってきた大楢沢を眺めます。これにて笹ヶタワノ峰北尾根はおしまいです。
南秋川と大楢沢の出合を檜原街道から見下ろします。『秋川の山々』(東京瓦斯山岳会編 東京瓦斯山岳会 昭15)という書籍によるとこのあたりに水車小屋があったらしいんですが85年も前のことです。檜原街道を「檜原温泉センター数馬の湯」に向かいます。
いったん、数馬の湯を過ぎ、
666mの標高点の向こう、松坂屋酒店に立ち寄り、缶ビールを購入。歩き飲みしながら数馬の湯までゆっくり引き返します。
4週連続の数馬の湯です。ふふふ、もう、顔パスです。料金を支払います。風呂上がりに「いつもの」と食券機の前でつぶやき、瓶ビールと舞茸の天ぷらのボタンを押します。
先週に比べて駐車場の上空を飛ぶウスバキトンボの数はぐんと減りました。
山ノ神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。水源としてのアッチ沢、ワサビ栽培の大楢沢、そんな印象です。沢歩きからの尾根歩き、尾根歩きからの沢歩き、思った以上に楽しい山行でした。また、よろしくお願いします。