奥多摩尾根歩き
七跳尾根、ハンギョウ尾根

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今回は七跳尾根(ななはねおね)を登り、ハンギョウ尾根を下りました。
実は当初、石楠花尾根(しゃくなげおね)を登って七跳尾根を下る予定で出かけたのですが、林道小川谷線の深部で撤退。石楠花尾根の下端である三又(みつまた)という、いろんな谷が合わさっている場所まで到達できませんでした。そこで予定変更。七跳尾根を登り、ハンギョウ尾根を下ることにしました。撤退理由は先行していて引き返してきた若者男性2人組の「崩落がひどくてとてもじゃないけど歩けない」という情報です。初っ端の大崩落でビビりまくっていたわたくしは、即座に勇気をもって毅然としてためらうことなく胸を張ってビシッと前進を諦めました。
七跳尾根、ハンギョウ尾根ともてっぺんは長沢背稜にあって、七跳尾根は七跳山、ハンギョウ尾根は七跳山から東へ小1時間ほど歩いたハンギョウノ頭というピークがてっぺんです。下端はというと七跳尾根は小川谷林道の「広場」と呼ばれているだだっ広い平地で、ハンギョウ尾根は小川谷林道のかろう橋あたりです。
どちらの尾根もキツい坂でしたが、ほぼ自然林のなかを心地よく歩くことができ、七跳尾根はどちらかというと黄色、ハンギョウ尾根は赤色の尾根でした。
※三又の読み方ですが、「みまた」か「みつまた」かはっきりしません。例えば『復刻版 奥多摩』(白水社 宮内敏雄)では「みまた」。『奥多摩渓谷』(朋文堂 岩根常太郎)では「みつまた」と表記(孫引き)されています。
2021年1月の七跳尾根、ヨコスズ尾根はコチラ。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→(30分)林道小川谷線→(1時間45分)広場→うろうろ→(30分)七跳尾根→(2時間)七跳山→長沢背稜→(50分)ハンギョウノ頭→ハンギョウ尾根→(2時間)林道小川谷線→[GOAL](30分)東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
歩いた日 2018年11月3日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→林道小川谷線→広場→うろうろ→七跳尾根→七跳山


七跳尾根はザレた急登が続きました。道標はないけれど登るぶんには道迷いはなさそうです。

おはようございます。中5日の日原です。奥多摩駅から東日原行きのバスは超満員で1台発車。川乗橋バス停で5分の4ほどが降車。きょうも稲村岩はとんがっています。
遠くの山の紅葉を眺めながら
小川谷橋(おがわだにばし)に到着。
橋を渡って右へ。
まっ赤です。
一石山神社(いっせきやまじんじゃ)を通過します。タワ尾根に向かう登山者が4、5人いました。
フェンスが取り払われた日原鍾乳洞前を通過します。
燕岩(つばめいわ)の下に新しくできた「日原燕岩洞門(にっぱらつばめいわどうもん)」をくぐります。
中はこんな感じ。美術館かなんかの通路のようです。
通り抜けると籠岩(かごいわ)が見えてきます。
奥多摩駅近くの氷川大橋の西詰めから始まった日原街道は籠岩の下でおしまい。ここから林道小川谷線になります。
籠岩の下部。ドクロに見えなくもありません。
いよいよ小川谷林道です。
がってん!
確かタワ尾根の人形山に向かう道です。
がってん!
飛び出した大岩を木で支えているみたいですが、そんなことはありません。
そろりそろり静かに歩くか、ピャーッと走り抜けるか迷います。
上をみながらちょっと早歩きで大岩群を抜けるとすぐゲートがありました。
がってん! 三又までは行けますよね。
使われなくなった浄水所を通過します。
あの向こうの白く飛んで見えない山の紅葉がとても美しかったです。
倒木がスパンと切断されています。
ここはどうやら小川谷右岸の上段歩道や下段歩道への入口のようです。
雲ひとつある秋晴れです。
かろう橋に到着。
カロー大滝やハンギョウ尾根に向かう道が見えています。撮影時はまさかここに下ってくるとは思ってもいません。
小川谷の上流側。橋の上でザックから軍手と杖を取り出し、靴紐をきちんと締め、首に掛けていた黄タオルの両端を持ってグググーッと持ち上げて伸びをしました。出発します。

いきなりの倒木です。これ以降も倒木や崩落が何カ所かありますが、歩くぶんには大きな支障はありませんでした。スライドは「広場」の手前までです。

「広場」に到着。東日原バス停からおおよそ2時間15分かかりました。なんにもない広ーい平地です。ヘリポートか何かの跡地なのでしょうか。画面右の一段下がったところにも平地が広がっています。
広場の南方向。タワ尾根やいろんな尾根が見えています。画面下が一段下がった広場。
これは広場から東へ伸びている林道犬麦線です。当初の計画では七跳尾根を下ってこの奥から戻ってくるはずでしたが、30分ほど後に奥に歩いていくことになります。
西方向。ウトウの頭から伸びる四間小屋尾根(しけんごやおね)が見えています。
広場の端にあった案内板。
広場の端にあった道標。広いのでブラブラするのにも時間がかかります。
さて、トラロープの向こう、三又を目指します。
広場から尾根を回り込むとすぐにこんな崩落です。まっ、ここは慎重に歩けばOK。
で、1分も歩かないうちに次の崩落。右の木からトラロープが急斜面に沿って垂れています。70度くらいあるんじゃないでしょうか。写真では高巻きもできそうですが、わたくしには無理。
急降下して急登するキョーレツなV字形ルートです。
ルートを確認していたらほんのちょっと前に背中を見せて先行していた若者男性2人組が引き返してきました。「どうしたのかな」と思いながらトラロープを握り、ゆっくり下り始めたところ、若者の一人が「崩落がひどくてとてもじゃないけど歩けない。谷も深いし」と声をかけてくれました。急降下にビビっていたわたくしはとりあえず必死で引き返しました。
老いては子に従え、撤退することにしました。ただ、諦めてはいません。いつかあの先を歩いて三又に行こうと思っています。若者たちに礼をいって、
広場まで戻り、ちょっと思案。小川谷林道をそのまま戻る気はサラサラなく、下る予定だった七跳尾根を登ることにしました。犬麦林道を進みます。
うーん、まだ? と思うくらい歩いてこの木の階段に到着。七跳尾根の取り付きです。
登り初めはこんな感じ。
大きなくの字、
くの字で、
七跳尾根の枝尾根を乗っ越しながら高度を上げていきます。
登山道はなかなか七跳尾根に乗りません。登山道をはずれて左へ登り、枝尾根に乗ってから枝尾根を直登することにしました。
枝尾根。ザレて足元はよくないです。
そして先に進むと思ったより急登。ちょっとだけ後悔しています。
もう少しで七跳尾根に乗ります。
乗りました。1280mあたりです。
七跳尾根の下方。
紅葉の向こうにタワ尾根が見えます。
右手から登山道が合流しました。
網タイツ。
昭和42(1967)年度にカラマツ、昭和52年度にヒノキを植栽したという東京都水道局の看板を通過するとすぐ、
1342mのピークです。なにがあるというわけではありません。先に進みます。
左手の紅葉の向こうは以前に歩いたゴンパ尾根のはずです。
ちょっぴりヤセててなだらかな尾根を歩くと、
尾根を乗っ越すしっかりした道が通っていました。そのまま林班界標の向こうへ、尾根を登ります。

そこそこキツい登りが続き、ゴンパ尾根と合流してようやくなだらかになります。スライドは長沢背稜の登山道にぶつかるまで。

長沢背稜の登山道を横切ってそのまま七跳山を目指します。
これは二重稜線というのでしょうか。右の尾根を選択。
ピークに到着。ここが七跳山かと思ったんですがどうやら違います。画面左奥のほうがそれらしい佇まいです。
七跳山(1651m)に到着。これで七跳尾根はおしまいです。取り付きから約2時間かかりました。さて、これからどうしょう、とザックから地図を引っ張り出し、疲れ具合やらコースタイムなんかを検討しながらあーだこーだと考えていると、小川谷林道で出合った若者2人組がやってきました。挨拶を交わした後、彼らの会話を何気なく聞いているとかなりルートに詳しそう。秩父側がどーとかバスがどーとか。で、彼らは先に出発しました。アディオス! とココロの中で呟いたんですが、帰りの東日原バス停でまた合いました。わたくしはハンギョウ尾根を下ることに決定。
秩父方面の眺め。
アディオスナナハネ!