奥多摩尾根歩き
栗坂ノ尾根、笹尾根、浅間峠北尾根

(1/2 栗坂ノ尾根)


今回は栗坂ノ尾根笹尾根まで登り、笹尾根を西へ、三頭山に向かってゆるやかに登り、数馬峠北尾根(テキトーな名付けです)を下りました。
栗坂ノ尾根は『奥多摩』(宮内敏雄 昭和刊行会 昭和19)に名前があるんですが、『山梨東部の山 登山詳細図(東編)』には「戸沢山ルート」と紹介されています(すみません。見本を立ち読みしました。今度買います)。立ち読みの記憶では、710mの標高点あたりまで尾根を巻く地形図の破線(徒歩道)をたどるルートでした。
けれどもせっかくの山梨から東京への半遠征なのでできるだけ尾根の下端から取付くココロづもりでの出発です。
それぞれの尾根の位置は地図をご覧ください。
コース JR中央本線上野原駅→[START]新山王橋バス停→旧棡原中学校→栗坂ノ尾根取付→栗坂ノ尾根→芦沢山→(2時間30分)栗坂ノ丸→笹尾根→土俵岳→丸山→(3時間30分)浅間峠→浅間峠北尾根→(1時間)[GOAL]檜原温泉センター数馬の湯→温泉センターバス停→JR五日市線武蔵五日市駅
(7時間)
歩いた日 2024年6月29日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR中央本線上野原駅→[START]新山王橋バス停→旧棡原中学校→栗坂ノ尾根取付→栗坂ノ尾根→芦沢山→(2時間30分)栗坂ノ丸


栗坂ノ尾根は鶴川の左岸に流れ込む三二山川(さんにやまかわ)の左岸にある尾根です。三二山川尾根と名付けようとしたんですが『奥多摩』(前出)に黒い太線と栗坂ノ尾根の名前がありました。
地形図を見て「ずっと植林の中を登るんだ」と思っていたら、なんとその通り。だと思ったらそーでもなく、54.03%(『奥多摩尾根歩き』調べ)は雑木に囲まれてのまーまーおだやかな尾根歩きでした。
ただ、取付から尾根に乗るまでの大藪漕ぎは久々の「これは失敗?」な感情と葉っぱの水滴にまみれました。

おはようございます。上野原駅南口のバス乗り場です。予定よりちょっと早めの電車に乗ったらあれよあれよと上野原駅に運ばれて小菅の湯行きのバスを50分くらい待つことになりました。
街なかを抜け、鶴川を渡るといきなり山深い景色になり、30分ほどで新山王橋(しんさんのうばし)バス停に到着。鶴川と三二山川(さんにやまかわ)の出合に架かる橋の上にポトリという感じで降りてバスを見送りました。
振り返って高台に建つ旧棡原(ゆずりはら)中学校をめざします。左にぐーっと回り込む道があるんですが、中学校を経由したほうが近道のはず。多分。左上に登っている坂道を歩いていくと
こんな道になり、突き当りを右へ。
正門の前に出ました。左の門柱に「棡原中学校」、右に「上野原市立」と彫られた銘板がはめられています。1947(昭和22)年の開校時は棡原村立。上野原町立を経て上野原市立になったのは2005(平成17)年のことで2008年に閉校したらしい。奥に見えるグラウンドはビシッと整備されていていまも現役だと思います。
正門から少し登ると左から回り込んできた道と合流。登っていきます。
取付ける場所を探しながら歩いてきたんですが人様んちに踏み入りそうな場所ばかりでした。ここなら大丈夫です。めざす栗坂ノ尾根の横っ腹です。ザックから杖、軍手、タオルを引っ張り出して準備OK。擁壁に切り取られた坂道を登ります。
戻る方向と登る方向に踏み跡があります。登る方へ。
これぞ獣道、みたいな獣道です。腰をかかめて進むんですが、朝まで降っていた雨のせいか足元は滑るはびしょ濡れになるは、かなりの難行です。
畑の跡らしい明るい場所に出ました。クリが何本かありました。栗坂のクリなんでしょうか。
あちらから這い上がってきて
ワラビが群生する斜面を登ると小さいけれどしっかりした道にぶつかりました。左下の集落から登ってきた道のようです。
小道はすぐに立派な道になりました。
振り返って。
山に入ると道はさらにグレードアップされたんですが、尾根を巻くばかりです。左手の斜面を登り、
栗坂ノ尾根に乗りました。植林のおだやかな尾根です。
423mの標高点あたりを通過します。なにもございません。
標高点を過ぎるとすぐに立派な道と合流。
道は尾根を縫ってブツブツと分断していくのかどうか、まだ判断できません。
とりあえず様子見で道をたどってみます。
標高470m(以降「標高」は省略)あたりで立派な道はフツーの道になりました。尾根を分断する頻度はごく少なく、尾根上を歩いてもストレスはありません。
人が歩きまくって、水が流れまくってこうなったのでしょうか。笹尾根の山梨側も東京側もカップ入りのアイスクリームをスプーンでぐーっと削ったような丸く凹んでボブスレーのコースみたいな道が多いです。
しばらく雑木の尾根だったんですが植林に囲まれました。そこそこの勾配です。
登ってきて
600m圏あたりから勾配はじょじょにゆるやかになって
右から登ってきた尾根と合流。710mの標高点あたりです。
標高点を過ぎるとスキップし放題の尾根道になりました。
ポカリと空が見えます。
空で右から登ってきた尾根との合流し、すぐ先は
774mの標高点です。「芦沢山」と手書きされた山名板がありました。
体を大きくふくらませたヒキガエル。そーとー威嚇されています。カメラ嫌いのようです。すみません。
尾根の右に巻く道があったんですが、尾根上を進むと750m圏で分岐していました。3方に下っています。左に下っても真っすぐ下っても三二山川と浅間峠を結ぶ地形図の破線に降りられて(るはず)それはそれで面白そうですが、今回は右へ。栗坂ノ丸をめざします。
下るとすぐに巻いてきた道と合流。
そのままゆるく下っていくと鞍部に道標かと思ったら「馬頭観音」と書かれた案内板が立っていました。
「天保二卯年 馬頭観世音」と彫られています。約190年前のもののようです。高さは50cmほどだったかな。
鞍部から少し登って717mの標高点あたりに立って振り返ったところ。左手に峠道が小伏(こぶし)地区に下っています。
登ります。
霧に霞んだ空が笹尾根の稜線でしょうか。
違いました。まだ先がありました。
もう少しありました。
ゆるやかに登ってきて
笹尾根の稜線です。これにて栗坂ノ尾根はおしまいです。
登山道の向こう側に「栗坂の丸」の山名板が木にくくりつけられていました。
笹尾根をひたすら西へ、数馬峠をめざします。